コラム一覧に戻る
ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

糖尿病の在宅療養と訪問看護の役割|血糖管理・合併症予防のポイントを解説

糖尿病の在宅療養では、毎日の血糖管理・服薬・フットケアを継続することが合併症予防のカギです。しかし自宅での管理は「値が安定しない」「注射のタイミングがわからない」「足に変化が出ていても見落とす」など、患者本人や家族だけでは難しい場面が多く生じます。

この記事では、糖尿病の在宅療養において訪問看護がどのような役割を担うのか、保険適用の条件・費用の目安・宮崎市での対応体制を含めてわかりやすく解説します。

宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応

“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします

☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時

糖尿病の在宅療養が難しいのはなぜか

糖尿病は「血糖値を一定の範囲にコントロールし続ける」ことが治療の核心です。しかし在宅療養においては、この継続がきわめて難しい。

厚生労働省の令和5年国民健康・栄養調査によると、糖尿病が強く疑われる者は国内に約1,000万人と推計されており、そのうち在宅療養を行う高齢者の多くが複数の合併症を抱えながら自宅で過ごしています(参考:厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査結果」)。

在宅での管理が難しくなる主な要因は以下のとおりです。

毎日の血糖測定・記録が負担になりやすい

自己血糖測定(SMBG)は一日に1〜4回行うことが標準的ですが、測定のたびに穿刺・数値の記録・主治医への報告が必要です。認知機能の低下がある方や、独居・高齢の方では見落としや測定忘れが生じやすくなります。

インスリン注射の自己管理に不安がある

インスリン製剤には作用時間の異なる超速効型・速効型・中間型・持効型などがあり、食事量・運動量に応じた量の判断が必要になる場面もあります。低血糖を起こした場合の対処が遅れると意識障害に至ることもあるため、適切な管理体制が欠かせません(参考:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」)。

インスリンの投与量の変更は必ず主治医の指示のもとで行ってください。自己判断での増減は重篤な低血糖・高血糖を招く危険があります。

合併症の早期変化を見逃しやすい

糖尿病の三大合併症(網膜症・腎症・神経障害)は、初期には自覚症状が乏しいまま進行します。足の感覚が鈍くなる末梢神経障害によって、足病変(潰瘍・壊疽)に気づかず重症化するケースも少なくありません。


訪問看護が糖尿病療養でできること

糖尿病の在宅療養に訪問看護を導入すると、主に以下の6つの役割を担います。

1. 血糖測定と記録管理のサポート

訪問看護師が定期的に血糖測定の結果を確認し、変動のパターンを主治医と共有します。家庭での測定値の推移を専門的な目で評価することで、「次の外来まで待つべきか」「今すぐ受診が必要か」を適切に判断できます。

継続測定が難しい方には、フラッシュグルコースモニタリング(FGM)や持続血糖測定器(CGM)の活用についても主治医と連携して検討します。

2. インスリン注射の手技確認・介助

インスリン自己注射を安全に継続するために、注射部位のローテーション・皮膚の硬結(しこり)の確認・注射手技の評価を行います。認知機能の低下や視力低下などで自己注射が困難になってきた方には、訪問看護師による直接介助も可能です(主治医の指示書に基づく)。

手技の詳細は次の記事「インスリン自己注射の在宅管理と訪問看護」でも詳しく解説しています。

3. フットケア(足病変の予防と早期発見)

糖尿病性神経障害があると足の感覚が鈍くなり、小さな傷や水ぶくれを見逃すことがあります。放置すると潰瘍や壊疽に進行し、最悪の場合は切断が必要になることもあります。訪問時に足全体を観察・洗浄し、爪切り・胼胝(たこ)処置・保湿ケアを定期的に行うことで足病変のリスクを下げることができます(参考:一般社団法人 日本フットケア・足病医学会)。

特に以下の状態がある方は、専門的なフットケアが重要です。

状態リスク
末梢神経障害(しびれ・感覚鈍麻)傷に気づかず悪化
末梢動脈疾患(血流障害)傷の治癒が遅延
変形した爪・胼胝皮膚損傷の原因
足の変形(外反母趾など)圧迫による潰瘍リスク

4. 服薬管理の支援

経口血糖降下薬・降圧薬・脂質異常症治療薬など複数の薬を処方されていることが多く、飲み忘れ・飲み間違いが血糖コントロールに直接影響します。訪問看護師が服薬状況を確認し、薬剤師・主治医と連携しながら飲みやすい管理方法を提案します。

5. 食事・生活習慣の観察と情報共有

食事内容・食欲の変化・体重推移・活動量の低下など、日常生活の情報を主治医・ケアマネジャー・管理栄養士に橋渡しします。通院のたびにすべてを伝えることが難しい高齢の方にとって、「定期的に観察する専門職」がいることは医療チーム全体の連携精度を高める意味でも重要です。

6. 合併症の早期察知

腎機能の低下(浮腫・乏尿)、視力の変化、神経障害の進行、心不全合併時の体重増加・呼吸困難など、合併症の初期変化を定期訪問の中でいち早くキャッチします。状態の変化を見逃さずに主治医へ報告することが「病状の悪化を防ぐ」ことにつながります。


訪問看護を使うときの費用・保険適用

医療保険か介護保険か

糖尿病で訪問看護を利用する場合、医療保険と介護保険のどちらが適用されるかは、利用者の状態と条件によって異なります。

条件適用される保険
要介護・要支援認定を受けている(原則)介護保険
主治医が「特別訪問看護指示書」を発行した期間(月1回・最長14日間)医療保険(介護保険より優先)
精神科訪問看護が必要な場合医療保険

