
「退院してから、毎日が綱渡りのようです」。NICU退院後の赤ちゃんを抱えるお母さんから、OUR訪問看護ステーションにこんな言葉が届いたことがあります。医療的ケアが必要な子どもの在宅生活は、家族の愛情だけでは回せない場面が多く、専門職のサポートが欠かせません。この記事では、小児・重症心身障害児への訪問看護の内容、制度の使い方、宮崎市での実際の支援体制まで、ご家族が知りたい情報をまとめました。
宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応
“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします
☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時
小児の訪問看護とは、医療的ケアが必要な子どもの自宅を看護師やリハビリ職が定期的に訪問し、健康管理・医療処置・家族支援を行う在宅サービスです。
「訪問看護は高齢者のもの」というイメージをお持ちの方も多いですが、実際には医療的ケア児(医療ケアが日常的に必要な18歳未満の子ども)や重症心身障害児(重度の肢体不自由と重度の知的障害が重複している状態の子ども)も利用できます。
国の調査によると、医療的ケア児は全国に約2万人いると推計されており、その多くが在宅で生活しています。宮崎県でも、NICU退院後の乳幼児から学齢期の重症心身障害児まで、訪問看護を利用するケースは年々増えています。
医療的ケア児とはどんな子どもを指すのか
医療的ケア児とは、人工呼吸器や経管栄養(胃ろう・経鼻)、気管切開、在宅酸素、吸引といった医療的なケアを日常的に必要とする18歳未満の子どものことです。2021年に施行された「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)」によって、国・自治体・保育所・学校がそれぞれ支援義務を負うことが明確になりました。
重症心身障害児は医療的ケア児と重なる部分が多く、てんかん発作管理・吸引・体位変換・栄養管理・呼吸管理など、複合的なケアが必要なことが特徴です。
小児訪問看護の具体的なケア内容は、呼吸管理・栄養管理・発達支援・家族指導など多岐にわたり、子どもの状態と家族の生活に合わせて個別に組み立てます。
訪問看護師が実際に行うケアは、大人の訪問看護と重なる部分もありますが、小児特有の対応が多く含まれます。
医療処置・健康管理の内容
| ケアの種類 | 具体的な内容 |
| 呼吸管理 | 気管切開部の管理・人工呼吸器の回路確認・吸引指導 |
| 栄養管理 | 胃ろう・経鼻胃管からの注入・口腔ケア |
| 発作管理 | てんかん発作時の対応・記録・主治医への報告 |
| バイタル測定 | 体温・SpO₂・心拍数の確認と異変の早期発見 |
| 褥瘡予防 | 体位変換の方法指導・皮膚状態の観察 |
| 導尿・ストーマ管理 | 自己導尿指導・ストーマの観察と処置 |
| 内服管理 | 薬の飲ませ方の工夫・副作用観察 |
発達支援・リハビリテーション
OURには理学療法士(PT)・作業療法士(OT)が在籍しており、看護師と連携して子どもの発達に関わることができます。寝返りや坐位保持といった姿勢管理、手を使う活動、感覚遊びを通じた発達促進など、在宅という日常の環境だからこそ丁寧に取り組めるアプローチがあります。代表の中田富久は認定作業療法士であり、重症心身障害児の発達支援に専門性を持って関わっています。
家族への指導と精神的サポート
医療的ケア児の在宅生活において、家族、とりわけ母親への負担は深刻です。吸引や胃ろう管理を毎日行いながら、きょうだい児の育児や家事もこなすご家族は少なくありません。訪問看護師は処置の技術指導だけでなく、家族が安心して介護できるよう精神的な支えになることも大切な役割です。OURのスタッフは、こうした場面で「一緒に考える」スタンスを大切にしています。
小児訪問看護の制度と費用は、医療保険(小児の場合は手厚い加算あり)が基本となり、障害福祉サービスと組み合わせることで在宅生活を支えます。
医療保険が優先される
18歳未満の医療的ケア児への訪問看護は、原則として医療保険が適用されます。介護保険が優先される成人とは異なり、小児は医療保険で訪問看護を利用するのが基本です。
医療保険の訪問看護では「週3回まで」という回数制限がありますが、厚生労働省が定める特定疾患・難病や、医療的ケアが常時必要な状態(「特別訪問看護指示書」が発行される場合)では、週4回以上・複数回/日の訪問も可能です。
障害福祉サービスとの組み合わせ
18歳未満の場合、障害福祉サービス(居宅介護・重度訪問介護・短期入所など)と医療保険の訪問看護を組み合わせることで、より手厚い在宅支援体制を作れます。サービス等利用計画を作成する「相談支援専門員」がケアコーディネートの要となります。
