
「退院前カンファレンスには参加してもらったけど、これって退院時共同指導加算の対象になっているのだろうか」。ケアマネジャーや病院の退院支援担当者から、こうした疑問をいただくことがあります。
退院前カンファレンスと退院時共同指導は、似ているようで別のものです。前者は在宅移行の準備を話し合う「場」であり、後者はその場での対応を評価する診療報酬・介護報酬上の「加算」の名前です。この記事では、退院時共同指導加算の算定要件・参加者・タイミングを、ケアマネジャー・病院看護師の視点から整理します。
宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応
“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします
☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時
退院時共同指導とは、入院先の医療機関と訪問看護ステーションが共同で在宅療養の指導を行った場合に算定できる加算のこと
退院時共同指導とは、病院・診療所・介護老人保健施設などに入院・入所している方が退院(退所)するにあたり、入院先の医師・看護師等と、訪問看護ステーションの看護師等が共同で、本人・家族に在宅療養の指導を行った場合に算定される加算です。医療保険・介護保険の両方に、それぞれ別の名称・単位数で設けられています。
介護保険と医療保険での違い
| 項目 | 介護保険(退院時共同指導加算) | 医療保険(退院時共同指導加算) |
| 単位数・金額 | 600単位/回 | 8,000円/回 |
| 算定回数 | 原則、退院・退所につき1回 | 原則1回(特別管理加算対象者は2回まで) |
| 准看護師の扱い | 准看護師は担当不可 | 准看護師は担当不可 |
| 主な要件 | 入院先と共同で指導し、記録を残す | 文書提供、または映像・音声通信(ビデオ通話等)で実施し記録を残す |
退院時共同指導加算は、退院前カンファレンスという「場」そのものではなく、その場で一定の要件(共同での指導、文書提供、記録)を満たした場合に算定できる加算です。退院前カンファレンスと訪問看護の役割で解説している退院前カンファレンスの多くは、この加算の算定要件を満たす形で実施されています。
退院時共同指導の参加者。病院側・在宅側それぞれの立場から誰が関わるか
退院時共同指導には、入院していた医療機関側と、在宅療養を担う側の両方から、複数の職種が参加することが想定されています。
入院先(病院)側の参加者
入院中の保険医療機関の医師・看護師等、必要に応じて薬剤師・歯科医師・歯科衛生士、医療ソーシャルワーカー(MSW)などの退院支援担当者が参加します。
在宅療養を担う側の参加者
在宅療養を担当する医師・看護師等(訪問看護ステーションを含む)、保険薬局の薬剤師、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、そしてケアマネジャー(介護支援専門員)が参加します。全員が毎回参加する必要はなく、本人の病状や必要な支援内容に応じて、必要な職種が参加する形で調整されます。
退院時共同指導のタイミング。入院早期の情報共有から、退院直前の共同指導まで
退院時共同指導を適切なタイミングで行うためには、入院早期からの情報共有が欠かせません。
入院直後〜1週間以内:退院支援のスクリーニング
多くの病院では、入院早期に退院支援部門が患者の状況をスクリーニングし、退院後に在宅療養支援が必要かどうかを判断します。この段階で訪問看護の利用が想定される場合、早めに地域の訪問看護ステーションやケアマネジャーに情報が共有されることが望まれます。
退院1〜2週間前:訪問看護ステーションへの依頼
退院の方向性が見えてきた段階で、病院のMSWやケアマネジャーから訪問看護ステーションに依頼が入ることが一般的です。この時点で、訪問看護指示書の準備や、退院時共同指導(カンファレンス)の日程調整が進みます。
退院前:退院時共同指導の実施
実際の共同指導(カンファレンス形式、または文書・ビデオ通話による指導)が行われます。本人・家族の状況、医療処置の内容、在宅での注意点などが、関係職種間で共有されます。
ケアマネジャー・病院看護師が確認しておきたい3つのポイント
退院時共同指導を適切に進めるために、ケアマネジャーや病院の看護師が押さえておきたいポイントを整理します。
① 誰が、どのタイミングで訪問看護に連絡するか
退院支援の初期段階で訪問看護ステーションが決まっていないと、退院時共同指導の調整が後手に回りやすくなります。退院の方向性が見えた時点で、早めに地域の訪問看護ステーションへ相談することをお勧めします。
② 文書による情報提供の内容を具体的にする
退院時共同指導加算の算定には、在宅療養に関する指導の内容を文書で提供し、記録を残すことが求められます。病状の経過だけでなく、医療処置の手順、注意すべき症状の変化、緊急時の対応方針など、在宅側が実際に困らないレベルの具体性が大切です。
③ 准看護師では担当できないことを踏まえて調整する
退院時共同指導は、介護保険・医療保険のいずれも准看護師は担当できません。訪問看護ステーション側の調整として、看護師が対応できる日程を早めに確保しておく必要があります。
OURが退院時共同指導で大切にしていること
OUR訪問看護ステーションは、宮崎市内の医療機関・ケアマネジャーと連携しながら、退院前カンファレンス・退院時共同指導に積極的に参加しています。病状の情報だけでなく、「本人がどのような生活を望んでいるか」「ご家族がどこまで対応できるか」を病院側と共有することを大切にしています。オンラインでの参加にも対応しており、遠方の医療機関からの依頼にも柔軟に対応します。
こんな場合は、まずお気軽にご相談ください。
- 退院が近い利用者の訪問看護ステーションをまだ決めていない
- 医療処置が複雑で、在宅側にどう引き継ぐか整理したい
- 退院時共同指導の日程調整がうまく進まない
訪問看護の導入・連携の流れ
- 退院支援のスクリーニング(入院直後〜1週間以内):病院の退院支援部門が在宅療養支援の必要性を判断します
- 訪問看護ステーションへの依頼(退院1〜2週間前):MSWまたはケアマネジャーが候補のステーションに連絡します
- 退院時共同指導の実施:病院側・在宅側の関係職種が参加し、指導内容を共有・文書化します
- 退院後の訪問開始:共有された内容に基づき、訪問看護を開始します
FAQ
Q1. 退院前カンファレンスと退院時共同指導は同じものですか?
