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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

抗がん剤治療中も自宅で過ごせる?副作用の管理と訪問看護のサポート

抗がん剤治療を受けながら自宅で生活することは、現在の医療では一般的な選択です。外来(通院)での化学療法が標準化した今、「治療中は入院しなければならない」は過去の常識になっています。

厚生労働省の診療報酬制度において「外来化学療法加算」が設けられており、通院による抗がん剤治療の普及が国の医療政策として推進されています。国立がん研究センターがん情報サービスでも、外来化学療法中の在宅生活継続を支援するための情報が提供されています。訪問看護師が副作用の観察・緊急時の判断・家族への指導を担うことで、安全な在宅療養が可能になります。

参考:国立がん研究センター がん情報サービス「診断と治療」

この記事では、抗がん剤治療中の主な副作用・在宅での管理ポイント・緊急時の判断基準を、宮崎市で24時間対応するOUR(アワー)訪問看護ステーションが詳しく解説します。

宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応

“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします

☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時

抗がん剤治療中の在宅療養|どんな人が対象になるか

外来化学療法とは

抗がん剤治療はかつて「入院して行うもの」が主流でしたが、現在は外来化学療法(通院治療)が広く普及しています。病院の外来で点滴を受けた後、その日のうちに帰宅して自宅で療養する形が標準となっています。

外来化学療法のメリット:

  • 入院不要で日常生活を維持できる
  • 家族との時間を過ごせる
  • 精神的なストレスが軽減される
  • 治療期間が長期にわたる場合でも生活の質を保てる

一方で、副作用の観察・管理は患者・家族が担う部分が大きくなります。「何かあったとき」に早く気づいて適切に対応するための仕組みが必要です。

訪問看護が特に役立つ場面

抗がん剤治療中に訪問看護が介入することで、特に次のような場面で安心感が高まります。

  • 治療開始直後・レジメン(治療計画)変更後の副作用が読めない時期
  • 強い副作用(骨髄抑制・脱水・口内炎)が出やすいとわかっている時期
  • 高齢・独居・介護者の負担が大きい場合
  • 緩和ケアと抗がん剤治療を並行して行っている場合
  • 在宅看取りを視野に入れながら治療を継続している場合

末期がんであっても、本人・家族・医療チームが合意すれば抗がん剤治療と在宅療養は両立できます。「治療中だから訪問看護は使えない」は誤解です。

抗がん剤の主な副作用と在宅での観察ポイント

副作用の種類と出現時期

抗がん剤の副作用は種類・出現時期・対処法がそれぞれ異なります。治療薬のレジメンによって出やすい副作用も変わるため、担当医・薬剤師から「どの副作用がいつ出やすいか」を事前に確認しておくことが重要です。

副作用主な出現時期在宅での観察ポイント
骨髄抑制(白血球減少)投与後7〜14日目がピーク発熱(38℃以上)・悪寒・倦怠感
吐き気・嘔吐投与後24〜72時間以内が多い食事・水分が取れているか、体重変化
口内炎投与後5〜10日目口腔内の発赤・潰瘍・食事困難の有無
末梢神経障害投与を重ねるごとに蓄積手足のしびれ・ぴりぴり感・歩行の不安定さ
脱毛投与後2〜3週間精神的サポート・頭皮保護の指導
下痢・便秘薬剤により異なる排便回数・性状・腹痛の有無
倦怠感(がん関連疲労)持続的日常活動量・睡眠の状態
皮膚障害(手足症候群など)分子標的薬・一部の抗がん剤手足の発赤・腫脹・水疱・亀裂

訪問看護師は、毎回の訪問時にバイタルサイン(体温・血圧・脈拍・酸素飽和度)を測定するとともに、これらの副作用の有無・程度を系統的に確認します。「前回の訪問からどう変化したか」を記録・評価することで、悪化の予兆を早期に捉えます。

骨髄抑制(白血球減少)は最も注意が必要な副作用

抗がん剤治療中に特に注意が必要なのが骨髄抑制です。抗がん剤が骨髄での血球産生を抑えることで、白血球・赤血球・血小板が減少します。中でも白血球(好中球)の減少は感染症リスクを高め、命に関わる事態につながることがあります。

好中球減少期(投与後7〜14日)に家族が注意すること:

  • 体温を1日2回測る(特に夕方〜夜間)
  • 38℃以上の発熱 → すぐに病院・訪問看護ステーションへ連絡
  • 外出時はマスク・手洗いを徹底する
  • 生の食材(刺身・生野菜など)は控える
  • 人混みへの外出は避ける
  • ペット(特に鳥・爬虫類)との密接な接触を控える

