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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

人工関節置換術(THA・TKA)後の在宅リハビリ|退院後の生活と訪問看護の役割

股関節や膝関節の痛みがとれて退院できたのに、「家に帰ってからどうすればいいの?」と不安を抱える方は少なくありません。人工関節置換術(THA・TKA)は手術自体が成功しても、退院後の在宅リハビリと生活環境の整備が回復の質を大きく左右します。この記事では、術後の回復プロセス・在宅リハビリの具体的な内容・訪問看護師やPT(理学療法士)が自宅でできること、そして宮崎市で利用できる支援の実際をわかりやすく解説します。


宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応

“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします

☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時

人工関節置換術後の在宅リハビリとは、退院後も継続が必要な機能回復プログラムのことです

人工関節置換術(THA:股関節全置換術、TKA:膝関節全置換術)は、傷んだ関節を人工物に置き換える手術です。入院期間は施設により異なりますが、近年はクリニカルパスの短縮化が進み、TKAで2〜3週間、THAで2〜4週間で退院するケースが増えています。

しかし退院時点では、筋力・バランス能力・日常生活動作(ADL)の回復はまだ途上にあります。病院のリハビリ室から自宅という「生活の場」に戻ったとき、家の段差・トイレの高さ・浴槽の深さ・床の滑りやすさといった環境要因が新たなリスクになります。

在宅リハビリとは、この自宅という環境のなかで、その人の生活に即した動作練習・筋力強化・環境調整・転倒予防を継続して行う回復プログラムです。病院でのリハビリが「手術した関節を動かせるようにする」段階だとすれば、在宅リハビリは「その関節を使って自分らしい生活を取り戻す」段階と言えます。

THA(股関節)とTKA(膝関節)で在宅リハビリのポイントが異なります

項目THA(股関節置換術)TKA(膝関節置換術)
主な禁忌動作脱臼肢位(深屈曲・内旋・内転)の回避過度な負荷・急な方向転換の回避
退院後の主な課題歩行の安定化・階段昇降・入浴動作膝関節可動域の維持・大腿四頭筋強化
転倒リスクが高い場面玄関の段差・浴槽またぎ・暗い廊下階段降段・椅子からの立ち上がり・外出時の不整地
生活環境整備のポイント洋式トイレへの変更・椅子の高さ調整手すり設置・滑り止めマットの配置

THAは脱臼という特有のリスクがあるため、術後の生活制限(脱臼肢位の回避)を正確に理解し、毎日の動作のなかで意識し続けることが必要です。TKAは可動域の確保と筋力回復が焦点となり、痛みを恐れるあまり動かさなくなってしまう「廃用」のリスクも大きい点が特徴です。


退院後の回復タイムラインと、在宅リハビリで押さえるべき3つのフェーズ

退院後の回復は大きく3つのフェーズに分けて考えると、目標が立てやすくなります。

フェーズ1:退院直後〜1か月(生活動作の安全確立)

退院直後は疲れやすさが残り、歩行補助具(歩行器・杖)を使いながら基本動作を安全に行う練習が中心です。この時期に最も気をつけたいのは転倒です。病院のリハビリ室は障害物がなく手すりが整備されていますが、自宅はそうではありません。

在宅リハビリでPTが最初に行うのは「自宅環境の実態評価」です。OURの理学療法士が初回訪問で行う確認項目には、玄関の段差の高さ・トイレまでの動線・ベッドの高さ・廊下の幅・照明の明るさなどが含まれます。これを実際の動作を見ながら評価し、必要な住宅改修や福祉用具の提案につなげます。

フェーズ2:1〜3か月(筋力強化と動作の質の向上)

痛みが軽減し、歩行が安定してくる時期です。大腿四頭筋・臀筋・股関節外転筋などの筋力トレーニングを段階的に強化します。この時期から「杖なしでの歩行」「買い物への外出」「入浴の自立」を目標に据えるケースが多く、動作の質と安全性を両立させる練習が中心になります。

OURのPTは、この時期に「生活リハビリ」の視点を重視します。筋トレを単体でやるだけでなく、調理動作・洗濯物を取り込む動き・庭に出る手順など、その人が「やりたいこと」「戻りたい日常」に合わせた練習メニューを立てます。

フェーズ3:3か月以降(社会参加・趣味活動への復帰)

術後3か月以降は、ゲートボール・体操教室・孫との散歩など、より広い活動への復帰が目標になります。OURが担当してきた方のなかには「畑仕事に戻りたい」「グラウンドゴルフに参加したい」という目標を持った方も多く、傾斜地での歩行練習や農作業動作を想定したリハビリを実施したケースもあります。

