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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

多発性硬化症(MS)とは?在宅療養の実際と訪問看護でできる支援

多発性硬化症(MS)と診断されたとき、「これからどんな生活になるのか」「再発したら家族はどうすればいいのか」と不安を抱える方は少なくありません。指定難病でありながら、適切な支援があれば自宅での生活を長く続けられる病気でもあります。この記事では、MSの基本知識から在宅療養の実際、そして訪問看護でできる具体的な支援まで、宮崎市で日々在宅療養に向き合うOUR訪問看護ステーションの視点でお伝えします。


宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応

“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします

☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時

多発性硬化症(MS)は、脳・脊髄・視神経に炎症が起きる自己免疫性の神経疾患で、再発と寛解を繰り返しながら長期間の療養を必要とする指定難病です。

多発性硬化症(Multiple Sclerosis、MS)は、中枢神経系(脳・脊髄・視神経)の髄鞘(ミエリン)が自己免疫反応によって障害され、神経伝達が妨げられる疾患です。国内の患者数は約2万人以上とされ、20〜40代の若年女性に多い傾向があります。「難病」というイメージから絶望的に感じる方もいますが、近年は疾患修飾薬(DMT)の進歩で再発頻度を大幅に抑えられるようになり、在宅で仕事や育児を続けながら療養している方も数多くいます。

MSの主な症状と特徴

MSの症状は病変部位によって多彩です。下記に主なものをまとめます。

症状のカテゴリ具体的な症状の例
視覚症状視力低下・視野欠損・眼球運動障害(複視)
運動症状筋力低下・歩行障害・痙縮(けいしゅく)
感覚症状しびれ・感覚鈍麻・電撃様疼痛
排泄障害神経因性膀胱(頻尿・尿閉)・便秘
疲労・認知症状MSファティーグ(疲労感)・記憶力低下・気分障害
体温感受性ウートフ現象(体温上昇で症状が一時的に増悪)

特に「MSファティーグ」と呼ばれる疲労感は、外見からわかりにくいため家族や職場に理解されにくく、在宅療養者を精神的に孤立させる大きな要因の一つです。OURのスタッフが訪問すると「疲れていると怠けていると思われる」と打ち明けるご利用者が少なくなく、療養環境の整備と並行して心理的サポートが欠かせないと感じています。

再発寛解型と進行型の違いを理解する

MSには主に以下の病型があり、在宅療養の計画に大きく影響します。

再発寛解型(RRMS):患者の約85〜90%が初期に該当。再発(症状の急激な悪化)と寛解(症状の落ち着き)を繰り返します。疾患修飾薬で再発を抑制しながら生活の質を維持することが主目標です。

二次進行型(SPMS):再発寛解型から移行し、症状が徐々に悪化していく病型。障害の蓄積が進むため、リハビリ・福祉用具・介護サービスとの連携がより重要になります。

一次進行型(PPMS):発症当初から進行型をたどるまれな病型。近年はオクレリズマブなど新薬が使用可能になっています。


在宅療養でMSの方が直面する3つの課題とは、再発時の急な対応・ファティーグ管理・排泄ケアの継続です。

在宅でMSを抱えて生活する方が「困っていること」として挙げることが多いのが、再発時の対応・日常的な疲労管理・排泄ケアの3点です。病院とは違い、24時間医療者がそばにいるわけではない在宅では、これらを本人・家族・医療チームで仕組みをつくって乗り越える必要があります。

課題①:再発時にどう動くか

MSの再発は予告なく起こります。朝起きたら片手がしびれている、突然視野が欠けた、という事態が現実に起きます。宮崎市でOURが関わるご利用者のケースでも、「夜中に脚の力が入らなくなった」という連絡をオンコールで受け、主治医への連絡・受診調整をサポートしたことがあります。このような緊急時の対応フローをあらかじめ明確にしておくことが在宅療養では不可欠です。

具体的には:

  • 主治医の緊急連絡先と受診の目安を紙に書いて貼っておく
  • 訪問看護ステーションのオンコール番号をすぐ取り出せる場所に置く
  • 「この症状が出たら連絡する」というサインをご利用者・家族と共有する

OURは24時間・365日オンコール体制を整えており、夜間や休日でも電話相談から状態確認、必要に応じた緊急訪問まで対応しています。

課題②:MSファティーグをコントロールする

MSファティーグは「眠れていないから疲れる」とは異なる、神経疾患特有の疲労です。午前中は動けていても午後には消耗しきってしまうことが珍しくなく、「やる気がない」と誤解されやすい症状です。

在宅では以下のようなエネルギーマネジメントが効果的です。

  • 活動のペーシング:重要な活動を午前中に集中させ、午後に休息を確保する
  • 体温管理:入浴はぬるめのお湯・短時間、夏は冷感グッズを活用する(ウートフ現象の対策)
  • 疲労日記:どの活動でどれだけ消耗するかを記録し、OTと一緒にスケジュールを組み直す

OURの作業療法士(OT)は、日常生活動作の分析と環境調整を専門としており、「どう動けばいちばん疲れずに過ごせるか」を本人と一緒に考える作業療法を訪問時に行っています。

