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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

神経難病(パーキンソン病関連・多系統萎縮症・脊髄小脳変性症)の在宅療養と訪問看護

パーキンソン病関連疾患・多系統萎縮症・脊髄小脳変性症などの神経難病は、「専門病院での治療が中心で、在宅療養は難しい」と思われがちです。しかし、適切な訪問看護・訪問リハビリ・訪問診療の体制を整えることで、多くの方が住み慣れた自宅で療養を続けられます。神経難病の在宅療養では、転倒予防・嚥下管理・服薬管理を軸にした継続的な支援と、家族への具体的なサポートが鍵になります。

参考:難病情報センター(国立国際医療研究センター)

この記事では、在宅療養で特に相談が多い神経難病(パーキンソン病関連疾患・多系統萎縮症・脊髄小脳変性症)を中心に、訪問看護の役割と在宅で受けられる支援を解説します。

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「神経難病」と医療保険での訪問看護

別表7に含まれる神経難病

以下の疾患は「特掲診療料の施設基準等 別表第7」に掲げられており、医療保険での訪問看護利用時に週の訪問回数制限が撤廃されます(通常は週3日まで→制限なしに)。

疾患名別表7
パーキンソン病(ホーエン・ヤール重症度ステージ3以上かつ生活機能障害度ⅡまたはⅢ)
進行性核上性麻痺(PSP)
大脳皮質基底核変性症(CBD)
多系統萎縮症(線条体黒質変性症・オリーブ橋小脳萎縮症・シャイ・ドレーガー症候群)
脊髄小脳変性症

重要なのは、パーキンソン病は重症度が条件である点です。ホーエン・ヤール分類ステージ3以上かつ生活機能障害度ⅡまたはⅢに該当する場合にのみ、別表7として医療保険での制限なし訪問が適用されます。ステージ2以下の場合は通常の制限が適用されます。主治医に現在の重症度を確認してください。

各疾患の特徴と訪問看護が注目するポイント

パーキンソン病関連疾患

パーキンソン病は、脳内のドパミン産生神経細胞が変性・脱落し、運動機能(筋固縮・振戦・無動・姿勢反射障害)が低下する疾患です。進行性核上性麻痺(PSP)・大脳皮質基底核変性症(CBD)はパーキンソン病に似た症状を示す関連疾患ですが、転倒リスクが特に高く、認知機能への影響もみられます。

訪問看護師が注目するポイント:

  • 薬のオン・オフ現象(レボドパが効いている時間と効いていない時間の運動症状の差)の観察と記録
  • 転倒リスクの評価と環境整備の提案(段差・手すり・床マットの確認)
  • 嚥下機能の変化(特に球症状が出やすいPSP)
  • 服薬管理(複数の薬を適切な時間に服用できているか)
  • 自律神経症状(起立性低血圧・便秘)への対応

参考:日本神経学会「パーキンソン病診療ガイドライン2018」

多系統萎縮症(MSA)

多系統萎縮症は、小脳・脳幹・脊髄・自律神経系が広範に障害される難病で、小脳失調・パーキンソン症状・自律神経障害が組み合わさって現れます。特に自律神経障害(起立性低血圧・排尿障害)が生活に大きく影響します。

訪問看護師が注目するポイント:

  • 起立性低血圧のモニタリング(立ち上がり時のめまい・失神リスク)
  • 導尿や残尿のケア(膀胱直腸障害)
  • 呼吸障害(就寝中の呼吸パターン変化)
  • 嚥下障害の観察と食形態の調整提案

脊髄小脳変性症(SCA)

脊髄小脳変性症は小脳・脳幹・脊髄の変性により、歩行失調・上肢の協調運動障害・言語障害(構音障害)が現れる疾患群です。遺伝性と孤発性があります。

訪問看護師が注目するポイント:

  • 歩行失調による転倒リスクの管理
  • 構音障害に伴うコミュニケーション支援
  • 嚥下障害の観察
  • 疲労のマネジメント(無理な活動による症状悪化の防止)

在宅でのリハビリテーションの重要性

理学療法士(PT)の役割

神経難病のリハビリテーションでは、「機能回復」より「残存機能を活かした生活機能の維持」が目標になります。

  • 歩行訓練・歩行補助具の選定と調整
  • 転倒予防のための筋力・バランス訓練
  • 呼吸リハビリ(呼吸機能が低下している場合)
  • 関節拘縮の予防

作業療法士(OT)の役割

  • 食事・更衣・整容など日常生活動作(ADL)の工夫
  • 手の振戦・協調運動障害に対応した自助具・福祉用具の提案
  • 認知機能低下がある場合の環境調整
  • 家族への介助方法の指導