この時期になっても在宅リハビリは「終わり」ではなく、体力の維持と転倒予防の観点から継続的な関わりが重要です。


訪問看護師が担う役割:傷の観察から精神的サポートまで

訪問看護師の役割は、PTによるリハビリだけでは補えない医療的・精神的サポートにあります。

術後創部の観察と感染予防

人工関節置換術は異物(インプラント)を体内に留置する手術であるため、感染は最も重篤な合併症のひとつです。退院後も創部の発赤・腫脹・熱感・浸出液・発熱がないかを継続的に観察することが必要です。訪問看護師は毎回の訪問で創部の状態をチェックし、異常があれば主治医・整形外科への連絡を速やかに行います。

服薬管理と深部静脈血栓症(DVT)の予防

術後は深部静脈血栓症(DVT)・肺塞栓症のリスクが一定期間続きます。抗凝固薬(ワルファリン・DOACなど)の服用状況、下肢の浮腫・疼痛・熱感の有無を観察し、異常の早期発見に努めます。また血圧・脈拍・体温などのバイタルサインを定期的に確認し、全身状態の変化を捉えます。

痛みのコントロールと精神的サポート

術後の痛みや回復の遅れに対して、不安や焦りを感じる方は多くいます。「思ったほど歩けない」「痛みがいつまで続くの」という訴えは現場で頻繁に聞かれます。看護師は傾聴を通じてこうした不安を受け止め、回復の見通しをわかりやすく伝えることで精神的な安心感を提供します。


OURの訪問看護が宮崎市で実践する「チームで支える在宅リハビリ」

OUR訪問看護ステーションでは、看護師・PT・OT(作業療法士)がチームで在宅リハビリを支えます。人工関節置換術後の方への支援において、私たちが特に大切にしていることを紹介します。

担当ケアマネジャーとの密な情報共有

退院後の訪問看護・訪問リハビリのサービスは、ケアマネジャーがケアプランを作成して調整します。OURでは担当ケアマネジャーとの電話・記録共有・サービス担当者会議への積極的な参加を通じて、「今この方がどのフェーズにいるか」「次の目標は何か」を常にチームで共有します。

宮崎市の住宅環境を熟知したリハビリ提案

宮崎市内でも国富町・高岡町・綾町エリアには一戸建ての農家住宅が多く、段差の多い玄関・和室主体の生活様式・浴槽が深い在来工法の浴室など、都市部とは異なる環境課題があります。OURのPT・OTはこうした地域の住環境の特性を実地で理解しており、画一的ではなくその家に合った環境整備を提案できます。

ある宮崎市内の70代女性(THA後)の事例では、退院直後に「正座の必要な仏壇へのお参り」が生活上の悩みでした。脱臼肢位の制限を説明しつつ、仏壇の高さ調整と正座以外の礼拝方法を提案することで、精神的な安心と生活の継続を両立できました。

24時間・365日のオンコール対応

「夜中に急に足が腫れてきた」「転んで痛みが強い」という緊急事態にも、OURは24時間・365日のオンコール体制で対応します。人工関節後は特に術後早期の転倒・脱臼が懸念されるため、「何かあればすぐ連絡できる」という安心感が在宅生活の継続を支えます。

訪問看護と訪問リハビリ、どちらを使うか

術後の状態によっては「訪問看護(医療保険)」と「訪問リハビリテーション(介護保険)」を組み合わせて使うことが最適なケースがあります。医師の訪問看護指示書の内容・介護認定の状況・保険の適用区分によって選択肢が変わるため、退院前から主治医・ケアマネジャーと相談して計画を立てることが大切です。詳しくは訪問看護の料金(医療保険・介護保険別)の記事もご参照ください。


OUR訪問看護ステーションによるサポート体制

OUR訪問看護ステーション(宮崎市)では、看護師・PT・OTが連携してご自宅でのケアを提供します。全スタッフが厚生労働省の精神保健研修を修了しており、身体疾患から精神疾患まで幅広い対応が可能です。24時間のオンコール体制を整え、夜間・休日でも緊急対応します。

「どんな状態でもまず相談」というスタンスで、宮崎市・国富町・綾町・高岡町エリアに対応しています。ご相談はお電話(0985-77-8266)またはウェブフォームからどうぞ。

よくある質問

退院後、すぐに訪問リハビリを始められますか?

退院後すぐに訪問リハビリを開始することは可能です。ただし、訪問看護・訪問リハビリを利用するには医師の「訪問看護指示書」が必要です。退院前に主治医(整形外科)に指示書を発行してもらい、ケアマネジャーがケアプランに組み込む流れになります。入院中から「退院後に在宅リハビリを続けたい」と主治医・病棟看護師に伝えておくと、退院調整がスムーズです。OURでは退院前カンファレンスへの参加にも対応しており、退院当日から切れ目なく支援を開始できるよう調整します。

人工股関節(THA)の脱臼を防ぐために、家でどんな注意が必要ですか?

THAの脱臼は「脱臼肢位」と呼ばれる一定の姿勢で起こりやすいとされています。一般的に気をつけたい動作は、深く前かがみになること・患側の足を内側に向けること・足を大きく内側に引き寄せることなどです(手術のアプローチ方法によって制限が異なります)。日常生活では、低いソファへの着座・床からの立ち上がり・浴槽への出入りが特にリスクになります。担当のPTや主治医から「あなたの手術方法では何を避けるべきか」を具体的に確認することが重要です。OURでは初回訪問時に動作確認を行い、その方固有のリスクに合わせた指導を行っています。

術後の痛みがあってもリハビリを続けるべきですか?

