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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

褥瘡の評価はどう行う?DESIGN-R®を家族・ケアマネ向けにやさしく解説

「訪問看護師さんから『D3まで進んでいます』と言われたけれど、それがどれくらい深刻な状態か分からない」。褥瘡(床ずれ)のケアでは、医療者同士が使う専門的な評価用語が、家族やケアマネジャーには伝わりにくいことがあります。

この記事では、褥瘡の状態を評価する「DESIGN-R®」というツールの仕組みを、家族・ケアマネジャー向けにやさしく解説します。評価の意味が分かると、訪問看護師からの報告がより具体的に理解でき、ケアの方向性を一緒に考えやすくなります。

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DESIGN-R®とは、褥瘡の状態を7つの項目で評価し、重症度と治癒の経過を数値で記録するための共通ツール

DESIGN-R®とは、日本褥瘡学会が開発した褥瘡状態判定スケールです。褥瘡の重症度を分類するとともに、治癒過程を数量化することを目的に開発され、現在は2020年に改定された「DESIGN-R®2020」が広く使われています。

このツールが重要なのは、「褥瘡が良くなっているか、悪くなっているか」を、見た人の印象だけに頼らず、数値で客観的に共有できる点です。訪問看護師、主治医、ケアマネジャーなど、関わる人がそれぞれ違うタイミングで褥瘡を見ても、同じ基準で状態を比較できます。

7つの評価項目

DESIGN-R®は、以下の7つの項目の頭文字から名付けられています。

項目英語評価する内容
D(深さ)Depth褥瘡がどの深さまで達しているか
E(滲出液)Exudate傷から出る液体の量
S(大きさ)Size褥瘡の面積
I(炎症/感染)Inflammation/Infection周囲の炎症や感染の有無
G(肉芽組織)Granulation治癒に向けた組織の状態
N(壊死組織)Necrotic tissue壊死した組織の有無
P(ポケット)Pocket傷の下に広がる空洞(ポケット)の有無

深さ(D)以外の6項目は合計0〜66点の範囲で点数化され、点数が高いほど重症度が高いことを示します。点数の推移を見ることで、「治癒に向かっているか」「悪化しているか」を客観的に把握できます。

褥瘡の深さ(D)の分類。家族が知っておきたい5段階

DESIGN-R®の中でも、家族やケアマネジャーが最も理解しておきたいのが「深さ(D)」の分類です。これは、褥瘡がどれだけ深い組織まで達しているかを示す指標です。

分類状態イメージ
d1持続する発赤皮膚が赤くなっているが、表皮の段階
d2真皮までの損傷皮膚の表面だけでなく、真皮まで損傷が及んでいる
D3皮下組織までの損傷脂肪組織まで損傷が及んでいる
D4皮下組織をこえる損傷筋肉や骨まで損傷が及んでいる
D5関節腔、体腔に至る損傷関節や臓器まで達する、最も重い段階

小文字(d1・d2)と大文字(D3・D4・D5)で表記が分かれているのは、D3以上が「真皮を越える重症な褥瘡」として区別されているためです。訪問看護師から「D3まで進んでいます」と言われた場合、単なる皮膚の赤みではなく、皮下組織まで損傷が及ぶ、より注意が必要な状態だと理解してください。

褥瘡(床ずれ)は在宅で処置できる?でも、褥瘡の処置方法や訪問看護の役割について詳しく解説しています。

点数が示すのは「重症度」だけでなく「治癒の方向性」

DESIGN-R®の点数は、重症度を示すだけでなく、ケアの効果を確認するためにも使われます。

点数が下がっていれば、ケアが効果を上げているサイン

毎回の訪問で評価を行い、前回より点数が下がっていれば、治癒に向かっていることを示します。逆に点数が上がっている場合は、ケア方法の見直しや、全身状態(栄養状態・体位変換の頻度など)の確認が必要になるサインです。

深さ(D)は点数に含まれない理由

深さ(D)の項目は、他の6項目とは別に扱われ、合計点数には含まれません。これは、深さは治療とともに浅くなることがあっても、一度損傷した組織が「なかったことになる」わけではないためです。深さの変化は、他の6項目の点数の変化とは別に確認する指標として扱われています。

在宅での褥瘡ケアにおける、写真記録の役割

訪問看護師は、DESIGN-R®による評価に加えて、褥瘡の写真記録を残すことがあります。これは、言葉だけでは伝わりにくい状態の変化を、関係者間で正確に共有するためです。

写真記録で大切にされていること

  • 本人・家族の同意を得てから撮影する
  • 創の横にスケール(定規)を置き、大きさが分かるようにする
  • 真上から撮影し、処置の前など撮影のタイミングを揃える
  • 撮影日・部位をあわせて記録する

こうした記録は、主治医への報告、ケアマネジャーとの情報共有、ケアプランの見直しの際に、状態を正確に伝えるための共通言語として役立ちます。課題分析標準23項目とは?でも触れているように、医療情報を正確にケアプランへ反映させるためには、こうした客観的な記録が欠かせません。

