
前回の「別表7疾患とは?訪問看護を医療保険で制限なく使える仕組みと対象疾患一覧」では、ALS・パーキンソン病関連疾患・末期の悪性腫瘍など20の疾患等に診断されると、医療保険での訪問看護が週3日制限なしで利用できる「別表7」の仕組みを解説しました。
今回はその続編です。「別表7」と並んで現場でよく出てくるのが「別表8」という制度です。別表8は疾患名ではなく、「気管カニューレの使用」「中心静脈栄養」「重症褥瘡」といった在宅での医療処置・機器の状態によって判定されます。別表7とは目的も効果も異なりますが、重症な患者さんは両方に同時に該当するケースも多く、セットで理解しておくことが重要です。
結論から言えば、別表7は「疾患名」で判定して訪問回数の週制限を撤廃し、別表8は「医療処置・状態」で判定して特別管理加算の算定と特別訪問看護指示書の月2回発行を可能にします。どちらに該当するかで、利用できる訪問看護の内容・頻度・費用が大きく変わります。
参考:厚生労働省「特掲診療料の施設基準等」別表第7(疾病等の一覧) / 令和8年度診療報酬改定について
この記事では、別表7・別表8それぞれの対象・効果・違いを比較表で整理し、宮崎市で24時間対応するOUR(アワー)訪問看護ステーションが詳しく解説します。
宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応
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☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時
別表7と別表8の違いを一目でわかる比較表
| 別表7 | 別表8 | |
|---|---|---|
| 判定の基準 | 疾患名(診断名) | 状態・使用中の医療処置・機器 |
| 主な対象 | ALS・パーキンソン病関連・末期がん・人工呼吸器使用 等 | 気管カニューレ・褥瘡・中心静脈栄養・腹膜透析 等 |
| 訪問回数 | 週の制限が撤廃(週4日以上・1日複数回可) | 通常の制限が継続(別表8のみでは週制限は変わらない)※ |
| 特別管理加算 | 関係なし | 算定可能(月2回) |
| 特別訪問看護指示書 | 月1回 | 気管カニューレ・真皮を越える褥瘡の場合は月2回可 |
| 複数ステーション | 可 | 別表7との重複がある場合は可 |
| 保険の適用 | 介護保険利用者も医療保険優先 | 原則として通常の保険区分に従う |
※別表8のみ(別表7非該当)の場合、週の訪問回数制限は通常どおりです。ただし急性増悪時には「特別訪問看護指示書」(月1回・14日間)を使うことで制限を外すことができます。
どちらにも該当する場合(例:ALS+気管カニューレ使用、末期がん+中心静脈栄養)は、別表7・別表8の両方の制度メリットを同時に受けられます。
別表7とは:「疾患名」で訪問回数制限が外れる制度
別表7に掲げる疾病等の一覧
以下の疾患等に診断された方は、医療保険での訪問看護において週の訪問回数制限(通常週3日)が撤廃されます。
| 疾患・状態 | 備考 |
|---|---|
| 末期の悪性腫瘍 | がんの終末期 |
| ALS(筋萎縮性側索硬化症) | |
| 多発性硬化症 | |
| 重症筋無力症 | |
| 脊髄小脳変性症 | |
| パーキンソン病関連疾患 | ホーエン・ヤールステージ3以上かつ生活機能障害度ⅡまたはⅢに限る |
| 多系統萎縮症 | 線条体黒質変性症・オリーブ橋小脳萎縮症・シャイ・ドレーガー症候群 |
| ハンチントン病 | |
| 進行性筋ジストロフィー症 | |
| スモン | |
| プリオン病 | |
| 亜急性硬化性全脳炎 | |
| ライソゾーム病 | |
| 副腎白質ジストロフィー | |
| 脊髄性筋萎縮症 | |
| 球脊髄性筋萎縮症 | |
| 慢性炎症性脱髄性多発神経炎 | |
| 後天性免疫不全症候群(HIV/AIDS) | |
| 頸髄損傷 | |
