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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

COPD・在宅酸素療法(HOT)と訪問看護|息苦しさと上手につきあう在宅生活を解説

執筆:OUR訪問看護ステーション 看護・リハビリチーム / 監修:中田富久(認定作業療法士・OUR代表) / 最終更新:2026年5月21日

「少し動いただけで息が切れる」「酸素をつけながら、これからの生活はどうなるんだろう」「夜中に苦しくなったとき、すぐ来てくれる看護師がいるのか不安で」COPDの診断を受け、在宅酸素療法(HOT)を始めた方や、その家族からよく聞く声です。

息苦しさは目に見えにくい症状です。周囲に「さっきまで普通にしていたのに」と思われることも多く、本人が感じている制約や不安は、なかなか伝わりにくい。それでも、「酸素があれば何もできない」「外に出るのは無理」というのは誤解です。正しい管理と適切なサポートがあれば、COPDを抱えながらでも、自分らしい在宅生活は十分に続けられます。

この記事では、COPDと在宅酸素療法の基本・日常生活での管理ポイント・訪問看護の役割について、宮崎市で24時間・365日対応するOUR(アワー)訪問看護ステーションが詳しく解説します。

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“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします

☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時

COPDと在宅酸素療法(HOT)について正しく知る

COPDとはどんな病気か

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、長年の喫煙や大気汚染などが原因で気道や肺組織が慢性的に炎症・損傷を受け、息を吐き出す力が低下していく病気です。かつては「肺気腫」「慢性気管支炎」と呼ばれていた状態を含む概念で、日本では40歳以上の約8.6%が罹患していると推定されています(厚生労働省)。

COPDの最大の特徴は、進行がゆるやかであること、そして「一度壊れた肺胞は元には戻らない」こと。初期は階段を上ると息切れする程度でも、進行するにつれて歩行・入浴・着替えといった日常動作でも強い息苦しさが出るようになります。「年のせいだと思っていた」「ちょっと息切れしやすいだけだと思っていた」と気づかないまま重症化するケースが少なくありません。

息苦しさはQOL(生活の質)に直結します。呼吸が苦しいと活動量が落ち、筋力が低下し、さらに動けなくなる。この悪循環が、COPDの進行とともに深刻化します。「息が苦しいから動かない」ではなく、「息苦しさを管理しながら動き続ける」ことが、在宅生活を長く続けるための核心です。

在宅酸素療法(HOT)とは

在宅酸素療法(HOT:Home Oxygen Therapy)は、慢性的な低酸素血症を補うために、自宅で酸素濃縮器や携帯用酸素ボンベを使って酸素を吸入する治療法です。安静時の動脈血酸素分圧(PaO2)が60mmHg以下(もしくはSpO2 90%以下)になると、HOTの適応が検討されます。

HOTで使用する機器は大きく2種類です。

酸素濃縮器(据え置き型) 自宅のコンセントから電源を取り、空気中の酸素を濃縮して供給する機器です。電源がある限り途切れることなく酸素が供給できるため、自宅での安静時・睡眠時に使用します。機器のレンタルは医療機器業者が行い、定期的なメンテナンスも含まれます。

携帯用酸素ボンベ 外出時に使用する、小型の酸素ボンベです。リュックに入れて背負えるタイプや、ショルダーバッグ型など、さまざまな種類があります。「酸素をつけたら外に出られない」と思いがちですが、携帯用ボンベがあれば外出は十分可能です。

HOTを導入すると、低酸素による心臓・脳・臓器への負担が軽減され、息苦しさが改善し、活動量の維持につながります。適切に使用すれば予後の改善も確認されており、「酸素をつけること=重篤な状態」ではなく、「酸素をうまく使って生活を守る」という前向きな位置づけで捉えることが大切です。

HOTを始めるとき、家族が感じる不安

在宅酸素療法が始まったとき、多くの家族が「いつ急変するかわからない」という漠然とした不安を抱えます。退院後に初めて自宅で酸素を使う日、「本当にこれで大丈夫なのか」と夜眠れなかったという声も少なくありません。

よく聞く不安を整理すると、以下のようなものがあります。

  • 夜中に酸素の数値が下がったらどうするか
  • 機器の電源が切れたり故障したりしたらどうするか
  • 息苦しさが急に強くなったとき、救急を呼ぶべきか判断できない
  • 本人が「酸素をつけるのが嫌だ」と使用を拒否する
  • 外出・旅行はもうできないのではないか

