
訪問看護を使いたいと思ったとき、「医療保険と介護保険のどちらが使えるのか」と迷う方は非常に多くいます。保険の種類によって自己負担額・訪問回数・使えるサービス内容が大きく変わるため、正しく理解しておくことは家計にも療養生活にも直結します。この記事では、判断基準から手続きの流れ、OURが宮崎で実際に支援してきた事例の視点まで、分かりやすく解説します。
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訪問看護の保険適用は「年齢・要介護認定・疾患の種類」の3点で判断する
医療保険と介護保険のどちらが使われるかは、利用者の状態・年齢・要介護認定の有無によって原則が決まっています。「どちらでも好きな方を選べる」というわけではなく、条件に応じて自動的に適用される保険が決まる仕組みです。まずこの大前提を押さえることが、使い分けを理解する出発点になります。
3つの判断軸を一覧で確認する
| 判断軸 | 医療保険が優先 | 介護保険が優先 |
| 年齢 | 64歳以下(原則) | 65歳以上が多い |
| 要介護認定 | 未認定または認定外 | 要支援1〜要介護5 |
| 疾患・状態 | 厚労省告示の特定疾患・精神疾患 | 上記以外の一般的な疾患 |
この表だけを見ると「65歳以上は介護保険」と見えますが、例外があります。65歳以上であっても医療保険が適用される「特定疾患」が存在します。 次の節で詳しく説明します。
医療保険が優先される主なケース
以下に当てはまる場合は、介護保険の認定があっても医療保険での訪問看護が適用されます。
厚生労働大臣が定める疾患等(医療保険優先・週4日以上訪問可)
- 末期の悪性腫瘍(がん)
- 多発性硬化症・重症筋無力症・スモン
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
- 脊髄小脳変性症・ハンチントン病
- 進行性筋ジストロフィー症・パーキンソン病関連疾患
- 多系統萎縮症・プリオン病
- 亜急性硬化性全脳炎・ライソゾーム病
- 副腎白質ジストロフィー・脊髄性筋萎縮症
- 球脊髄性筋萎縮症・慢性炎症性脱髄性多発神経炎
- 後天性免疫不全症候群(HIV)・頸髄損傷
- 人工呼吸器を使用している状態
精神科訪問看護(医療保険適用)
認知症を除く精神疾患(統合失調症・うつ病・双極性障害・発達障害など)が主病名の場合、医療保険の「精神科訪問看護・指導料」が適用されます。OURには精神科病院での勤務経験を持つ看護師が在籍しており、全スタッフが厚生労働省の精神保健研修を修了しています。
介護保険が優先されるのは、65歳以上で要介護認定を受けている一般的なケース
65歳以上で要介護1〜5または要支援1〜2の認定を受けており、特定疾患・精神疾患に該当しない場合は、介護保険が優先されます。日常的な脳梗塞後遺症の管理・糖尿病の血糖コントロール・褥瘡ケア・フレイル予防目的のリハビリなどがこのケースに当たります。
介護保険で訪問看護を使う場合の注意点
介護保険の場合、ケアマネジャー(介護支援専門員)がケアプランを作成し、その中に訪問看護が組み込まれる流れになります。訪問看護ステーションに直接申し込んでも開始できないため、担当のケアマネジャーがいない場合はまず地域包括支援センターへ相談することが必要です。
また、介護保険には区分支給限度基準額(月額上限)があります。訪問看護・訪問介護・デイサービスなど他のサービスと合算して上限を超えると全額自己負担になるため、限度額の管理はケアマネジャーと連携して行うことが重要です。
医療保険と介護保険の主な違いを6項目で比較する
保険の種類が変わると、利用者の負担やサービス内容にどう影響するのかを整理します。
| 比較項目 | 医療保険 | 介護保険 |
| 自己負担割合 | 1〜3割(高額療養費制度あり) | 1〜3割(区分支給限度額内) |
| 訪問回数の制限 | 原則週3回まで(特定疾患等は除く) | ケアプランの範囲内(制限より柔軟) |
| 訪問時間の単位 | 30分・60分・90分など | 同様だが加算体系が異なる |
| 管理主体 | 主治医の指示書(訪問看護指示書) | ケアマネジャーのケアプラン |
| 複数ステーション | 特定疾患等は複数可(上限あり) | 原則1か所 |
