
「退院できたのに、また肺炎になってしまった」「食事のたびに咳き込むのが心配で、ご飯を食べさせるのが怖い」——こうした声は、誤嚥性肺炎を経験したご家族から、とてもよく聞かれます。誤嚥性肺炎は一度なると繰り返しやすく、ご本人の体力だけでなく、支えるご家族にも大きな負担がのしかかります。この記事では、誤嚥性肺炎がなぜ繰り返すのかという原因から、在宅でできる具体的な予防ケア、そして訪問看護がどんな場面で力になれるかを、わかりやすくお伝えします。「何をすればいいか」「誰に頼ればいいか」が少しでも明確になれば幸いです。
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誤嚥性肺炎はなぜ繰り返すのか——「繰り返し」の本当の理由を知る
誤嚥性肺炎とはどんな病気か
誤嚥性肺炎とは、食べ物や飲み物、あるいは口の中の細菌を含んだ唾液が、食道ではなく気管に入り込んでしまうこと(これを「誤嚥」と言います)によって引き起こされる肺炎です。健康な若い人なら、気管に異物が入りそうになると反射的に咳が出てはじき出されますが、高齢になるとこの「咳反射」が弱くなり、少しずつ気管に入り込んでしまっても気づかないことがあります。
肺炎の中でも、誤嚥性肺炎は日本の高齢者に特に多い病気です。肺炎で亡くなる方の7割以上が75歳以上と言われており、そのほとんどが誤嚥性肺炎です。入院して治療すれば症状は改善しますが、誤嚥を起こしやすい体の状態そのものは変わらないため、退院後も繰り返すリスクは続きます。
「不顕性誤嚥」という見えないリスク
誤嚥には、食事中に「ムセる」「咳き込む」という目に見えるものだけではありません。「不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)」と呼ばれる、ムセや咳が出ない誤嚥があります。特に夜間、睡眠中に唾液がゆっくり気管に流れ込んでいるケースです。本人は気づかず、ご家族も見ていないため発見が遅れやすい。これが、「先週まで元気だったのに急に肺炎になった」という事態につながります。
不顕性誤嚥は、特に脳血管疾患(脳梗塞など)の既往がある方、パーキンソン病の方、認知症の方に多いと言われています。これらの疾患では、嚥下反射そのものが低下しているため、誤嚥が起きても自覚症状が出にくいのです。
退院後に肺炎を繰り返してしまうパターン
実際に在宅での支援を続ける中で、再入院につながりやすいパターンをいくつか見てきました。よくある例をお伝えします。
- 退院後に「もう大丈夫」と油断し、食事形態を病院前の状態に戻してしまう
- 口腔ケアが習慣化せず、口の中の細菌が増えてしまう
- 水分補給を嫌がり脱水気味になり、痰が固まって出せなくなる
- 食後すぐに横になる習慣が続いている
- 「なんとなく元気がない」という変化を見逃し、受診が遅れる
どれも「気をつけていればよかった」と後から気づくことですが、ご家族だけで全てに気を配り続けるのは本当に難しいことです。専門職が定期的に関わることで、これらのリスクを一緒に管理できます。
在宅でできる誤嚥予防——今日からご家族にできること

①食事の姿勢・環境を整える
誤嚥を防ぐうえで、食事中の姿勢はとても重要です。理想は「体をまっすぐ起こして、あごを少し引いた状態」で食べること。背中が曲がった状態や、ベッドを少しだけ起こした半端な角度(30度程度)での食事は、意外と誤嚥しやすい姿勢です。
| 状況 | 推奨姿勢 |
|---|---|
| 椅子に座れる場合 | 足が床につく高さ。背筋を伸ばし、あごを軽く引く |
| ベッドでの食事 | ギャッジアップ60〜90度。膝を少し曲げてズレ防止 |
| 食後 | 最低30分は横にならない。座位または上半身を起こしたまま |
また、テレビを見ながらの食事や会話しながらの食事は、注意が分散して誤嚥しやすくなります。食事中は食事に集中できる環境を整えることも大切です。
②食べ物のかたさ・水分のとろみを見直す