「37.5℃くらいなら様子を見る」では危険です。好中球減少期の38℃以上の発熱は、発熱性好中球減少症(FN)として緊急対応が必要です(詳しくは次のセクションで)。

口腔ケアは副作用管理の基本

口内炎は放置すると食事・水分補給ができなくなり、栄養状態の悪化・治療中断につながります。抗がん剤投与後から予防的に口腔ケアを始めることが重要です。

在宅でできる口腔ケアの基本:

  1. 食後・就寝前に必ずうがい(生理食塩水またはうがい薬)
  2. 柔らかい歯ブラシで丁寧にブラッシング(力を入れすぎない)
  3. 刺激物(辛い・熱い・硬い食べ物)を避ける
  4. 口の中を乾燥させない(こまめな水分補給・保湿ジェルの使用)
  5. 口内炎ができたら早めに主治医・歯科医に相談する

訪問看護師が口腔内の状態を定期的に観察し、悪化の前に対応できる体制を整えます。

緊急時の判断と対応|病院に連絡すべきサイン

発熱性好中球減少症(FN)は即時対応

38℃以上の発熱+抗がん剤治療中 という状況は、感染症による重篤な事態の可能性があります。発熱性好中球減少症(FN)は、早期に治療を開始しないと敗血症に移行するリスクがあり、在宅では対応できません。

FNが疑われる場合の対応手順:

  1. 体温計で確認(38.0℃以上)
  2. すぐに担当病院の外来または救急に連絡する
  3. 訪問看護ステーション(24時間対応)にも連絡する
  4. 自己判断で解熱剤を使って様子を見ない

「抗がん剤を受けた後の何日目か」「今の体温が何度か」を病院に伝えると、電話対応がスムーズです。夜間・休日でも担当病院の緊急連絡先に電話することをためらわないでください。

すぐに連絡が必要な症状一覧

症状対応
38℃以上の発熱(好中球減少期)即時:担当病院へ
激しい嘔吐・下痢で水分補給できない当日:担当病院または訪問看護へ
口内炎がひどく食事・水分が全く取れない当日:担当病院へ相談
手足に水疱・ただれ・強い痛み当日:担当病院へ
突然の息切れ・胸痛即時:救急(119)または担当病院
異常な出血(鼻血が止まらない・歯茎からの出血)当日:担当病院へ
強い頭痛・意識の変化即時:救急(119)

「これくらいで連絡していいのか」という遠慮は不要です。抗がん剤治療中は「普段なら様子を見られる症状」でも迅速な判断が必要なケースがあります。迷ったら訪問看護師に電話してください。

宮崎市での抗がん剤治療中の在宅サポート|OURの対応体制

副作用モニタリングと医療機関との連携

OURでは、抗がん剤治療中の患者に対して、治療レジメンに合わせた訪問スケジュールを組み立てます。「副作用がピークになる時期に合わせて訪問を増やす」「投与翌日に確認訪問を入れる」など、治療サイクルを把握した上でのケアを提供します。

訪問時に確認する内容:

  • バイタルサイン(体温・血圧・脈拍・SpO₂)
  • 副作用の発現状況(種類・程度・日常生活への影響)
  • 食事・水分摂取量の確認
  • 内服薬(制吐剤・下剤・口腔ケア薬など)の服薬状況
  • 精神的な状態(不安・抑うつ・意欲の変化)

把握した情報は担当医に定期的に報告し、必要に応じて処方変更・入院判断の相談を行います。「在宅と病院の橋渡し役」として機能することで、適切なタイミングで適切な対応ができる体制を作ります。

在宅療養全体の流れについては「がん患者が自宅で療養するには?退院後の訪問看護の役割と準備」もあわせてご覧ください。

家族の負担を減らす関わり方

抗がん剤治療中の在宅療養では、家族が「副作用の見張り役」になることで精神的・身体的な疲弊が起きやすくなります。「何かあったら自分が気づかないといけない」という緊張感が長期間続くと、介護者自身が消耗します。

OURでは、家族に対しても次のようなサポートを行います。

  • 副作用の見分け方・対処法の指導:「これは様子を見ていい」「これはすぐ連絡」の基準を明確に伝える
  • 記録シートの活用:体温・食事量・症状を記録するシートを提供し、観察の負担を軽減する
  • 精神的なサポート:「家族も当事者」として、不安や疲れを話せる場を作る
  • 24時間電話対応:「夜中に熱が出た」「嘔吐が続いている」など、いつでも相談できる体制

疼痛管理と在宅医療用麻薬の使い方については「がんの痛みは在宅でコントロールできる|医療用麻薬の管理と訪問看護の役割」も参考にしてください。

訪問看護の費用と末期がんの特例

末期がんと診断された場合、医療保険での訪問看護が適用され、週の訪問回数に制限がありません。また「特別訪問看護指示書」が発行されると14日間は毎日の訪問が可能です。

抗がん剤治療中であっても末期がんの場合は同様の扱いになります。費用の詳細は「訪問看護の料金はいくら?医療保険・介護保険別の費用と自己負担の目安を解説」をご参照ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 抗がん剤治療中でも訪問看護を使えますか?