これらはすべて、「正しい情報と適切なサポートがあれば解決できる」不安です。後の章で一つひとつ解説していきますが、重要なのは「一人で抱え込まないこと」。訪問看護師が定期的に関わることで、こうした不安は大幅に軽減されます。


在宅酸素療法中の生活で大切なこと

日常生活での管理ポイント

COPDで在宅酸素療法を行いながら生活するうえで、日々の観察・管理が急変予防の基本になります。特に重要なのは以下の項目です。

管理項目確認のポイント
SpO2(酸素飽和度)安静時・労作時の値を記録。主治医が設定した目標値(多くは90%以上)を保てているか確認
呼吸数・呼吸のリズム安静時でも1分間に20回以上、または呼吸が浅く速い状態が続く場合は要注意
息切れの程度「MRCスケール」や「0〜10のスケール」で記録し、悪化傾向を早期に把握
痰の変化色(白→黄・緑への変化)・量の増加・粘り気の変化は感染の兆候
体重の変化急激な体重増加(2〜3日で2kg以上)は心不全合併のサイン
服薬管理吸入薬の使用方法・タイミング・吸入量が正確に守られているか
酸素流量の設定主治医の指示流量を守る。自己判断で増減しない

特に「酸素流量の自己調整」は、よくある問題です。息苦しいからと自己判断で流量を上げてしまうことは、CO2蓄積(高炭酸ガス血症)を招くリスクがあります。COPD患者さんは酸素ではなくCO2によって呼吸ドライブが保たれているケースがあるため、「苦しいから酸素を増やせばいい」とは必ずしも言えません。流量の変更は必ず主治医の指示に従ってください。

息苦しさを和らげるための工夫

COPDの息苦しさは、日常の動作を工夫することでコントロールできる部分があります。以下のポイントは、訪問看護師が指導する際によく取り上げる内容です。

呼吸法の習得:口すぼめ呼吸 鼻から吸って、口をすぼめてゆっくり長く吐く呼吸法です。気道内圧を高め、気道の虚脱を防ぐ効果があります。歩行中や労作時に意識的に使うことで、息苦しさの軽減と回復が早くなります。

動作のペース配分:省エネ動作 「急がない・急かさない・休みながら動く」が基本です。入浴では椅子を使い、着替えは座って行う。歯磨きも前かがみにならず、両肘をつけた姿勢で行うと呼吸が楽になります。「ちょっとしたことだから一気にやろう」という意識が息苦しさを招くことが多く、「どんな小さな動作でも休みを挟む」という習慣が大切です。

姿勢の工夫:起坐位・前傾姿勢 息苦しいときは上体を起こし、前傾姿勢(テーブルに肘をつく、膝に手をつく)を取ると呼吸筋が使いやすくなります。就寝時は頭部を少し高くするだけで、夜間の息苦しさが楽になることがあります。

温度・湿度の管理 COPDでは、乾燥した空気・冷たい空気・気温差が気道を刺激して症状を悪化させます。室温は18〜22℃・湿度は50〜60%を目安に管理することが勧められます。宮崎市は夏の高温多湿が特徴的ですが、冷房の冷えすぎにも注意が必要です。屋内外の温度差が大きいと、外出時に症状が悪化しやすくなります。

感染予防の徹底 COPDの急性増悪(病状が急に悪化すること)の最大の原因は、呼吸器感染症(かぜ・インフルエンザなど)です。手洗い・うがいの徹底、インフルエンザワクチン・肺炎球菌ワクチンの定期接種、人込みでのマスク着用が基本的な予防策です。訪問に来る人が体調不良の場合は、遠慮なく来訪を断ってもらうよう周知することも大切です。

緊急時・急変のサイン

在宅でのCOPD管理で最も注意すべきは「急性増悪」です。急性増悪とは、息苦しさ・痰の量や性状の変化・咳の増加などが急激に悪化する状態で、入院が必要になることもあります。以下のサインが現れたときは、速やかに訪問看護ステーションまたは主治医に連絡してください。

すぐに連絡が必要なサイン:

  • 普段よりSpO2が5%以上低い(または90%を切る)
  • 安静にしていても息苦しさが強い・横になれない
  • 唇や爪の色が青紫がかっている(チアノーゼ)
  • 熱が38℃以上ある
  • 痰の色が黄〜緑色に変わった・量が急増した
  • 意識がぼんやりしている・呼びかけへの反応が鈍い

119番が必要な緊急のサイン:

  • 話せないほどの息苦しさ
  • 呼吸が止まりそう、または停止している
  • 意識がない・反応がない

「様子を見よう」と判断するのが難しいのが呼吸器疾患の特徴です。「いつもと違う」という感覚は大切なサインです。迷ったら、まず訪問看護ステーションに電話してください。看護師が状態を確認し、救急搬送が必要かどうかを一緒に判断します。


訪問看護がCOPD在宅生活を支える

訪問看護師が行うケアの内容

COPDで在宅酸素療法を行っている方への訪問看護は、「観察・管理・指導」の3つを軸に組み立てられます。

ケアの種類具体的な内容
呼吸状態のアセスメントSpO2・呼吸数・呼吸音の聴診・息切れの程度・痰の状態を記録・評価
バイタルサイン確認血圧・脈拍・体温・体重の測定と変化の把握
服薬・吸入指導吸入薬の正しい手技の確認・吸入タイミングの確認・残量チェック
酸素機器の管理確認流量設定・チューブ・カニューラの接続状態・機器の異常がないかの確認
排痰ケア体位ドレナージ・ハッフィング指導・水分補給の促し
急性増悪の早期発見痰の性状変化・息苦しさの程度変化から増悪の兆候を早期にキャッチ
生活指導・省エネ動作の確認口すぼめ呼吸・省エネ動作・室内環境の確認とアドバイス
家族へのケア指導観察のポイント・緊急時の対応・精神的サポート
他職種連携主治医への報告・ケアマネジャーや医療機器業者との情報共有

訪問回数は状態に応じて週2〜3回が一般的ですが、急性増悪後や退院直後は頻度を増やして集中的に関わります。医師から「特別訪問看護指示書」が発行された場合は、週4日以上の訪問も医療保険で可能です。

在宅での訪問看護の強みは、「病院では見えない生活の実態をつかめること」です。体重計や酸素濃縮器のそばにたくさんの薬が積まれている、食欲が落ちて水分をあまり取っていない、家族が疲弊して観察が手薄になっている。こうした生活の中の危険信号を、定期的な訪問で早期にキャッチできます。

呼吸リハビリテーションの役割

「COPDに運動は逆効果では?」と思う方は少なくありません。訪問看護でのリハビリ利用については「訪問看護でリハビリだけ利用できる?単独利用の条件・費用」もあわせてご覧ください。実際には逆で、呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)はCOPD管理の中核のひとつとして、ガイドラインでも強く推奨されています。

呼吸リハの目的は、息苦しさの軽減・運動耐容能の向上・QOLの改善・急性増悪の予防です。「息が苦しいから動かない→筋力が落ちる→少し動いただけで息切れする→さらに動かなくなる」という悪循環を断ち切るために、理学療法士(PT)が運動プログラムを組み立てます。

OUR訪問看護ステーションでは、看護師の訪問と並行してPTが呼吸リハを行うことができます。具体的には以下のような内容です。

  • 呼吸練習:口すぼめ呼吸・腹式呼吸の習得と定着
  • 排痰手技:体位ドレナージ・ハッフィング(咳払いの補助)
  • 運動療法:状態に合わせた歩行・筋力トレーニング(下肢中心)
  • ADL訓練:入浴・着替えなど日常動作を省エネで行う方法の指導
  • 呼吸補助筋のストレッチ:首・肩・胸郭周囲の柔軟性を維持し、呼吸を楽にする

「きつい運動をさせられるのでは」と不安に思う方もいますが、呼吸リハは息苦しさを極力出さない強度で進めます。「少しずつ動ける範囲を広げる」ことが目標であり、無理をさせることは一切ありません。

よくある誤解:酸素をつけたら外出できない?

「酸素をつけたら、もう外出は無理だろう」これは非常によくある誤解です。携帯用酸素ボンベを使えば、外出・買い物・受診・旅行も対応できます。実際に、HOT中の方が国内旅行や外食を楽しんでいる例は珍しくありません。

外出時に気をつけるポイントは以下のとおりです。

  • 酸素ボンベの残量確認:外出前に十分な残量があるか必ず確認する。長時間の外出はボンベを2本持参するか、予備の手配を
  • 酸素流量の確認:主治医が外出時の流量を指示している場合はその設定を守る
  • 温度変化への対応:夏の炎天下・冬の冷気は息苦しさを誘発しやすいため、外出時間帯の工夫や羽織るものの準備を
  • 緊急連絡先の携帯:訪問看護ステーション・主治医・医療機器業者の連絡先をカードにして持ち歩く