| 人工呼吸器を使用している状態 | 疾患名でなく「状態」で判定 |
別表7の詳細・各疾患の在宅療養のポイントは「別表7疾患とは?訪問看護を医療保険で制限なく使える仕組みと対象疾患一覧」で詳しく解説しています。
別表8とは:「状態・医療処置」で特別管理加算が算定される制度
別表8に掲げる状態等の一覧
以下のいずれかの「状態」にある方が該当します。疾患名ではなく、在宅で行っている医療処置・機器の使用状況で判定されます。
| カテゴリー | 具体的な状態 |
|---|---|
| ① 気管切開・カテーテル管理 | 在宅悪性腫瘍等患者指導管理または在宅気管切開患者指導管理を受けている状態、気管カニューレ使用、留置カテーテル使用 |
| ② 在宅療養指導管理を受けている状態 | 在宅自己腹膜灌流、在宅血液透析、在宅酸素療法(HOT)、在宅中心静脈栄養法(IVH)、在宅成分栄養経管栄養法、在宅自己導尿、在宅人工呼吸、在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)、在宅自己疼痛管理、在宅肺高血圧症患者指導管理のいずれかを受けている |
| ③ ストーマ(人工肛門・膀胱) | 人工肛門または人工膀胱を設置している状態 |
| ④ 重症褥瘡 | 真皮を越える褥瘡(DESIGN-R®2020でD3以上に相当)の状態 |
| ⑤ 在宅点滴 | 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者 |
ポイント: ①・④(気管カニューレ・真皮を越える褥瘡)は特に重症とみなされ、特別管理加算(I)の対象となります。
別表8に該当することで変わること
① 特別管理加算の算定
訪問看護ステーションが「特別管理加算」を算定できるようになります。
| 加算区分 | 対象 | 算定回数 |
|---|---|---|
| 特別管理加算(I) | 気管カニューレ使用・真皮を越える褥瘡 | 月2回 |
| 特別管理加算(II) | 上記以外の別表8の状態 | 月2回 |
この加算は訪問看護ステーション側の算定(スタッフの特別な管理計画・技術提供に対する報酬)ですが、利用者の自己負担額にも影響します。加入する保険・所得区分によって詳細が異なりますので、主治医・ケアマネジャーに確認してください。
② 特別訪問看護指示書を月2回発行できる(一部の状態のみ)
通常、特別訪問看護指示書は月1回しか発行できませんが、以下の状態にある場合は月2回まで発行可能です。
- 気管カニューレを使用している状態
- 真皮を越える褥瘡の状態
月2回の特別訪問看護指示書が発行されると、毎月最大28日間(2回×14日)にわたり、週の訪問回数制限なしで毎日訪問することが可能になります。
③ 機能強化型訪問看護管理療養費の実績要件に算入される
機能強化型訪問看護管理療養費の届出要件の一つに、「別表7・別表8の利用者を一定数以上受け入れていること」があります。別表8該当者を積極的に受け入れているステーションは、重症者対応体制が整っていると判断されます。
別表7と別表8が重なる場合
多くの重症患者は別表7(疾患)と別表8(状態)の両方に該当します。
例)
- ALSで人工呼吸器を使用している → 別表7(ALS・人工呼吸器使用)+別表8(在宅人工呼吸指導管理)の両方該当
- 末期がんで中心静脈栄養(IVH)を使用 → 別表7(末期の悪性腫瘍)+別表8(在宅中心静脈栄養法)の両方該当
- 頸髄損傷で気管カニューレ使用・褥瘡あり → 別表7(頸髄損傷)+別表8(気管カニューレ・褥瘡)の両方該当
この場合、週の回数制限撤廃(別表7の効果)と特別管理加算・特別訪問看護指示書月2回(別表8の効果)をどちらも受けられます。
別表7・別表8に関わる具体的な疾患別解説
各疾患の在宅療養詳細は以下の記事でそれぞれ解説しています。
- ALS(筋萎縮性側索硬化症): ALS在宅療養と訪問看護の役割 ← 別表7
- パーキンソン病関連・神経難病: 神経難病の在宅療養と訪問看護 ← 別表7(重症度条件あり)