はい、使えます。外来化学療法(通院での抗がん剤治療)を受けながら訪問看護を利用することは可能です。特に末期がんの場合は医療保険が適用されます。まずはかかりつけ医・担当医に訪問看護の利用を相談し、訪問看護指示書を発行してもらうことが手続きの第一歩です。

Q2. 副作用が出たとき、訪問看護師はどこまで対応できますか?

バイタルサインの確認・症状の観察・緊急度の判断・担当病院への連絡・家族への指導が主な役割です。薬の処方や点滴などの医療処置は医師の指示が必要ですが、「今すぐ病院に行くべきか・様子を見ていいか」の判断を看護師と一緒に行えることが大きな安心につながります。

Q3. 抗がん剤の副作用で食欲がなく、体重が落ちています。訪問看護で対応できますか?

対応できます。食欲不振・体重減少は抗がん剤治療中によくある問題です。訪問看護師は食事摂取量の確認・栄養補助食品の提案・吐き気・口内炎など食欲低下の原因への対処を行います。必要に応じて担当医への栄養サポート(栄養剤・高カロリー輸液など)の相談も行います。

Q4. 家族が仕事をしていて昼間は一人になります。一人でいる時間が心配です。

訪問看護の訪問時間を昼間に設定することが可能です。また、副作用のピーク時期に合わせて訪問回数を増やすことで、一人の時間のリスクを下げられます。緊急時はいつでも電話できる24時間対応の体制も、独居・昼間独居の方の安心感につながっています。

Q5. 副作用で入院が必要になった場合、在宅に戻ることはできますか?

できます。副作用対応のための入院は通常短期間で、状態が安定すれば再び在宅療養に戻ることが可能です。OURでは退院後の再開訪問をスムーズに行える体制を整えています。「入院したら在宅ケアが終わり」ではなく、在宅と病院を行き来しながら治療を続ける形が一般的です。

Q6. 抗がん剤治療中の感染対策として、家族が気をつけることは?

家族からの感染を防ぐことも重要です。外出後の手洗い・うがい、体調が悪い家族との接触を減らす(別室で休んでもらうなど)、マスクの着用を徹底します。また、患者本人が人混みに出るときは必ずマスクを着用し、エレベーターのボタンや手すりなど不特定多数が触れる場所に触れた後は手洗いを行います。

Q7. 精神的に落ち込んでいます。訪問看護師に相談してもいいですか?

ぜひ相談してください。がん治療中の精神的な苦痛(不安・うつ・孤独感)は身体症状と同じくらい重要なケアの対象です。訪問看護師は医療・ケアの専門職であると同時に、「話を聞いてくれる存在」でもあります。必要に応じて心理士・精神科医・緩和ケアチームへの相談・紹介も行います。

Q8. 宮崎市で外来化学療法を受けながら訪問看護を使いたい。どこに相談すればいいですか?

まずは担当の主治医・病院の相談員(医療ソーシャルワーカー)に「訪問看護を使いたい」と伝えてください。訪問看護指示書を発行してもらい、訪問看護ステーションに連絡する流れです。OURでは宮崎市内の病院・クリニックと連携実績があり、担当医との情報共有もスムーズに行えます。直接OURにご相談いただいても構いません。

まとめ

抗がん剤治療中でも、適切な管理体制があれば自宅での療養は十分に可能です。副作用の種類・出現時期を把握し、「様子を見ていい症状」と「すぐ連絡すべき症状」の基準を家族と共有しておくことが、安全な在宅治療継続の鍵です。

訪問看護師が定期的に訪問してモニタリングを行い、24時間電話対応できる体制があることで、患者も家族も「何かあったときの安心」を持ちながら自宅での生活を続けられます。

宮崎市での抗がん剤治療中の在宅療養について、OURにご相談ください。

この記事を監修した人

OUR
TEAM

OUR訪問看護ステーション

看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。

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