コラム一覧に戻る
ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

末期がんが急に悪化した|容態急変のサインと家族が今すぐすること

「昨日まで話せていたのに、今朝から反応がない」「急に呼吸が苦しそうになった」末期がんの在宅療養では、容態が急変する場面があります。

そのとき、家族は何をすればいいのか。どこに連絡するのか。救急車を呼ぶべきなのか。

混乱したまま大切な時間を過ごしてほしくない。この記事では、末期がんが急に悪化するときのサインと、家族が落ち着いて動けるための「準備」を、OURの訪問看護師がお伝えします。

宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応

“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします

☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時

末期がんの「急変」とは何か|突然起きるのではなく、予兆がある

末期がんの容態急変は、ある日突然降ってくるものではありません。多くの場合、前日・前々日から「いつもと違う」変化が重なっていることが多いです。

急変のサインを知っておくことで、「まずい」と気づいた時点で行動でき、本人が苦しむ時間を最小限にすることができます。


末期がんが急に悪化するとき見逃しやすいサイン

呼吸が速くなる・浅くなる

通常よりも明らかに呼吸が速い(1分間に25回以上)、または浅くなって肩で息をしているような状態。「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音が出る場合は、気道の分泌物が増えているサインでもあります。

急に眠れなくなる・ひどく落ち着かなくなる

「夜中に急に立ち上がろうとする」「ベッドの柵を掴んで動き回る」これはせん妄(意識の混乱)の急性発症で、末期がんの急変の前触れとして現れることがあります。

顔色・唇の色が変わる

唇や爪が紫がかってきた(チアノーゼ)、顔色が土色・青白くなってきた。これは血液の酸素濃度が下がっているサインです。

血圧が急に下がる・脈が弱くなる

脈を触ったとき、いつもより弱い・速い・不規則と感じる場合、循環動態が不安定になっている可能性があります。

反応がいつもより鈍い・呼びかけに答えない

「お父さん」と呼んでも目が開かない、いつもは頷くのに反応がない。意識レベルの低下は急変の重要なサインです。

尿量が急激に減る

排尿がほとんどない、または全くない状態が半日以上続く場合、腎機能が急激に低下していることが考えられます。


急変したとき、家族は何をする?

Step1:まず訪問看護師に電話する

救急車より先に、訪問看護師に電話してください。 特に在宅看取りを希望している場合、119番を最初に呼ぶと「変死扱い」になり、本人の望む自宅での最期が難しくなることがあります。

OURは24時間オンコール対応しています。「様子が変わった」と感じた瞬間に電話してください。状態を電話で確認し、「すぐ訪問が必要か」「在宅医師に連絡すべきか」を一緒に判断します。

Step2:本人を楽な体位にする

呼吸が苦しそうな場合は、ベッドの上部を30〜45度起こす(セミファウラー位)。仰向けのままより、上体が少し起きている方が呼吸しやすいことが多いです。

枕を活用して無理のない姿勢を保ってください。

Step3:声をかけ続ける

意識があいまいでも、聴覚は残っていることが多いです。「大丈夫だよ」「ここにいるよ」と声をかけ続けてください。家族の声は、最後まで届いています。

Step4:在宅医師への連絡を訪問看護師に任せる

訪問看護師は、状態の変化を主治医・在宅医師に報告する窓口でもあります。「先生に連絡した方がいいか?」と思ったら、まず看護師に相談してください。


急変のとき、救急車を呼ぶべきかどうか

状況判断の目安
在宅看取り希望あり・DNAR確認済み訪問看護師に電話。救急車を先に呼ばない
在宅看取り希望あり・DNAR未確認訪問看護師または在宅医師にまず連絡
本人が「病院に行きたい」と言っている在宅医師に確認してから判断
急変時の方針が何も決まっていないまず訪問看護師に相談。一緒に決める
誤嚥・窒息・骨折など別の緊急事態119番でよい

OURでは、急変時の方針を事前に確認・共有しておくことをおすすめしています。「いざというとき、どうするか」を今のうちに話し合っておくことが、本人の意思を守ることにつながります。


OURの24時間オンコール体制

OURは深夜・早朝・休日も電話で対応しています。「呼吸が変わった」「反応がない」「どうしたらいいかわからない」——そのまま電話してください。

  • 電話で状態を確認し、「今すぐ来る必要があるか」を判断
  • 必要に応じて緊急訪問
  • 在宅医師への連絡をコーディネート
  • 家族が冷静に動けるよう、電話口でそばにいる

「夜中だから遠慮した」という後悔をさせたくない。それがOURの24時間対応の理由です。


よくある質問

急変のとき、本人は痛みを感じていますか?

末期がんの急変時は、意識レベルが下がっていることが多く、激しい痛みを自覚していない状態であることがほとんどです。ただし呼吸苦(息ができないという苦しさ)は残っていることがあるため、訪問看護師・在宅医師と連携した薬剤対応が重要です。

急変の前に、何か準備しておくことはありますか?

在宅看取りを希望しているなら「DNAR(蘇生措置拒否)の意思確認」「急変時の連絡先を冷蔵庫や玄関に貼っておく」「夜間の訪問看護の連絡先を手の届く場所に置く」の3つを準備しておくと、いざというとき焦らずに動けます。

急変後、本人が息を吹き返すことはありますか?

がんの進行による急変から回復することは稀ですが、ゼロではありません。ただし末期がんの経過として急変が起きている場合、積極的な蘇生処置よりも「苦しまずに過ごすこと」を優先する選択(緩和ケア)が、本人の意思に沿っていることが多いです。事前に方針を確認しておくことが大切です。

病院に搬送すべきか、家にとどまるべきか迷っています

本人が「家にいたい」という意思を持っていた場合、急変時に救急搬送することで、ICUや救急対応の医療環境の中で最期を迎えることになる可能性があります。「家にいたい」という気持ちを尊重するなら、まず訪問看護師に連絡し、一緒に判断することをおすすめします。


まとめ:急変の「前」に知っておくことが、後悔を減らす

  • 末期がんの急変には前触れがある:呼吸変化・せん妄・チアノーゼ・反応低下
  • 急変時はまず訪問看護師に電話。救急車より先ではない(在宅看取りの場合)
  • 在宅看取り希望なら、DNAR・急変時連絡先を事前に準備しておく
  • OURは24時間電話対応。「どうすればいい?」という問いに一緒に答えます

今日できる一歩:「急変したときどうすればいいか」が頭にある今、OURに電話して急変時の方針を一緒に整理しましょう。電話一本で、不安がかなり軽くなります。


宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応

“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします

☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時

参考文献一覧

次に読まれている記事

この記事を監修した人

OUR
TEAM

OUR訪問看護ステーション

看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。