入院中は食事形態が細かく管理されていても、退院後に「普通食に戻していいか」の判断が難しいとよくおっしゃいます。退院時に病院から指示がある場合はそれに従ってください。指示がなかった場合の目安として、以下を参考にしてください。
- ムセが多い方・飲み込みが遅い方:刻み食よりもミキサー食・ムース食のほうが誤嚥しにくい(刻み食は粒がバラけて飲み込みにくい)
- 水分でよくムセる方:水やお茶にとろみ剤を使う。「とろみなし」の水は流れる速度が速く、誤嚥しやすい
- 一口の量が多い方:小さいスプーンに変えて一口の量を減らす
「とろみが嫌で飲みたがらない」「ムース食を嫌がる」というご本人の気持ちも理解できます。ただ、脱水や誤嚥のリスクとのバランスを考えると、専門職(訪問看護師・主治医)に相談しながら、少しずつ本人が受け入れやすい形を探していくことが大切です。
③口腔ケアを毎日続ける——最も効果的な予防策
誤嚥性肺炎の予防として、医学的に最も効果が高いと言われているのが「口腔ケア」です。口の中には無数の細菌がいますが、その菌が誤嚥によって肺に入ることで炎症が起きます。口の中を清潔に保つことで、誤嚥しても肺炎になりにくくなります。
介護施設での研究では、口腔ケアを毎日行ったグループでは肺炎の発症率が約40〜50%減少したというデータもあります。これは薬と同じくらい——あるいはそれ以上の効果です。
自宅での口腔ケアの基本は以下の通りです。
- 歯ブラシで歯・歯茎・舌を1日2回以上磨く(義歯の方は義歯も毎日洗浄する)
- 食後は必ず口をゆすぐ(うがいができない方は口腔ケア用スポンジやウェットティッシュで拭き取る)
- 口が乾燥しないように保湿する(口腔保湿剤を活用)
「歯が全部ない(義歯の方)は口腔ケアは不要では?」と思われがちですが、義歯がなくても歯茎や舌・口蓋(上あご)に細菌は付着します。義歯の方も口腔ケアは必須です。
④「いつもと違う」サインを見逃さない
誤嚥性肺炎は、熱が出る前に必ず何らかのサインが出ています。ご家族が気づける変化を知っておくと、早期受診につながります。
- 食欲がいつもより落ちている
- 元気がない、ぼんやりしている(特に認知症の方は発熱より先に「意識がぼんやりする」ことが多い)
- 痰の量が増えた、痰の色が黄色・緑色に変わった
- 呼吸がいつもより速い、または苦しそう
- 食事中のムセが急に増えた
- 微熱(37.5度前後)が続いている
これらの変化に気づいたら、「様子を見よう」ではなく、まずかかりつけ医か訪問看護師に連絡してください。早めの対処で入院を避けられるケースは少なくありません。
訪問看護があると何が変わるか——専門家と一緒に在宅を守る
定期訪問で「異変」を早期に発見する
ご家族は毎日一緒にいるからこそ、少しずつの変化に気づきにくい面があります。訪問看護師は週1〜3回という頻度で訪問するため、前回との比較ができます。「先週と比べて痰が増えている」「先週より呼吸数が増えた」「先週はもっとしっかり食べられていた」——こうした変化を客観的に評価し、必要であれば主治医に報告・相談することが訪問看護師の重要な役割の一つです。
また、「これは大丈夫なの?」というご家族の不安に対して、医療的な視点から答えることができます。「この痰の色は様子見でいいですか?」「熱が出たんですが、すぐ病院に行ったほうがいいですか?」——こうした判断に迷う場面で、専門職が身近にいることの安心感は非常に大きいと、利用を始めたご家族の多くがおっしゃいます。
吸引・医療処置にも対応できる
誤嚥性肺炎を繰り返している方の多くは、自力で痰を出す力が弱くなっています。痰が気道にたまったままでは肺炎になりやすく、呼吸も苦しくなります。こうした場合に必要になるのが「吸引(きゅういん)」という処置です。細い管を口・鼻から入れて、気道の痰を吸い取る医療行為です。
吸引は医療行為のため、ご家族が行うには一定のトレーニングが必要です(医師の指示のもと、介護者が行える場合もあります)。訪問看護師が定期的に吸引を行うことで、痰の貯留を防ぎ、呼吸の状態を安定させることができます。