| 24時間対応加算 | 機能強化型で対応 | 24時間対応体制加算 |
「両方使える」二重給付のケースも存在する
特定疾患や精神疾患に該当する場合、介護保険の認定があっても医療保険で訪問看護を利用できます。さらに、急性増悪・退院直後・特別指示書が出ている期間(連続14日以内)は、介護保険の認定があっても医療保険に切り替わるルールがあります。病院から退院してすぐの時期に「なぜ急に医療保険に変わったの?」と戸惑う利用者様やご家族の声をOURでも多く聞いてきました。この切り替えは自動で行われるものではなく、主治医が「特別指示書」を発行することで適用されます。
OUR訪問看護ステーションが宮崎で見てきた「保険選択」の実際
宮崎市は高齢化率が全国平均を上回る地域であり、介護保険を使った訪問看護の需要は年々高まっています。一方で、近年は在宅での人工呼吸器管理や在宅透析のサポートなど、医療保険が適用される高度処置を必要とする方の相談も増えています。
OURでは代表の中田富久(認定作業療法士)のもと、看護師・PT・OTが連携し、保険区分をまたいで継続的に支援できる体制を整えています。たとえば、介護保険でのリハビリ訪問(PT/OTによる機能回復)と、医療保険での医療処置管理(看護師による創傷処置・カテーテル管理など)を同時並行でコーディネートするケースも珍しくありません。
また、「帝人ファーマ みんなの訪問看護アワード2026」大賞の受賞実績が示すように、在宅での人工呼吸器を含む高度医療処置への対応力は、OURが特に力を入れている領域です。医療保険対応の特定疾患を抱える方が宮崎市内でも確実に増えており、「どの保険が使えるか」の相談から対応しています。
宮崎市で保険の判断に迷ったときの相談先
| 相談したいこと | 相談窓口 |
| 介護認定を受けていない(65歳未満) | かかりつけ医・訪問看護ステーション |
| 65歳以上で認定を受けている | 担当ケアマネジャー |
| 精神疾患の在宅支援について | 訪問看護ステーション・精神科主治医 |
| 特定疾患で在宅移行を検討中 | 退院支援看護師・訪問看護ステーション |
| 宮崎市内で総合的に相談したい | OUR訪問看護ステーション(無料相談可) |
よくある質問
Q1. 40代でがんと診断されました。医療保険と介護保険のどちらで訪問看護を使いますか?
40代であれば介護保険の認定を受ける年齢ではないため、医療保険での訪問看護が適用されます。また、末期の悪性腫瘍は65歳以上であっても医療保険が優先される「厚生労働大臣が定める疾患等」に含まれるため、仮に介護保険の認定を受けていても医療保険での訪問看護を利用できます。がんの進行状況・療養場所・症状コントロールの内容によって訪問頻度は異なりますが、週4日以上の訪問や複数ステーションの利用も認められます。まず主治医に訪問看護の必要性を相談し、訪問看護指示書を発行してもらうことが最初のステップです。
Q2. 統合失調症で在宅療養しています。訪問看護は医療保険で使えますか?
統合失調症は精神科訪問看護の対象となるため、医療保険(精神科訪問看護・指導料)での利用が可能です。ただし、認知症は精神科訪問看護の対象外となる点にご注意ください。精神科訪問看護は、服薬管理・生活リズムの調整・家族支援・再入院予防など、生活全体を支援する内容が中心です。OURには精神科病院での勤務経験を持つ看護師が在籍しており、全スタッフが厚生労働省の精神保健研修を修了しています。精神疾患をお持ちの方や「退院後の生活が心配」というご家族からのご相談も歓迎しています。
Q3. 要介護3で脳梗塞後遺症があります。医療保険での訪問看護に切り替えることはできますか?
要介護3で脳梗塞後遺症という状況は、通常は介護保険が優先されます。ただし、症状が急に悪化した場合や、肺炎などの合併症で入院後に退院した直後など、主治医が「特別訪問看護指示書」を発行した場合は、連続する14日間を限度として医療保険に切り替わります。この14日間は回数制限なく訪問でき、集中的な医療処置やケアが必要な時期に対応できます。特別指示書は月2回まで交付可能な場合があります(気管カニューレ使用・真皮を越える褥瘡がある方など)。切り替えのタイミングや手続きは担当のケアマネジャーや訪問看護ステーションに確認することを推奨します。
Q4. 訪問看護の費用は医療保険と介護保険でどちらが安いですか?
