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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

心不全の在宅療養と訪問看護|急性増悪を防ぐ日常管理と緊急対応

心不全の診断を受けた後、「また入院になるのでは」「自宅でどこまで管理できるのか」という不安を持つ方・ご家族は多くいます。心不全は再入院を繰り返しやすい疾患ですが、適切な日常管理と訪問看護の体制があれば、自宅での生活を安定して継続できる可能性が高まります。鍵は「急性増悪のサインを早期に発見し、悪化する前に対応すること」です。

参考:日本循環器学会・日本心不全学会「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)」

この記事では、心不全の在宅療養で訪問看護が担う役割・急性増悪を防ぐための日常管理・保険制度の使い方を、宮崎市で24時間対応するOUR(アワー)訪問看護ステーションが解説します。

宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応

“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします

☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時

心不全の在宅療養で知っておきたい基礎知識

心不全はなぜ繰り返し入院しやすいのか

心不全は「心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送れなくなった状態」です。一度心不全を発症した心臓は構造的な変化が残りやすく、塩分の取りすぎ・水分過多・感染症・服薬の中断などをきっかけに症状が急激に悪化(急性増悪)します。

日本では年間約100万人が心不全で入院しており、退院後1年以内の再入院率は20〜30%とも報告されています(参考:日本循環器学会 急性・慢性心不全診療ガイドライン2017)。「退院後に何もしない」ではなく、在宅での継続的な観察・管理が再入院予防に直結します。

NYHA分類と在宅療養の目安

心不全の症状の重さは、NYHA(ニューヨーク心臓協会)の機能分類で4段階に分けられます。

分類身体活動と症状在宅療養の目安
Ⅰ度通常の活動で症状なし定期的なモニタリングと服薬管理が中心
Ⅱ度中等度の活動(階段・坂道など)で息切れ・動悸活動範囲の調整・体重管理を強化
Ⅲ度軽い活動(平地歩行・日常動作)で症状訪問看護の定期介入が特に有効
Ⅳ度安静時でも症状あり在宅酸素療法・頻回訪問・緩和ケアを検討

NYHA分類はあくまで目安であり、同じ分類でも状態は個人によって大きく異なります。担当医師・訪問看護師が個別に評価したうえで管理方針を決定します。

心不全患者に訪問看護が果たす役割

急性増悪を防ぐ「毎日の体重管理」の支援

心不全の急性増悪で最も重要な早期警告サインのひとつが体重の急増です。心臓のポンプ機能が低下すると、体内に水分(体液)がたまりやすくなります。2〜3日で体重が2〜3kg増加した場合、体内に余分な水分が蓄積し始めているサインである可能性があります。

訪問看護師は以下を支援します。

  • 毎朝同じ条件(起床後・排尿後・食前)での体重測定を習慣化する指導
  • 「この体重増加は報告が必要か」の判断基準を本人・家族と共有
  • 浮腫(むくみ)の部位・程度の観察(下腿・足首・顔面)
  • 主治医への体重変化・浮腫の報告と投薬調整の橋渡し

注意: 体重が急増した場合の利尿薬(水分を体外に排出する薬)の量の自己判断での増減は危険です。必ず主治医または訪問看護師に相談してください。

参考:日本心不全学会「心不全手帳」

服薬管理と多剤療法の支援

心不全の治療薬は複数の薬を組み合わせることが多く、利尿薬・ACE阻害薬(またはARB)・β遮断薬・抗凝固薬など4〜6種類以上になるケースもあります。

「薬の種類が多くて飲み方がわからない」「飲み忘れが続いている」という状況は心不全の管理を大きく悪化させます。服薬の中断は急性増悪の直接的な原因になります。

訪問看護師は以下を行います。

  • 服薬状況の確認(飲めているか・飲み忘れパターンの把握)
  • 服薬カレンダー・一包化(ひとつの袋にまとめる薬局サービス)の活用提案
  • 副作用の観察(低血圧・めまい・咳・電解質異常など)
  • 主治医・薬剤師との情報共有

塩分・水分制限の指導と日常生活の調整

心不全の管理において、塩分制限(通常1日6g未満)と水分制限(重症例では1日1〜1.5L程度)は重要です。「食事に気をつけるように言われたが、具体的にどうすればいいかわからない」という声はよく聞かれます。

訪問看護師は「在宅での実際の食事」を観察しながら、本人・家族に実践可能な方法を指導します。「薄味に慣れるコツ」「外食時の選び方」「水分を抑えながら口渇を和らげる方法」など、生活に根ざした指導が特徴です。必要に応じて管理栄養士との連携を提案します。

在宅酸素療法(HOT)の管理

心不全が進行すると、血液中の酸素が不足しやすくなり、在宅酸素療法(HOT)が処方されることがあります。訪問看護師は以下を担います。

  • 酸素飽和度(SpO2)の定期測定
  • 酸素機器の設定・使用状況の確認
  • 外出時・就寝時の酸素吸入についての指導
  • 火気の厳禁・機器のメンテナンス確認

在宅酸素療法についての詳細は「COPD・在宅酸素療法(HOT)と訪問看護|息苦しさと上手につきあう在宅生活を解説」もあわせてご参照ください。

精神的サポートと家族支援

「また入院になるのでは」という不安は、心不全患者・家族双方に強くなりやすいです。訪問看護師は定期的な訪問を通じて、本人の不安を傾聴し、「いつ連絡すればよいか」という判断基準を共有します。家族には「急変時に何をすべきか」「どこに連絡するか」を具体的に伝え、介護への不安を軽減します。