OUR(アワー)訪問看護ステーションでは、吸引処置はもちろん、経管栄養の管理、在宅酸素の管理など、医療的なケアにも幅広く対応しています。「病院でやっていた処置が自宅でもできるか不安」という方は、ぜひご相談ください。
嚥下リハビリで「飲み込む力」を維持・改善する
「もう嚥下機能は戻らない」と思い込んでいるご家族も多いのですが、適切なリハビリによって嚥下機能を維持・改善することは可能です。特に、脳卒中後の方は適切なリハビリで改善が期待できます。
OUR(アワー)訪問看護ステーションには理学療法士(PT)・作業療法士(OT)が在籍しており、嚥下に関連した口周りの筋肉トレーニング(口腔体操)や、食事中の姿勢管理、上半身のコンディショニングなどを実施しています。「食べること」を諦めてほしくないという思いで、リハビリ職が関わる機会を積極的に設けています。
ご家族の「介護疲れ」にも向き合う
誤嚥性肺炎を繰り返している方を在宅でケアするご家族は、常に「また肺炎になるかもしれない」という不安を抱えながら生活しています。食事のたびに緊張し、夜中に咳の音がするたびに目が覚め、少しでも元気がないと「肺炎の始まりでは」と心配する——その消耗は、じわじわとご家族の体と心を削っていきます。
訪問看護師は、ご本人の状態だけでなく、ご家族の疲弊度や不安にも目を向けます。「最近、無理していませんか?」という言葉が、ご家族にとっての救いになることもあります。在宅療養を長く続けるためには、ご家族が倒れないことも同じくらい大切です。「自分がもっとしっかりしなければ」と抱え込まず、遠慮なく私たちに話してください。
宮崎市でOUR(アワー)訪問看護ステーションを選ぶ理由
24時間・365日、夜中でも電話できる安心感
誤嚥性肺炎でご家族が最も不安を感じる瞬間の一つが、「夜中に急変したらどうすればいいか」です。発熱が38度を超えた、急に息が荒くなった、唇の色がおかしい——こんな状況が夜中に起きたとき、「救急車を呼ぶべきか」「朝まで様子を見ていいのか」は、医療の専門知識がないご家族には判断できません。
OUR(アワー)訪問看護ステーションは24時間・365日のオンコール体制をとっています。夜中でも、休日でも、担当の看護師に直接電話がつながります。「電話で状況を話したら、来てもらえることになった」「電話で確認してもらって、朝まで様子を見ていいとわかって安心できた」——そうした声をよくいただきます。何かあったときに「頼れる存在が電話の向こうにいる」という事実が、在宅療養を続けるうえでの大きな支えになります。
高度医療処置にも対応——「対応できない疾患なし」の体制
誤嚥性肺炎を繰り返す方の中には、吸引が必要な方、在宅酸素を使っている方、経管栄養(胃ろうや経鼻栄養)の管理が必要な方も多くいます。こうした医療的ケアが必要な場合、「対応できる訪問看護事業所が見つからない」と困っているご家族が宮崎市内にも一定数いらっしゃいます。
OUR(アワー)訪問看護ステーションは、在宅透析・人工呼吸器・CV(中心静脈カテーテル)・ポート管理など、高度な医療処置にも対応しています。「他の事業所には断られた」という方もぜひご相談ください。どのような状態であっても、在宅での生活を支えるための方法を一緒に考えます。
宮崎市の医療機関との連携で「切れ目のないケア」を
誤嚥性肺炎の在宅管理を長く続けるには、訪問看護単独での対応では限界があります。主治医(訪問診療医または外来医師)・ケアマネジャー・訪問介護・必要であれば言語聴覚士(ST)との連携が不可欠です。
OUR(アワー)訪問看護ステーションは、宮崎市内の医療機関・訪問診療クリニックと多数の連携実績があります。「退院後の担当医療機関が決まっていない」「誰に相談すればいいかわからない」という方に対しても、必要な連携先を一緒に探すお手伝いができます。訪問看護が「ハブ」となって、関係する専門職をつないでいく——そういう役割を担っています。
訪問看護を始める流れ「まず相談」から始められます
利用開始までのステップ