一概にどちらが安いとは言えず、利用者の所得・保険の種類・自己負担割合・利用頻度によって大きく異なります。医療保険の場合は高額療養費制度が使えるため、医療費が一定額を超えると上限が設けられます。一方、介護保険は区分支給限度額内での利用であれば1〜3割負担ですが、限度額を超えると全額自己負担です。また、交通費・材料費の扱いもステーションによって異なります。OURでは初回相談時に費用の目安を具体的にお伝えしていますので、「実際いくらかかるか不安」という方はまずお問い合わせください。詳しくは訪問看護の料金(医療保険・介護保険別)の記事もご参照ください。
Q5. 訪問看護を使いたいのですが、まず何をすればよいですか?
状況によって最初の相談先が変わります。65歳以上で要介護認定を受けている方は担当ケアマネジャーに相談し、ケアプランに訪問看護を組み込んでもらいます。まだ介護認定を受けていない65歳以上の方は、まず地域包括支援センターで要介護認定の申請を行うことを検討してください。64歳以下の方や特定疾患・精神疾患の方は、かかりつけ医か直接訪問看護ステーションに相談することで動き出せます。いずれの場合も、訪問看護の開始には主治医による「訪問看護指示書」の発行が必要です。詳しい流れは訪問看護を初めて使うときの流れをご覧ください。
Q6. 介護保険で訪問看護を利用しているとき、入院して退院した場合はどうなりますか?
退院後は主治医の判断により「特別訪問看護指示書」が発行されることがあり、その期間(最大14日間)は医療保険での訪問看護に自動的に切り替わります。退院直後は傷の処置・服薬管理・全身状態の確認など、医療的なニーズが高い時期であるため、医療保険で柔軟に対応できる仕組みになっています。14日間を過ぎると再び介護保険に戻ります。退院前には病院の退院支援看護師や担当ケアマネジャーと訪問看護ステーションが連携して移行計画を立てることが望ましく、OURでは退院前カンファレンスへの参加にも積極的に対応しています。退院後に訪問看護を使いたいの記事も参考にしてください。
Q7. 介護保険で訪問看護を使っている場合、訪問看護ステーションは複数利用できますか?
介護保険の場合、同一の訪問看護は原則1つのステーションのみが担当します。ただし、「看護とリハビリを異なるステーションで」という形は実際には認められておらず、同一ステーション内で看護師とPT/OTが担当することが一般的です。一方、医療保険の場合は、主治医が認めれば複数ステーションの同時利用が可能な場合があります(特に特定疾患等の方)。OURは看護師・PT・OTが同一ステーション内にいるため、複数事業所の調整が不要で、情報共有がスムーズというメリットがあります。
まとめ
- 訪問看護の保険適用は「年齢・要介護認定の有無・疾患の種類」の3点で決まり、自分で自由に選択できるものではない。
- 65歳以上で要介護認定があれば介護保険が原則だが、特定疾患・精神疾患・退院直後などの場合は医療保険が優先または切り替わる。
- 医療保険と介護保険では自己負担・訪問回数・管理のしくみが異なるため、保険区分を正しく把握することが療養計画の土台になる。
- 宮崎市でどちらの保険を使うべきか判断に迷ったときは、訪問看護ステーションへ直接相談することで最短で答えが得られる。
今日できる一歩:かかりつけ医または担当ケアマネジャーに「今の状態では医療保険と介護保険のどちらで訪問看護を使えますか?」と確認の連絡を取ってみましょう。OUR訪問看護ステーションでも無料でご相談に応じています。
次に読まれている記事
- 訪問看護を初めて使うときの流れ:保険の確認から訪問開始まで何をすればよいかを解説
- 訪問看護の料金(医療保険・介護保険別):自己負担の目安・加算の仕組みを保険別に詳しく紹介
- 退院後に訪問看護を使いたい:退院直後の医療保険切り替えや手続きの流れを解説
- 宮崎市で訪問看護おすすめの選び方:宮崎市内のステーション選びで確認すべきポイントをまとめた記事
- 介護認定の申請方法と流れ:介護保険を使う前提となる要介護認定の取り方をわかりやすく解説
参考文献一覧
- 「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」(厚生労働省)
- 「介護保険法に基づく訪問看護の基準について」(厚生労働省)
- 「精神科訪問看護・指導料の算定要件」(診療報酬点数表、厚生労働省)
- 「訪問看護ステーションの現状と課題に関する調査研究」(日本訪問看護財団)
- 「令和6年度診療報酬改定 訪問看護関連」(厚生労働省、https://www.mhlw.go.jp/)
- 「令和6年度介護報酬改定について」(厚生労働省、https://www.mhlw.go.jp/)
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