「がんの末期と言われたが、介護保険は使えるのか」「要介護認定がなくても訪問看護が使えると聞いたが、本当か」——がんの在宅療養を始めようとした家族から、この質問をよく受けます。
結論から言うと、末期がんは介護保険も医療保険も両方使えます。状況に応じて有利な方を選べます。
ただし制度の仕組みが複雑なため、「どちらを使えばいいのか」が分かりにくい。この記事では、末期がんにおける介護保険と医療保険の使い分け・申請の流れ・特例制度を、OURの訪問看護師がわかりやすく解説します。
宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応
“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします
☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時
末期がんの訪問看護:「医療保険」vs「介護保険」どちらが使えるか
原則:40歳以上で介護認定があれば介護保険が優先
訪問看護の保険は原則として、介護保険の認定を受けている場合は介護保険が優先されます。
ただし、末期がんには重要な例外があります。
末期がんは「医療保険」で無制限に使える
末期がんは厚生労働省が定める「特掲診療料の施設基準等別表第7号」(別表第7疾患)の対象疾患に含まれています。この疾患に該当する場合、年齢・介護認定の有無に関わらず、医療保険の訪問看護を利用でき、訪問回数の制限がなくなります。
通常、医療保険の訪問看護は週3回まで・1事業所のみという制限がありますが、末期がんの場合はこれらの制限がすべて外れます。
介護保険も同時に使える(2事業所の場合)
末期がんの場合、医療保険の訪問看護を使いながら、介護保険でのサービス(デイサービス・訪問介護・福祉用具レンタルなど)も同時に使えます。訪問看護については、主として医療保険で対応しつつ、別の事業所が介護保険で対応することも可能です。
要介護認定がない場合でも使える?
末期がんは「要介護認定がなくても医療保険で訪問看護を使える」
末期がんの場合、要介護認定がなくても医療保険の訪問看護を使えます。これは非常に重要なポイントです。
「要介護認定を取らないといけないから、サービスを使えるのは認定後」と思っている家族が多いですが、末期がんでは認定を待たずに医療保険の訪問看護をすぐに始められます。
介護保険の「暫定ケアプラン」で認定前からサービスを開始できる
介護保険を使いたい場合も、申請中に暫定ケアプランを組むことで認定前から一部サービスを開始できます。ただし認定結果によっては自己負担が変わることがあるため、ケアマネジャーに相談のうえで進めることが大切です。
末期がんで介護認定を申請するメリット
介護認定を受けると、訪問看護以外にも以下のサービスが使えます。
| サービス | 内容 |
| 訪問介護 | 入浴・排泄・食事の介助 |
| デイサービス | 日中の預かり・機能訓練 |
| 福祉用具レンタル | 電動ベッド・車いす・歩行器など |
| 住宅改修 | 手すり設置・段差解消(1人20万円まで給付) |
| 訪問リハビリ | PT・OTの在宅リハビリ |
| 短期入所(ショートステイ) | 家族の休息・緊急時 |
末期がんであっても体力が残っている段階では、これらのサービスを組み合わせることで生活の質が大きく変わります。
末期がんの介護認定の流れ(急ぎでも申請できる)
- 申請:市区町村の窓口または地域包括支援センターに「要介護認定申請書」を提出
- 認定調査:市の職員が自宅を訪問し、心身の状態を調査
- 主治医意見書:主治医が書類を作成(申請者からの依頼は不要・市が直接依頼)
- 審査・判定:介護認定審査会で審査
- 認定通知:約30日(急ぐ場合は申請時に事情を伝えると「急を要する理由あり」として処理される場合がある)
末期がんのように状態変化が速い場合は、申請窓口に「末期がんで状態が急変する可能性がある」と伝えると、優先的に処理されることがあります。
費用の目安:医療保険と介護保険、どちらが安いか
費用は個人の状況・使うサービス・所得によって大きく異なります。一般的な目安として:
- 医療保険の訪問看護:1回あたり835〜12,830円(所得・回数・加算によって異なる)の3割負担が基本。70歳以上は1〜3割
- 介護保険の訪問看護:介護度・ケアプランのサービス量によって異なる。1割〜3割負担
末期がんの場合、医療費が高額になるため「高額療養費制度」や「高額介護合算療養費制度」を活用することで、実質的な自己負担を下げられる場合があります。
詳細は訪問看護の料金はいくら?の記事もご参照ください。
よくある質問
末期がんの認定は何要介護になりますか?
末期がんの方は、状態によって要介護2〜5が認定されるケースが多いです。ただし「末期がんだから必ずこの認定」というルールはなく、実際の心身状態・介護量によって決まります。
介護認定の申請と医療保険での訪問看護開始、どちらを先にすればいいですか?
急ぎの場合は医療保険での訪問看護を先に始めることができます。同時に介護認定の申請を進めることをおすすめします。OURが申請の流れのご説明・ケアマネジャーへのつなぎもサポートします。
ケアマネジャーはどうやって選べばいいですか?
地域包括支援センターや市区町村の窓口でリストをもらえます。末期がんの経験が豊富なケアマネジャーを紹介してもらうよう伝えることをおすすめします。OURでも地域のケアマネジャーへのつなぎができます。
末期がんで介護保険と医療保険を両方使うことはできますか?
訪問看護については、医療保険での訪問看護を使いながら介護保険のデイサービスや訪問介護などを組み合わせることができます。同じサービスを両方の保険で二重に使うことはできませんが、組み合わせは可能です。
OUR訪問看護ステーションはどんな方が利用できますか?
宮崎市・国富町・高岡町・綾町にお住まいで、主治医が訪問看護を必要と判断した方が対象です。年齢・疾患の種類を問わず、小児から高齢者まで幅広く対応しています。
訪問看護の費用はどのくらいかかりますか?
利用する保険・訪問回数・時間・疾患によって異なります。介護保険の場合は要介護度による区分支給限度基準額内で自己負担1〜3割、医療保険の場合も1〜3割です。詳細はOURにお問い合わせください。
まとめ:末期がんは制度の特例で、認定前でも使えるサービスがある
- 末期がんは医療保険の訪問看護を回数制限なく使える(別表第7疾患)
- 介護認定がなくても医療保険で訪問看護を始められる
- 介護認定を取ると、訪問介護・福祉用具・住宅改修なども使える
- 急ぎの場合は医療保険で訪問看護を開始しながら、同時に介護認定を申請できる
今日できる一歩:「何から始めればいいかわからない」という状態でも、OURに電話すれば制度の流れを一緒に整理します。一本の電話が、在宅療養の第一歩になります。
宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応
“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします
☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時
参考文献一覧
- 訪問看護に関する医療保険・介護保険の別表規定(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html
- がん対策推進基本計画(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/
次に読まれている記事
- 訪問看護の料金はいくら?:医療保険・介護保険別の費用と自己負担の目安
- 訪問看護を初めて使うときの流れ:申し込みから開始まで、手順と必要なものをわかりやすく解説
- 末期がん余命1ヶ月の症状と変化:家族が知っておきたい体の変化
- がんで自宅での看取りを選ぶには?:準備と訪問看護の役割をわかりやすく解説
- 退院後すぐに訪問看護を使うメリット:手配の流れと早めに始める理由