ケアマネジャーが確認しておきたいポイント

ケアマネジャーが褥瘡のある利用者を担当する際、訪問看護師からの報告をケアプランに正しく反映させるために、いくつかの視点を持っておくと役立ちます。

「D3以上」は、医療保険の訪問看護の利用に関わる場合がある

訪問看護の別表7・別表8の違いとは?で解説しているとおり、真皮を越える褥瘡(DESIGN-R®でD3以上に相当)は、訪問看護における特別管理加算などの対象になる状態の一つです。「D3以上」という報告は、単に状態が悪いというだけでなく、制度上の対応にも関わる重要な情報です。

点数の推移を、ケアプランの見直しのタイミングに活かす

DESIGN-R®の点数が改善傾向にあるか、悪化傾向にあるかは、体位変換の頻度、栄養状態、介護者の負担など、ケアプラン全体を見直すきっかけになります。訪問看護師からの評価報告を、単なる医療情報としてではなく、生活全体の支援を考える材料として活用することをお勧めします。

OURが褥瘡ケアで大切にしていること

OUR訪問看護ステーションでは、DESIGN-R®による客観的な評価を行いながら、ご家族にも分かりやすい言葉で状態を伝えることを大切にしています。専門用語をそのまま伝えるだけでなく、「前回よりこの部分が良くなっています」「ここはもう少し注意が必要です」といった形で、具体的な変化を共有するよう心がけています。

褥瘡は、体位変換・栄養管理・スキンケアなど、医療と生活の両面からのケアが必要な状態です。褥瘡予防を家族がするためにでも、ご家族が日常でできる予防のポイントを解説しています。

こんな方は、まずお気軽にご相談ください。

  • 褥瘡の評価について、訪問看護師からの説明が分かりにくいと感じている
  • ケアプランに褥瘡の状態をどう反映させればいいか相談したい
  • 在宅での褥瘡ケアについて不安がある

FAQ

Q1. DESIGN-R®のアルファベットは何の意味ですか?

Depth(深さ)、Exudate(滲出液)、Size(大きさ)、Inflammation/Infection(炎症/感染)、Granulation(肉芽組織)、Necrotic tissue(壊死組織)、Pocket(ポケット)の7項目の頭文字です。これらを組み合わせて褥瘡の状態を評価します。

Q2. 「D3」と言われたら、どのくらい心配すべき状態ですか?

D3は、皮下組織(脂肪組織)まで損傷が及んでいる状態です。皮膚の表面だけの赤み(d1・d2)より重症な段階で、医療的な処置と注意深い観察が必要です。主治医・訪問看護師と相談しながら、適切なケアを継続することが大切です。

Q3. 点数が上がったり下がったりするのは普通ですか?

褥瘡の状態は、体調や栄養状態、ケアの内容によって変動することがあります。一時的に点数が変わることもありますが、継続して評価を記録することで、全体としての傾向(改善しているか、悪化しているか)を把握することができます。

Q4. 家族は褥瘡の写真を見せてもらうことができますか?

本人・家族の同意のもとで撮影された写真は、状態の説明や記録として共有されることがあります。気になる場合は、訪問看護師に直接確認してみてください。

Q5. ケアマネジャーとして、DESIGN-R®の評価結果をどう活用すればいいですか?

点数の推移は、体位変換の頻度や栄養状態など、ケアプラン全体を見直すきっかけになります。また、D3以上の状態は、医療保険の訪問看護における特別管理加算などの対象になる場合があるため、制度面の確認にも役立ちます。

Q6. 褥瘡は治るものですか?

褥瘡の治癒には、全身状態・栄養状態・体位変換の頻度など、さまざまな要因が影響します。適切なケアによって改善することは多くありますが、個人の状態によって経過は異なります。主治医・訪問看護師と相談しながら、継続的にケアを行うことが大切です。

Q7. 宮崎市で褥瘡ケアについて訪問看護に相談できますか?

はい。OUR訪問看護ステーションでは、DESIGN-R®による評価を行いながら、ご家族にも分かりやすい説明を心がけています。褥瘡のケアについて不安がある場合は、まずお気軽にご相談ください。

まとめ:DESIGN-R®は、褥瘡の状態を家族・医療者・ケアマネが共有するための共通言語

  • DESIGN-R®は、褥瘡の状態を深さ・滲出液・大きさ・炎症/感染・肉芽組織・壊死組織・ポケットの7項目で評価するツール
  • 深さ(D)の分類はd1・d2・D3・D4・D5の5段階。D3以上は「真皮を越える重症な褥瘡」として区別される
  • 深さ以外の6項目は0〜66点で点数化され、点数の推移で治癒の方向性を確認できる
  • 写真記録は、関係者間で状態を正確に共有するための重要な手段
  • D3以上の状態は、医療保険の訪問看護における制度上の対応にも関わる場合がある

今日できる一歩:訪問看護師から褥瘡の状態について報告を受けたときは、「それは深さで言うとどのくらいですか」と聞いてみましょう。評価の意味が分かると、ケアの方向性をより具体的に理解できるようになります。


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監修:中田富久(認定作業療法士・OUR代表) 執筆:OUR訪問看護ステーション 看護・リハビリチーム

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TEAM

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看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。