- 褥瘡(真皮を越える重症褥瘡): 褥瘡の在宅処置と訪問看護 ← 別表8④
- 心不全(在宅酸素療法使用中): 心不全の在宅療養と訪問看護 ← 別表8②(HOT使用の場合)
宮崎市での別表7・別表8対応|OURの体制
OURでは、別表7・別表8に該当する重症者への在宅訪問看護において以下の体制を整えています。
- 別表7・別表8 両対応: ALS・神経難病・末期がん・気管切開・IVH・腹膜透析・重症褥瘡など複数の状態に対応
- 24時間・365日オンコール: 夜間・休日の急変にも電話相談・緊急訪問で対応
- 多職種連携: 訪問診療医・ケアマネジャー・薬剤師・管理栄養士・PT・OTと情報共有
- 退院前カンファレンス参加: 入院中から在宅移行の準備に関わります
OURには、神経疾患・難病を専門とする医療機関や難病病棟での勤務経験を持つ看護師が在籍しており、理学療法士・作業療法士も在籍しています。また機能強化型訪問看護管理療養費の届出を進めており、別表7・別表8該当者を積極的に受け入れる体制を整えています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 別表7か別表8かは、誰が判断しますか?
主治医が判断します。別表7は疾患の診断名で確認でき、別表8は在宅で使用中の医療処置・機器の状況を主治医が確認して訪問看護指示書に記載します。「自分は該当するか」は主治医に直接確認してください。
Q2. 別表8に該当すると、費用が上がりますか?
特別管理加算が算定されると訪問看護の費用に加算が生じます。ただし、加入する保険(医療保険・介護保険)・負担割合・所得区分によって実際の自己負担額は異なります。詳細は「訪問看護の料金はいくら?医療保険・介護保険別の費用と自己負担の目安を解説」または担当ケアマネジャー・訪問看護ステーションにご確認ください。
Q3. 別表7疾患の患者が気管カニューレも使用しています。両方のメリットが受けられますか?
はい。別表7(週制限撤廃)と別表8(特別管理加算・特別訪問看護指示書月2回)の両方の制度メリットを同時に受けられます。ALS+気管カニューレ・人工呼吸器使用の方、末期がん+IVHの方などが典型例です。
Q4. 別表8の「真皮を越える褥瘡」とはどの程度の状態ですか?
DESIGN-R®2020評価ツールのD(深さ)分類でD3以上に相当する状態です。皮膚表面だけでなく皮下組織まで達する(または筋肉・骨まで達する)重症の褥瘡が該当します。「発赤があるだけ」の軽度なものは対象外です。主治医または訪問看護師に状態を確認してもらってください。
Q5. 別表8に該当すると、複数の訪問看護ステーションを使えますか?
別表8のみの場合、複数ステーションの同時利用は原則できません。複数ステーションが認められるのは別表7該当者です。ただし、別表7と別表8の両方に該当する場合は、複数ステーションの利用が可能です。
Q6. 在宅酸素療法(HOT)を使っています。別表8に該当しますか?
在宅酸素療法指導管理を受けている状態は別表8②に該当します。特別管理加算(II)の対象となります。ただし、別表7には該当しないため、週3日の訪問回数制限は通常どおり適用されます(急性増悪時は特別訪問看護指示書で対応可能)。
まとめ
別表7は「疾患名」で週の訪問回数制限を撤廃し、別表8は「医療処置・状態」で特別管理加算の算定と特別訪問看護指示書月2回発行を可能にします。二つは重複して適用されることも多く、対象に該当するかどうかで在宅ケアの選択肢が大きく広がります。「自分(または家族)は該当するのか」「どんなサービスが受けられるか」についてはOURにご相談ください。
宮崎市での別表7・別表8に関わる訪問看護について、OURにご相談ください。
この記事を監修した人
宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応
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