OURには、神経疾患・難病を専門とする医療機関や難病病棟での勤務経験を持つ看護師が在籍しており、理学療法士・作業療法士とともに訪問しながら、疾患の特性に合わせたチームケアを提供しています。リハビリと看護が密に連携することで、在宅での安全な生活を支えます。

家族が特に不安に感じること

転倒への恐怖

神経難病では転倒が最も多いトラブルです。転倒は骨折・入院・機能低下の連鎖を招きます。訪問看護師は住環境の確認・介助方法の指導・福祉用具の検討を通じて、転倒リスクを下げる具体的なアドバイスを提供します。

夜間の対応

多系統萎縮症では夜間の呼吸問題、パーキンソン病ではオフ状態(薬の効き目が切れた状態)での寝返り困難など、夜間に問題が起きやすい疾患があります。OURでは24時間・365日のオンコール対応を行っており、夜間でも電話相談・緊急訪問が可能です。

「もう限界」というときのために

長期にわたる介護で家族が疲弊するケースは少なくありません。ショートステイ・レスパイト入院の活用を含め、家族自身の生活が維持できる体制を早めに整えることが重要です。訪問看護師は「今の体制が持続可能かどうか」を定期的に評価し、必要なサービスの追加を提案します。

在宅療養を始めるタイミング

神経難病では、「歩けなくなってから」「入院できなくなってから」という段階まで待つと、在宅療養の体制構築に苦労することが多くなります。診断後の比較的安定している時期から訪問看護師と関わっておくと、本人・家族が看護師との信頼関係を築けるだけでなく、今後の症状変化への備えもできます。

また、当ステーションのように機能強化型訪問看護管理療養費の算定を進めているステーションでは、別表7疾患を含む重症者への対応実績が積まれています。

パーキンソン病に特化した内容は「パーキンソン病で訪問看護を使うには?在宅ケアの内容・費用・リハビリを解説」もあわせてご参照ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. パーキンソン病ステージ2では医療保険の週制限はなくなりませんか?

はい、ホーエン・ヤール分類ステージ2の場合は別表7の適用外となるため、医療保険での訪問は週3日までの制限が適用されます。ただし、一時的に状態が悪化した際は「特別訪問看護指示書」を主治医に発行してもらうことで、14日間に限り回数制限なしの訪問が可能になります。主治医にご相談ください。

Q2. 神経難病の患者の在宅療養で訪問看護と訪問リハビリはどう違いますか?

訪問看護(看護師)は医療的観察・処置・服薬管理・急変対応を担います。訪問リハビリ(PT・OT)は運動機能・ADL維持のための訓練を担います。OURでは看護師・PT・OTが同一ステーション内で情報共有しながら対応できるため、両方を連動させたケアが可能です。

Q3. 在宅医(訪問診療医)との連携はどうなりますか?

OURは宮崎市内の訪問診療医・神経内科病院との連携実績があります。定期的な情報提供書の共有・電話連絡・カンファレンスへの参加を通じて、医師と連携しながらケアを進めます。訪問診療医がまだ決まっていない場合は、候補の情報提供も可能です。

Q4. 宮崎市の難病支援窓口を教えてください。

宮崎県では「宮崎県難病相談・支援センター」が難病患者・家族の相談窓口となっています。療養上の相談・福祉サービスの情報・患者会の紹介なども対応しています。訪問看護の利用と並行して、こうした相談窓口との連携も検討してください。

まとめ

パーキンソン病関連疾患・多系統萎縮症・脊髄小脳変性症などの神経難病は、一定の重症度条件を満たすことで医療保険での訪問看護が週の制限なしで利用できます。転倒予防・嚥下管理・服薬管理を中心とした看護師のケアと、理学療法士・作業療法士によるリハビリを組み合わせることで、在宅での安定した生活を長く続けることが可能です。診断後の早い段階から専門的なチームと関わっておくことが、長期的な在宅療養を支える基盤になります。

宮崎市での神経難病の在宅療養について、OURにご相談ください。

この記事を監修した人

OUR
TEAM

OUR訪問看護ステーション

看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。

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