関連していますが、厳密には異なります。退院前カンファレンスは在宅移行の準備を話し合う「場」そのものを指す言葉として使われることが多く、退院時共同指導は、その場で一定の要件(共同での指導、文書提供、記録)を満たした場合に算定できる診療報酬・介護報酬上の「加算」の名称です。
Q2. 退院時共同指導加算は、患者側の費用負担が発生しますか?
医療保険・介護保険から算定される加算のため、患者側に別途の費用負担が直接発生するものではありません。ただし、医療保険・介護保険の自己負担割合に応じた費用は、通常の診療・サービス費用と同様に発生します。
Q3. オンラインでの退院時共同指導は可能ですか?
医療保険では、文書提供に加えて映像・音声を用いた通信(ビデオ通話等)による実施が認められています。遠方の医療機関や、日程調整が難しい場合には、オンラインでの参加を検討することができます。
Q4. 准看護師が退院時共同指導に参加することはできますか?
同席すること自体は可能ですが、退院時共同指導加算における「看護師等」の要件としては、介護保険・医療保険のいずれも准看護師は対象外とされています。加算の算定を前提とする場合は、看護師が担当する必要があります。
Q5. ケアマネジャーは退院時共同指導に必ず参加する必要がありますか?
必須ではありませんが、在宅でのサービス調整を担う立場として参加することが望ましいとされています。特に、複数のサービスを組み合わせる必要がある場合や、介護保険の給付管理に関わる場合は、早期から参加することで在宅移行がスムーズになります。
Q6. 退院時共同指導の日程は、誰が中心になって調整すればいいですか?
病院の退院支援担当者(MSW)が中心となって調整することが一般的ですが、ケアマネジャーや訪問看護ステーションからも、空き状況や希望する内容を早めに共有することで、調整がスムーズになります。
Q7. 宮崎市でOURに退院時共同指導への参加を依頼したい場合、どうすればいいですか?
病院のMSWまたはケアマネジャーから、OUR訪問看護ステーションに直接ご連絡ください。オンライン参加にも対応しているため、日程調整の相談も含めてお気軽にお問い合わせください。
まとめ:退院時共同指導は、早期の情報共有があって初めて機能する
- 退院時共同指導は、入院先の医療機関と訪問看護ステーションが共同で在宅療養の指導を行った場合に算定できる加算で、介護保険(600単位/回)・医療保険(8,000円/回)それぞれに規定がある
- 退院前カンファレンスという「場」と、退院時共同指導という「加算」は、関連しているが同じものではない
- 参加者は病院側・在宅側それぞれから必要な職種が集まる。全員が毎回参加する必要はない
- 准看護師はこの加算の算定要件における「看護師等」には含まれない
- 入院早期からの情報共有が、退院時共同指導を適切なタイミングで実施するための鍵になる
今日できる一歩:退院が近い利用者について、訪問看護ステーションがまだ決まっていない場合は、早めに地域の訪問看護ステーションに相談してみましょう。宮崎市内でのご相談は、OUR訪問看護ステーションにもお気軽にお問い合わせください。
宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応
“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします
☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時
参考文献一覧
- 退院時共同指導加算・退院支援指導加算・特別管理指導加算(静岡県訪問看護支援センター研修資料) https://www.shizuoka-vnc.jp/cmsdesigner/data/entry/lecture/lecture.00952.00000002.pdf
- 訪問看護における退院時共同指導加算、特別管理指導加算、退院支援指導加算(介護保険・医療保険)カイポケ訪問看護マガジン https://houkan.kaipoke.biz/magazine/addition-subtraction/leave-hospital.html
- 入退院時におけるケアマネジャーと医療機関等職員との多職種連携を踏まえた手引き(厚生労働省老人保健事業推進費等補助金) https://www.jmar.co.jp/asset/pdf/job/public/h28-18guide.pdf
次に読まれている記事
- 退院前カンファレンスと訪問看護の役割:声をかけるタイミングと確認すべき10項目
- ケアマネジャーが訪問看護を選ぶポイント:連携しやすい事業所の見分け方
- サービス担当者会議で訪問看護ができること:ケアマネが押さえる連携のポイント
- 退院後に訪問看護を使いたい:手配の流れと注意点
- 訪問看護の加算一覧:算定条件とケアマネが知っておくべき要点
監修:中田富久(認定作業療法士・OUR代表) 執筆:OUR訪問看護ステーション 看護・リハビリチーム