「外に出たい」という気持ちは、生活の質に直結します。HOTをしているからといって、外出を過度に制限する必要はありません。安全に外出を続けるための方法を、訪問看護師と一緒に考えましょう。

宮崎市でのご相談はOUR訪問看護ステーションへ

OUR(アワー)訪問看護ステーションは、宮崎市を中心にCOPD・在宅酸素療法(HOT)に対応した訪問看護を行っています。退院後の訪問看護の手配の流れは「退院後に訪問看護を使いたい。手配の流れと注意点」も参考にしてください。看護師による定期的な呼吸状態の管理・服薬指導・急変時対応に加え、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)による呼吸リハビリも同一ステーションで提供できる体制を整えています。

24時間・365日のオンコール体制を持ち、夜間・休日に息苦しさが強まったときも、電話一本で看護師が対応します。「夜中に急に苦しくなったとき、どこに電話すればいいか」という不安は、OURにお任せいただければ解消できます。

「退院後の生活が不安」「今の訪問看護では対応が薄い気がする」「呼吸リハを同時にお願いしたい」そうした方からのご相談もお待ちしています。現在の状態・処置の内容をお聞きした上で、具体的にどんなサポートができるかをお伝えします。


よくある質問

Q. COPDの訪問看護は医療保険と介護保険どちらが使えますか?

COPDで在宅酸素療法(HOT)を行っている方の訪問看護は、基本的に医療保険が適用されます(厚生労働大臣が定める疾病等に該当するため)。65歳以上で介護保険を持っている方でも、COPDとHOTの組み合わせでは医療保険が優先されるケースが多いです。ただし、他のサービス(ヘルパー・デイサービスなど)は介護保険を並行して利用できます。詳しくは主治医・ケアマネジャー、またはOUR訪問看護ステーションにご相談ください。

訪問看護の保険区分については、「訪問看護の料金はいくら?医療保険・介護保険別の費用と自己負担の目安を解説」でも詳しく解説しています。

Q. 停電になったとき、酸素濃縮器はどうなりますか?

酸素濃縮器はコンセントからの電源で動くため、停電すると使用できなくなります。そのため、HOTを利用する方には必ず予備の酸素ボンベを手元に置いておくことが推奨されています。宮崎市では停電時の優先連絡制度があり、電力会社への「人工呼吸器・在宅酸素使用者」としての登録をしておくと、停電情報の優先連絡を受けられます。医療機器業者への緊急連絡先も、必ず手元に貼っておきましょう。

Q. 息苦しくなったとき、自分で酸素の流量を増やしてもいいですか?

原則としてNGです。COPDでは、酸素流量を自己判断で増やすとCO2が体内に蓄積される「CO2ナルコーシス」を起こすリスクがあります。息苦しさが強いときは、まず体位を整え(前傾姿勢・起坐位)、口すぼめ呼吸を試みてください。それでも改善しない場合は、自己判断で流量を変えるのではなく、訪問看護ステーションまたは主治医に連絡してください。

Q. 呼吸リハビリはどのくらいの頻度で行いますか?

状態と目標によって異なりますが、週1〜2回から開始し、状態が安定すれば週2〜3回に増やすことが多いです。OURでは看護師訪問の日程と組み合わせてリハビリ日程を組むことができます。「まず週1回だけ試したい」という形でも対応しています。

Q. 外来通院が難しくなってきました。主治医との連携はどうなりますか?

訪問看護師が定期的に状態を把握し、主治医に報告・連絡する役割を担います。呼吸状態の変化・体重の推移・服薬状況・生活環境などを記録し、必要に応じて医師に報告・相談します。通院が難しい状況であれば、在宅療養支援診療所の主治医と連携した「訪問診療」への移行を検討することも、OURから提案・橋渡しできます。


まとめ

COPDと在宅酸素療法(HOT)は、「正しく管理すれば自宅で長く生活を続けられる」疾患・治療法です。日々のSpO2確認・呼吸法・省エネ動作・感染予防——これらを積み重ねることが、急性増悪を防ぎ、生活の質を保つことにつながります。一人で抱え込まず、訪問看護師・理学療法士と一緒にペースを作っていくことが、在宅生活を長く続けるための一番の近道です。

「息苦しいから何もできない」ではなく、「息苦しさを上手に管理しながら、自分らしい生活を続ける」その支えになるのが訪問看護です。宮崎市でのご相談は、OUR訪問看護ステーションにお気軽にどうぞ。

この記事を監修した人

OUR
TEAM

OUR訪問看護ステーション

看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。

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