小児加算について
医療保険の訪問看護には「乳幼児加算」「小児加算」があり、未就学児や小学生への訪問には加算が上乗せされます。具体的な自己負担額は健康保険の種類・所得区分・公費負担医療制度(小児慢性特定疾病医療費助成など)によって異なります。宮崎市では市が独自に乳幼児医療費助成を実施しており、実質的な自己負担が大きく軽減されるケースもあります。
費用の目安について詳しくは「訪問看護の料金(医療保険・介護保険別)」をご参照ください。
OUR訪問看護ステーションが宮崎市の医療的ケア児に提供する、現場から生まれた具体的な支援とは
OURがこれまで関わってきた小児・重症心身障害児の事例(個人特定情報は省略)をもとに、実際の支援の流れをご紹介します。
NICU退院直後の在宅移行支援
気管切開・人工呼吸器管理が必要な乳児の退院に際し、病院の退院調整看護師・主治医・相談支援専門員と連携してOURが在宅移行をサポートした事例があります。退院前に自宅を訪問して医療機器の設置場所を確認し、ご両親への吸引・人工呼吸器操作の練習に立ち会いました。「初めての吸引が怖くて夜も眠れなかった」というお母さんが、「いつでも電話できるとわかってから、少し楽になりました」とおっしゃっていたことが印象に残っています。OURは24時間・365日のオンコール体制をとっており、深夜でも看護師が電話対応します。
学齢期の重症心身障害児への継続支援
特別支援学校に通う重症心身障害のある小学生への訪問では、学校での様子を担任や養護教諭と情報共有しながら、放課後の体調管理・褥瘡予防・発達促進を行っています。OTが姿勢保持クッションの選定や遊びのアイデアを提案し、看護師が全身観察と処置を担当するという連携体制が機能しています。
家族レスパイトへの視点
OURの看護師が訪問することで、家族が「ほんの少し休める時間」を作ることも意識しています。医療的ケア児の親御さんが24時間365日ケアを担い続けることは、心身ともに持続不可能です。訪問看護の時間に、お母さんが近所へ買い物に行けるだけでも「心の余裕が変わる」という言葉をいただいたことがあります。
宮崎市の在宅医療・障害福祉サービスの選び方については「宮崎市で訪問看護おすすめの選び方」もあわせてご覧ください。
医療的ケア児が訪問看護を始めるための手順と、関係機関との連携の進め方
利用を始めるための4ステップ
- 主治医への相談:かかりつけの小児科医・病院主治医に「在宅で訪問看護を使いたい」と伝え、訪問看護指示書を発行してもらいます。
- 訪問看護ステーションへの問い合わせ:小児・医療的ケア児の対応実績があるステーションを選びます。
- 契約・訪問開始前の打ち合わせ:子どもの状態・家族の生活スケジュール・緊急時の連絡体制などを確認します。
- 定期訪問の開始:週1〜3回程度から始め、状態に応じて頻度・内容を調整します。
在宅移行の全体的な流れについては「退院後に訪問看護を使いたい」もご参考ください。
宮崎市で活用できる関係機関・制度
| 機関・制度 | 活用場面 |
| 宮崎市障害福祉課 | 障害福祉サービスの申請・相談支援専門員の紹介 |
| 小児慢性特定疾病医療費助成 | 指定疾病の医療費自己負担を軽減 |
| 宮崎大学医学部附属病院 | 専門的医療・退院調整の連携先 |
| 特別支援学校 | 教育と医療の連携(学校看護師との情報共有) |
| 短期入所(医療型)施設 | 家族レスパイト・緊急時の受け皿 |
よくある質問
生まれてすぐNICUを退院した赤ちゃんでも訪問看護を使えますか?
はい、使えます。NICU退院直後の新生児・乳児も医療保険の訪問看護を利用できます。気管切開・人工呼吸器・経管栄養など医療的ケアが必要な状態であれば、退院前から訪問看護ステーションと病院が連携して在宅移行の準備を進めることが一般的です。OURでは、退院前カンファレンスへの参加や自宅環境の事前確認にも対応しています。ご家族が初めて在宅ケアに取り組む場合でも、吸引・胃ろう管理などの手技を丁寧に練習しながら進めますので、「退院が怖い」という段階からご相談ください。
訪問看護師は子どもの発達支援もしてくれますか?
訪問看護師は医療処置・健康管理が主な役割ですが、OURでは理学療法士(PT)や作業療法士(OT)も訪問できます。姿勢保持・運動発達の促進・感覚統合的な遊びのアプローチなど、発達支援の視点を持ったリハビリテーションが可能です。代表の中田富久は認定作業療法士であり、重症心身障害児の発達支援に関する専門的な知識と経験を持っています。看護師とリハビリ職が連携することで、健康管理と発達支援を一体的に行える体制が整っています。
小児の訪問看護は費用が高くなりますか?