心不全の急性増悪を早期に発見するためのサイン

以下のような症状が現れたときは、速やかに主治医または訪問看護ステーションに連絡してください。

サイン内容
体重の急増2〜3日で2〜3kg以上の体重増加
浮腫の増悪足首・すね・顔のむくみがひどくなった
息切れの悪化平地歩行・日常動作でも息苦しい
夜間の呼吸困難横になると息苦しくて起き上がってしまう(起坐呼吸)
疲労感の急増急に動けなくなった・ぐったりしている
咳が増えた特に夜間・横になった時に咳が多い
尿量の減少1日の尿量が明らかに少なくなった

このような変化を見逃さないために、訪問看護師が定期的に状態を観察し、本人・家族が「いつもと違う」を報告できる関係を築いておくことが最も重要です。

心不全の在宅療養と医療保険・介護保険の仕組み

介護保険と医療保険のどちらが適用されるか

65歳以上で介護保険の認定を受けている方は、原則として介護保険が優先されます。心不全は、介護保険での訪問看護の対象疾患として幅広く認められています。

64歳以下の場合、または医療保険のみ加入の場合は医療保険が適用されます。

心不全は、ALS・パーキンソン病関連疾患などの「特掲診療料の施設基準等 別表第7」に掲げる疾患には含まれていません。そのため、通常は週3日・1回の訪問の上限があります(特別な状況を除く)。

特別訪問看護指示書:急性増悪時の特例

心不全が急性増悪し、頻回な訪問看護が必要になった場合、主治医から「特別訪問看護指示書」を発行してもらうことで、月1回・最長14日間は週の回数制限なく毎日でも訪問できます。

退院直後・急性増悪時・状態が安定していない時期に有効な制度です。状態が落ち着いたら通常の頻度に戻します。

費用の目安

費用については、使用する保険(医療保険・介護保険)・所得区分・訪問回数によって異なります。詳細は「訪問看護の料金はいくら?医療保険・介護保険別の費用と自己負担の目安を解説」をご参照ください。

末期心不全と緩和ケア

心不全が進行し、治療による改善が見込めない段階(末期心不全)では、症状を和らげ、本人の希望する過ごし方を支える緩和ケアの視点が重要になります。

末期心不全における緩和ケアでは、呼吸困難・疼痛・倦怠感の緩和、精神的サポート、在宅看取りの準備が中心となります。訪問診療医・訪問看護師が連携し、本人・家族の意思を尊重した療養方針を丁寧に決めていきます。

参考:日本緩和医療学会「非がん性呼吸器疾患緩和ケア指針2021」

宮崎市での心不全在宅療養|OURの対応

OURでは、心不全の在宅療養において以下の体制を整えています。

  • 24時間・365日のオンコール対応:体重増加・息切れ悪化などの急性増悪サインが出た際の深夜・休日の電話相談・緊急訪問
  • 多職種連携:訪問診療医・ケアマネジャー・薬剤師・管理栄養士・理学療法士との情報共有
  • 定期的な状態評価:バイタル・体重・浮腫・服薬状況を毎回記録し、主治医への報告
  • 退院後早期の介入:心不全で入院後の退院前カンファレンスへの参加・早期訪問開始

OURには理学療法士・作業療法士も在籍しており、心不全の活動耐容能(どれくらい動けるか)の評価や、日常生活での動作の工夫についても支援しています。

また、機能強化型訪問看護管理療養費の届出を進めており、重症者への対応体制を整えています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 心不全で訪問看護を使うタイミングはいつですか?

退院後すぐが最も重要なタイミングです。退院直後は状態が不安定になりやすく、再入院リスクが高い時期です。「まだそれほど悪くないから」という段階でも、早めに訪問看護師と関わっておくことで、急性増悪のサインをより早く発見できます。

Q2. 心不全は週に何回訪問してもらえますか?

通常の医療保険では週3日が上限ですが、急性増悪時や退院直後に主治医から特別訪問看護指示書が発行された場合は、14日間に限り毎日訪問が可能です。介護保険の場合は、ケアプランによって回数が決まります。

Q3. 家族が体重を毎日測るのは難しい。どうすればいいですか?

訪問看護師が測定方法・記録の仕方を丁寧に指導します。また、デジタル体重計で自動記録できる仕組みの活用や、毎朝のルーティンに組み込む方法を一緒に考えます。毎日が難しい場合でも、「いつ・どんな変化があったら連絡するか」の基準を明確にしておくことが大切です。

Q4. 夜中に息苦しくなったときはどうすればいいですか?

OURでは24時間のオンコール対応をしており、夜間・休日でも電話で看護師に相談できます。呼吸困難が急激に悪化した場合・意識が変化した場合・指示された体位を取っても改善しない場合は、救急(119番)への連絡も含めて判断します。

Q5. 心不全と在宅酸素療法(HOT)を両方使っています。訪問看護は対応できますか?

はい、対応しています。酸素飽和度の測定・酸素機器の確認・心不全症状のモニタリングを合わせて行います。COPDと心不全を合併しているケースも多く、OURでは複合的な管理に対応しています。

Q6. 在宅での看取りを心不全で選べますか?

可能です。末期心不全の患者さんが、最期まで自宅で過ごすことを希望される場合、訪問診療医との連携のもとで在宅看取りを支援します。「病院で亡くなるのが当たり前」ではなく、本人の意思と家族の状況に合わせた選択ができるよう、時間をかけて準備します。

まとめ

心不全の在宅療養では、急性増悪を早期に発見し悪化前に対応することが再入院予防の鍵です。毎日の体重管理・服薬サポート・急変時の24時間対応を組み合わせた訪問看護が、自宅での安定した生活を支えます。退院後すぐ、あるいは「また入院しそうで不安」と感じたタイミングでOURにご相談ください。

宮崎市での心不全の在宅療養について、OURにご相談ください。

この記事を監修した人

OUR
TEAM

OUR訪問看護ステーション

看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。

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