糖尿病は「別表第7」(医療保険の訪問回数制限なし疾患)には含まれないため、介護保険を持つ方は原則として介護保険で訪問看護を利用します。ただし、血糖コントロールが著しく不安定な状態・低血糖が頻発している・足病変が重症化している時期など、主治医が集中的な管理が必要と判断した場合は特別訪問看護指示書の発行により医療保険での訪問が可能です。

※特別訪問看護指示書についての詳しい解説は「別表7疾患とは?」の記事もあわせてご覧ください。

費用の目安

介護保険適用の場合(週3回、1回あたり30〜60分)

自己負担割合1回の目安週3回の月額目安
1割負担300〜900円約5,000〜10,000円
2割負担600〜1,800円約10,000〜20,000円
3割負担900〜2,700円約15,000〜30,000円

※加算(複数ステーション利用・特定疾患管理加算など)や訪問時間によって変動します。詳細は「訪問看護の料金はいくら?」もあわせてご確認ください。


宮崎市で糖尿病の在宅療養を支えるOURの体制

OUR訪問看護ステーションは宮崎市を中心に、糖尿病を抱えながら在宅療養を続ける方の支援を多数担ってきました。

インスリン管理から透析まで対応できる医療対応力

糖尿病の在宅療養では、病状の進行に応じてインスリン管理・腎症進行期の管理・透析への移行支援と、求められるケアが変化していきます。OURは看護師だけでなく理学療法士(PT)・作業療法士(OT)も在籍し、フットケア・筋力維持・日常動作訓練まで一体的に対応できる体制を整えています。また、在宅血液透析(HHD)の管理にも対応しており、透析移行後も入院せず自宅での療養継続を支援しています。

腎症・透析移行期については「糖尿病性腎症・透析移行期の在宅ケア」で詳しく解説しています。

ケアマネジャー・かかりつけ医との連携

糖尿病の管理は主治医(内科・内分泌内科)・管理栄養士・薬剤師・ケアマネジャーとの連携なしには成り立ちません。OURでは訪問後の報告書を定期的に主治医・ケアマネジャーへ共有し、情報の一元化を図っています。「状態が安定しないけれど外来で相談する機会が限られている」という方のかかりつけ医の支援役として訪問看護を活用してください。

24時間・365日のオンコール体制

糖尿病の低血糖発作・感染症による血糖急変・透析前後の体調変化など、夜間・休日に急変が起きやすいのが糖尿病在宅療養の実態です。OURは24時間365日オンコール対応のため、「夜中に血糖が下がりすぎて怖かった」「発熱で食事がとれなくなった」というときも電話でご相談いただけます。


よくある質問

Q. 糖尿病があるだけで訪問看護は使えますか?

A. 糖尿病の診断があるだけでは、自動的に訪問看護が使えるわけではありません。利用するには主治医の訪問看護指示書が必要です。要介護・要支援認定がある方は介護保険でのサービス利用が基本となり、ケアマネジャーへのご相談から始まります。「どのくらいの状態なら対象になるのか」はお気軽にご相談ください。

Q. 訪問看護師はインスリン注射を打ってくれますか?

A. 主治医の指示書(医療処置の指示内容)に「インスリン注射の介助」が含まれていれば、訪問看護師が行うことができます。ただし、インスリン投与量の判断(増量・減量)は医師の指示なしに訪問看護師が独自に行うことはできません。必ず主治医との連携のもとで管理されます。

Q. フットケアだけを訪問看護でお願いできますか?

A. フットケアは訪問看護の業務の一部として行うものです。「フットケアのみ」という単独メニューはなく、全身状態の確認・血糖管理状況の把握などとあわせて行います。フットケアの必要性については主治医の指示書に記載が必要ですので、主治医またはケアマネジャーへご相談ください。

Q. 糖尿病性腎症があって透析を勧められています。在宅でできますか?

A. 在宅血液透析(HHD)は、一定の条件のもとで自宅で透析を行う方法です。透析施設での通院透析と並行した移行支援から、在宅定着後の管理まで訪問看護が関与できます。詳細は「糖尿病性腎症・透析移行期の在宅ケア」をご覧ください。

Q. ケアマネジャーから訪問看護を紹介してもらうにはどうすればいいですか?

A. まずはかかりつけ医に「訪問看護を使いたい」と伝え、ケアマネジャーと相談して計画に組み込んでもらうのが一般的な流れです。OURでは事業所向けの連携相談も随時受け付けています。お気軽にお電話またはお問い合わせフォームよりご連絡ください。

Q. 宮崎市以外でも対応できますか?

A. OUR訪問看護ステーションは宮崎市全域のほか、国富町・高岡町・綾町に対応しています。ご自宅の場所がこのエリア内かどうか、まずはお電話でご確認ください。


まとめ

糖尿病の在宅療養において訪問看護は、血糖測定・インスリン管理支援・フットケア・合併症の早期察知など多面的な役割を担います。医療保険・介護保険の適用条件は状態によって異なりますが、主治医・ケアマネジャーと連携することで最適な体制を組むことが可能です。

「血糖が安定しない」「足のケアが心配」「インスリン注射の手技が不安になってきた」と感じたときは、早めに訪問看護の活用を検討してください。OURは宮崎市・国富町・高岡町・綾町で24時間365日対応しています。

次の記事「インスリン自己注射の在宅管理と訪問看護」では、インスリン療法の種類・在宅での安全管理・低血糖時の対応について詳しく解説しています。



参考

この記事を監修した人

OUR
TEAM

OUR訪問看護ステーション

看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。

宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応

“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします

☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時

電話で相談 LINEで相談 お問合せ わたしたちの
訪問看護