「訪問看護を使いたいけど、手続きが難しそう」と感じているご家族もいるかもしれません。実際の流れはシンプルです。
- まずOUR(アワー)に相談(電話またはフォーム)——現在の状況を簡単に伝えるだけでOKです。「詳しいことは後で」でも問題ありません
- 主治医に「訪問看護指示書」を依頼——訪問看護を利用するには、主治医からの指示書が必要です。「訪問看護を使いたい」と医師に伝えると発行してもらえます(かかりつけ医が分からない場合も相談ください)
- 担当者がご自宅に伺い、状況を確認——現在の体の状態・ご家族の不安・生活環境などをヒアリングします
- 訪問開始——週の訪問回数・時間帯を相談して決め、サービスを開始します
費用はどれくらいかかるか
訪問看護の費用は、医療保険または介護保険が適用されます。どちらが適用されるかは、主治医の判断や利用者の状態によって決まります。
| 保険の種類 | 対象 | 自己負担の目安 |
|---|---|---|
| 医療保険 | 主治医が「特別訪問看護指示書」を出した場合、厚生労働省指定の疾病の方など | 1〜3割負担(収入に応じる) |
| 介護保険 | 要介護・要支援の認定を受けている方 | 1〜3割負担(要介護度・収入に応じる) |
1回の訪問でかかる実費の目安は、介護保険の場合で数百円〜1,500円程度(1割負担の場合)です。費用についての詳細はご相談時にお伝えします。「費用が心配で相談できていない」という方も、まず気軽にお問い合わせください。
よくある質問
Q. 吸引が必要な状態です。自宅でも対応してもらえますか?
A. 対応できます。OUR(アワー)訪問看護ステーションでは、口腔・鼻腔・気管切開部からの吸引処置に対応しています。気管切開をされている方も、在宅での管理をサポートしますのでご相談ください。
Q. 夜中に急変した場合はどうすればいいですか?
A. 24時間オンコール体制のため、夜中・休日を問わずご連絡いただけます。電話で状況を確認し、必要と判断した場合は訪問します。「救急車を呼ぶべきかどうか迷っている」という場合も、まずお電話ください。
Q. 訪問は週に何回来てもらえますか?
A. 医師の指示と保険の種類によって異なりますが、通常は週1〜3回です。退院直後や状態が不安定な時期には、主治医から「特別訪問看護指示書」を出してもらうことで最大週7日(毎日)の訪問も可能になります。まずは状況をお聞かせください。
Q. 認知症があり、言葉でのコミュニケーションが難しいです。対応できますか?
A. 認知症の方のケアは多くの実績があります。言葉でのやり取りが難しい場合でも、表情・行動・バイタルサイン(体温・血圧・脈拍・呼吸数)などから状態を評価し、必要なケアを行います。また、ご家族の疲弊や不安についても一緒に考えていきます。
Q. 退院してすぐでも相談できますか?
A. 退院前からのご相談も歓迎しています。「来月退院予定だが、訪問看護をお願いしたい」「退院後の生活について不安がある」という段階でのお問い合わせが理想的です。退院後すぐに体制が整えられるよう、事前に準備しておくことができます。
誤嚥性肺炎は繰り返しやすい病気ですが、「繰り返すもの」と諦める必要はありません。食事の姿勢・食形態の工夫・毎日の口腔ケア・早期の変化への気づき——これらを着実に続けることで、再入院のリスクを大きく下げることができます。そして、ご家族一人で抱え込まず、訪問看護という専門職のサポートを活用してほしいと思います。
OUR(アワー)訪問看護ステーションは、宮崎市・国富町・高岡町・綾町エリアで24時間・365日対応しています。「また肺炎になるかもしれない」という不安を、私たちと一緒に小さくしていきませんか。まずはお気軽にお電話またはフォームからご相談ください。
宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応
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