小児の訪問看護は医療保険が基本となり、乳幼児加算・小児加算が上乗せされるため、大人の訪問看護より1回あたりの診療報酬は高くなります。ただし、小児慢性特定疾病医療費助成・自立支援医療・宮崎市の乳幼児医療費助成制度などの公費が使えるケースでは、実際の自己負担が大幅に軽減されます。状態によっては自己負担がほぼゼロになる場合もあります。具体的な費用は健康保険の種類・所得・適用される公費によって変わるため、主治医や訪問看護ステーションに確認することをお勧めします。
重症心身障害児の親が「もう限界」と感じたとき、訪問看護師に相談してよいですか?
ぜひ相談してください。OURの看護師は、ご家族の精神的な疲弊を「介護者の健康問題」として真剣に受け止めています。家族が倒れてしまったら、子どもへのケアも続けられなくなります。「つらい」「もう無理」という言葉を遠慮せずにお伝えください。必要に応じてレスパイト入院・短期入所の手配、相談支援専門員への橋渡し、宮崎市の障害福祉サービスの拡充について一緒に考えます。OURのスタッフは全員が厚生労働省の精神保健研修を修了しており、精神科病院経験を持つ看護師も在籍しています。
夜間に突然状態が悪くなったとき、訪問看護ステーションに電話してもよいですか?
はい、OURは24時間・365日のオンコール体制をとっています。深夜・休日を問わず、まず電話でご相談ください。電話で状況を確認したうえで、緊急訪問が必要と判断した場合は速やかに対応します。「救急を呼ぶべきか判断できない」「人工呼吸器のアラームが鳴っている」「発作が止まらない」など、迷ったときでも電話していただいてかまいません。緊急時の連絡先・対応手順は訪問開始時にご家族へ丁寧にお伝えします。
訪問看護と学校・療育機関はどのように連携しますか?
OURでは、特別支援学校の担任・養護教諭、放課後等デイサービスのスタッフと情報共有を行いながら支援を進めます。体調の変化・てんかん発作の状況・姿勢管理の方法などを共有することで、学校と在宅で一貫したケアができます。保護者の了承のもとで連絡帳や面談を通じて情報をつなぎ、子どもの「生活全体」を支える連携体制を意識しています。訪問看護師が学校の個別教育支援計画(IEP)の会議に同席するケースもあります。
訪問看護ステーションを選ぶとき、小児対応で何を確認すればよいですか?
最も重要なのは「小児・医療的ケア児の対応実績があるか」です。気管切開管理・人工呼吸器・胃ろう管理などの経験が豊富なスタッフが在籍しているか確認しましょう。次に、24時間オンコール体制が整っているか、リハビリ職(PTやOT)との連携ができるか、主治医や相談支援専門員との多職種連携に慣れているかも重要なポイントです。また、宮崎市内であれば実際にどのエリアまで訪問できるか(OURは宮崎市全域・国富町・高岡町・綾町に対応)を確認することもお勧めします。
まとめ
- 医療的ケア児・重症心身障害児への訪問看護は、呼吸管理・栄養管理・発達支援・家族指導を組み合わせた、子どもの生活全体を支える専門的なサービスです。
- 小児は原則医療保険が適用され、公費助成を活用することで家族の費用負担を大きく軽減できます。
- 24時間のオンコール体制・PT/OTとの連携・多職種チームによる支援が、在宅生活の安心を支える鍵となります。
- 家族の精神的な疲弊も重要な支援テーマであり、「もう限界」と感じた段階で遠慮なく訪問看護師に相談することが大切です。
今日できる一歩:お子さんの主治医に「在宅で訪問看護を使いたい」と一言伝えるか、OUR訪問看護ステーション(宮崎市)に電話・メールで相談してみましょう。退院前の段階でも、在宅生活が始まってからでも、いつでも問い合わせを歓迎しています。
次に読まれている記事
- 退院後に訪問看護を使いたい:退院調整の流れと訪問看護開始までのステップを解説
- 訪問看護を初めて使うときの流れ:申し込みから初回訪問までをわかりやすく整理
- 訪問看護の料金(医療保険・介護保険別):費用の目安と公費助成の活用方法
- 在宅リハビリで効果があるのは何か:PT・OTによる在宅リハビリの内容と効果
- 宮崎市で訪問看護おすすめの選び方:宮崎市でステーションを選ぶときの具体的な確認ポイント
参考文献一覧
- 「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」(厚生労働省・2021年)
- 「医療的ケア児の実態把握及び支援方策に関する調査研究」(厚生労働省・2021年)
- 「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」(厚生労働省告示)https://www.mhlw.go.jp/
- 「重症心身障害児(者)の地域生活支援に関するガイドライン」(日本重症心身障害福祉協会)
- 「小児慢性特定疾病医療費助成制度の概要」(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/
- 「在宅医療・訪問看護の推進に関する報告書」(日本看護協会・2023年)
この記事を監修した人
宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応
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