課題③:排泄ケアの自立と継続

神経因性膀胱による頻尿・尿閉・尿漏れは、MS在宅療養者のQOLを大きく左右します。泌尿器科での評価と薬物療法が基本ですが、自己導尿(CIC)が必要になるケースも少なくありません。

訪問看護師が支援できること:

  • 自己導尿の手技指導と定期的な確認
  • 皮膚トラブル(会陰部の発赤・感染予防)の観察
  • 家族への排泄介助の指導
  • 排便コントロール(食事・水分・マッサージ・薬剤調整の連携)

訪問看護がMSの在宅療養で果たす役割は、再発の早期察知・リハビリ継続・生活全体のコーディネートです。

訪問看護はただ「状態を見に来る」だけでなく、医師・ケアマネジャー・地域の支援者をつなぐハブ機能を担います。MSのように症状が多彩で変動しやすい疾患では、「今日のいつもと違う」に気づける存在が在宅に入っていることが早期対応につながります。

訪問看護師が行う観察と医療処置

MSの方への訪問看護では、通常の観察に加えて神経症状の変動を丁寧に確認します。

  • 筋力・バランス・歩行の変化(前回訪問時との比較)
  • 視力・眼球運動の変化
  • 排尿日誌の確認と尿路感染の兆候
  • 内服薬・注射薬(インターフェロンなどの自己注射)の管理と副作用確認
  • 精神状態・うつ症状・睡眠状況のスクリーニング

PTとOTによる在宅リハビリ

OURには理学療法士(PT)と作業療法士(OT)が在籍しており、訪問リハビリを医療保険の訪問看護指示書のもとで提供しています。

PTが担う主なリハビリ:

  • 筋力低下・痙縮に対する運動療法
  • 転倒予防のバランス訓練
  • 補装具・歩行補助具の選定と練習

OTが担う主なリハビリ:

  • 上肢機能訓練(細かい手作業、書字、食事など)
  • 日常生活動作(ADL)の工夫・環境改善
  • 疲労管理(エネルギーコンサベーション技法)
  • 就労・育児など社会生活への復帰支援

OURの代表・中田富久は認定作業療法士であり、MS在宅療養者のADL評価と環境調整に特に力を入れています。「できないことを補う」だけでなく、「その方らしい生活を取り戻す」ことをゴールに設定するリハビリが、OURのアプローチの特徴です。


OUR訪問看護ステーションが宮崎でMSの在宅療養者に提供している独自の支援とは、高度処置対応・精神的サポート・家族ケアを一体で行うチームアプローチです。

OURは宮崎市を中心に国富町・高岡町・綾町まで対応しており、難病患者の在宅療養支援を得意としています。MSのご利用者支援では以下の独自の強みがあります。

高度医療処置にも対応できる体制

MSが進行した場合、在宅酸素・CV(中心静脈カテーテル)ポート管理・人工呼吸器管理が必要になることがあります。OURは在宅透析・人工呼吸器・CVポートなどの高度医療処置にも対応できる体制を整えており、「医療依存度が上がっても住み慣れた家で」という選択肢を支えます。

精神保健の専門知識を活かしたこころのケア

MSはうつ病などの精神症状を合併しやすく、診断時や再発時に強い不安・絶望感を訴える方が少なくありません。OURは精神科病院での勤務経験を持つ看護師が在籍しており、全スタッフが厚生労働省の精神保健に関する研修を修了しています。「病気への怒り」「将来への不安」を安全に話せる場をつくることも、訪問看護師の大切な仕事です。

家族へのサポートと介護負担の軽減

MS在宅療養では、配偶者や親が若くして介護者になるケースがあります。介護者の燃え尽きを防ぐために、OURでは訪問時に家族の様子も丁寧に確認し、必要に応じてレスパイト(一時的な休息)サービスの調整やケアマネジャーへの連携を行います。

また、MSは指定難病であるため、難病医療費助成制度を利用すれば医療費の自己負担を大幅に軽減できます。訪問看護の費用についても、難病の医療保険適用によって介護保険より手厚いサービスを受けられる場合があります。制度活用についての相談もOURでは受け付けています。


OUR訪問看護ステーションによるサポート体制

OUR訪問看護ステーション(宮崎市)では、看護師・PT・OTが連携してご自宅でのケアを提供します。全スタッフが厚生労働省の精神保健研修を修了しており、身体疾患から精神疾患まで幅広い対応が可能です。24時間のオンコール体制を整え、夜間・休日でも緊急対応します。

「どんな状態でもまず相談」というスタンスで、宮崎市・国富町・綾町・高岡町エリアに対応しています。ご相談はお電話(0985-77-8266)またはウェブフォームからどうぞ。

よくある質問

多発性硬化症でも訪問看護は使えますか?

使えます。MSは厚生労働省が定める「特掲診療料の施設基準等別表第七号」に該当する疾患のため、介護保険の認定を受けていなくても医療保険で訪問看護を利用できます。また、特別訪問看護指示書が交付されれば、週4日以上の訪問も可能になります。宮崎市在住であれば、OUR訪問看護ステーションへ直接お問い合わせいただくか、主治医やケアマネジャーを通じてご相談ください。費用や手続きの流れについては別記事でも詳しく解説しています。

再発と悪化の違いはどう見分けますか?