痛みがあってもリハビリを完全に休止する必要はありませんが、「動かしてはいけない痛み」と「動かしながら改善できる痛み」の区別が重要です。手術部位の強い腫れ・熱感・安静時でも続く強い痛みは、感染や合併症のサインである可能性があります。この場合はすぐに主治医に相談してください。一方、動作時に生じる軽度の痛みや筋肉痛は回復過程で自然に生じるものも多く、無理のない範囲で運動を継続することが大切です。「どの程度の痛みまで動いていいか」は担当医・PTに確認しながら進めましょう。

人工関節置換術後の在宅リハビリは医療保険と介護保険、どちらが使えますか?

どちらを使うかは、年齢・介護認定の有無・主治医の指示内容によって異なります。65歳以上で要介護・要支援認定を受けている方は、原則として介護保険が優先されます。ただし特定疾患や急性期後の一定期間など、条件によっては医療保険で訪問看護・訪問リハビリを利用できる場合もあります。費用の自己負担額も保険の種類によって変わるため、退院前にケアマネジャーや訪問看護ステーションに相談しながら最適なプランを選ぶことをお勧めします。詳しくは訪問看護の料金(医療保険・介護保険別)をご覧ください。

リハビリを自分でやりたいのですが、自主トレーニングはどんなものがありますか?

在宅リハビリで行う自主トレーニングの代表的なものとして、大腿四頭筋セッティング(膝を伸ばしたまま太ももに力を入れる)、股関節外転運動(横向きに寝て患側の足を持ち上げる)、立位での踵上げ(壁やテーブルに手をついて行う)などがあります。ただし術後の状態・手術の方法・主治医の指示によって適切なメニューは異なります。自己判断で高負荷の運動を始めると、インプラントへの過剰な負担や転倒のリスクがあります。必ずPTの指導のもとで「あなたに合ったメニュー」を確認したうえで実施してください。

訪問看護師はリハビリ以外にどんなことをしてくれますか?

訪問看護師は医療的な管理・観察・ケアをトータルで担います。人工関節術後の方に対しては、創部の観察と感染兆候のチェック・服薬管理(抗凝固薬など)・血圧や脈拍などのバイタルサイン確認・浮腫や疼痛の観察・排泄や入浴の介助・家族への介護指導などを行います。また回復への不安や孤独感を傾聴し、精神的なサポートも大切な役割です。リハビリ職のPT・OTと看護師が情報を共有しながらチームで動くことで、医療と生活の両面を支えることができます。

家族が遠方にいて在宅での見守りが不安です。どうすれば安心できますか?

家族が同居していない・近くにいない状況で人工関節術後を在宅で過ごすことへの不安は、多くの方が感じています。OURでは24時間・365日のオンコール対応を行っており、急変時や転倒時にすぐ連絡できる体制を整えています。また定期訪問の頻度を増やすことや、緊急通報システムの導入・福祉用具のレンタルを活用することで、独居の方でも安全な在宅生活を継続できるケースが多くあります。遠方の家族にはOURから定期的に状態報告を行うことも可能です。まずはご相談ください。


まとめ

  • 人工関節置換術(THA・TKA)後の在宅リハビリは、退院後の生活を「安全に」「その人らしく」取り戻すための継続的なプロセスです。
  • 訪問看護師とPT・OTがチームで関わることで、創部管理・転倒予防・筋力回復・環境整備・精神的サポートをトータルに支えることができます。
  • 宮崎市・国富町・高岡町・綾町エリアでは、地域の住環境に精通したOURのスタッフが、その家・その人に合った在宅リハビリを提案します。
  • 退院前から「退院後の生活をどう支えるか」を主治医・ケアマネジャー・訪問看護ステーションと相談しておくことが、スムーズな在宅生活につながります。

今日できる一歩:退院前・退院後に「在宅リハビリを続けたい」と主治医や病院の担当スタッフに伝え、ケアマネジャーまたはOUR訪問看護ステーションへ相談の電話を一本かけてみましょう。


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参考文献一覧

  • 「訪問看護ガイドライン」(日本看護協会・日本訪問看護財団)
  • 「変形性膝関節症診療ガイドライン 2023年版」(日本整形外科学会)
  • 「変形性股関節症診療ガイドライン 2022年版」(日本整形外科学会)
  • 「地域における訪問リハビリテーションの手引き」(日本理学療法士協会)
  • 「介護保険サービスにおける訪問看護の利用に関する実態調査」(厚生労働省)
  • 厚生労働省 訪問看護に関する情報(https://www.mhlw.go.jp/)

この記事を監修した人

OUR
TEAM

OUR訪問看護ステーション

看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。

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