再発は「新たな炎症が起きること」で、24時間以上続く新しい神経症状の出現や既存症状の明らかな増悪を指します。一方、ウートフ現象(体温上昇による一時的な症状増悪)や疲労による一時的な症状増悪は再発ではありません。ただし、ご本人やご家族だけで判断するのは難しいため、「いつもと違う」と感じたらまず主治医か訪問看護師に連絡することをお勧めします。OURはオンコール対応をしており、夜間でも電話でご相談いただけます。

訪問リハビリと訪問看護は別々に依頼する必要がありますか?

OUR訪問看護ステーションは看護師・PT・OTが在籍しており、1か所の事業所でリハビリと看護を一体的に提供できます。主治医から「訪問看護指示書」を1枚いただければ、看護師・PT・OTがそれぞれ訪問することが可能です。状態に応じてリハビリ中心の時期、看護中心の時期と柔軟に組み合わせられるため、MS在宅療養の長期的な変化に合わせた支援が可能です。

難病医療費助成制度とは何ですか?

指定難病と診断された方が申請できる公費負担制度で、外来・入院・薬代などの医療費の自己負担に月額上限が設定されます。MSは指定難病(疾患番号13)に該当するため対象です。申請窓口は宮崎県の保健所(宮崎市の場合は宮崎市保健所)で、診断書(臨床個人調査票)と住民票等を揃えて申請します。訪問看護の費用も助成の対象となる場合があるため、費用面で不安な方はまず主治医か担当ケアマネジャーに相談してみましょう。OURでも制度の概要についてご説明できます。

再発したとき、入院しないと在宅対応は難しいですか?

症状の程度によります。軽度から中等度の再発であれば、主治医の判断のもとステロイドパルス療法の外来・訪問対応ができるケースもあります。ただし、歩行が完全に困難になった・嚥下障害が出た・呼吸状態が悪化したなど、重症の再発では入院管理が必要です。OURでは再発が疑われるサインを早期に察知し、主治医への迅速な報告・受診調整を行うことで、「入院が必要かどうか」の判断を医療チームがスムーズに行える体制をとっています。

家族が介護を負担しすぎています。どうすればいいですか?

介護者の燃え尽きは、在宅療養の継続を困難にする大きな要因です。まず、使える制度を最大限活用することをお勧めします。ヘルパーのサービス、デイサービス・デイケア、ショートステイ(短期入所)などを組み合わせて介護者が休める時間をつくることが重要です。OURの訪問時には利用者本人だけでなく家族の状況も把握し、必要であればケアマネジャーと連携してサービス調整を提案します。「限界になってから相談」ではなく、「しんどくなってきたな」と思った段階での相談が早いほどよい支援につながります。

宮崎市でMSの在宅療養を支援してくれる訪問看護ステーションを選ぶ際のポイントは?

以下の点を確認することをお勧めします。(1)難病・神経疾患の対応実績があるか。(2)PTやOTなどリハビリ職が在籍しているか。(3)24時間オンコール対応があるか。(4)高度医療処置(自己注射管理・カテーテルケアなど)に対応しているか。(5)精神的サポートや家族支援にも対応できるか。OURはこれらすべてに対応しており、宮崎市・国富町・高岡町・綾町を訪問エリアとしています。見学や事前相談も歓迎していますので、お気軽にお問い合わせください。


まとめ

  • 多発性硬化症(MS)は再発と寛解を繰り返す難病ですが、適切な支援があれば在宅での生活を長く維持できる疾患です。
  • 在宅療養では、再発時の緊急対応フロー整備・ファティーグ管理・排泄ケアが特に重要な課題となります。
  • 訪問看護は看護師による観察・医療処置からPT・OTによるリハビリまで一体的に提供でき、MS在宅療養を長期的に支える柱となります。
  • OUR訪問看護ステーション(宮崎市)は高度医療処置対応・精神保健の専門知識・家族支援を組み合わせたチームアプローチで、MSのご利用者が「わたしらしく」過ごせる在宅療養を支援しています。

今日できる一歩:主治医に「訪問看護を使えるか相談したい」と一言伝えるか、OUR訪問看護ステーションへ直接お電話いただき、まず現在の状況をご相談ください。


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参考文献一覧

  • 「多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害の診療ガイドライン 2023」(日本神経学会・日本神経免疫学会・日本神経治療学会)
  • 「難病患者への訪問看護に関する実態調査報告書」(厚生労働省)
  • 「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」(厚生労働省、2024年度改定版)https://www.mhlw.go.jp/
  • 「指定難病患者への医療等に関する法律(難病法)及び難病医療費助成制度について」(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/
  • 「多発性硬化症の疾患修飾薬と在宅療養支援」(公益財団法人 難病医学研究財団)

この記事を監修した人

OUR
TEAM

OUR訪問看護ステーション

看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。

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