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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

第5章 利用開始業務 ~利用者さんを安心して迎えるために~


 

Lesson 0 第5章 利用開始業務

~利用開始までの全体像を知ろう~

学習目標

このLessonでは、新規利用者さんの依頼から初回訪問までの全体の流れを理解します。

この先のLessonで何を学ぶのか、そして事務員がどのような役割を担うのかをイメージできるようになることがゴールです。

この章は10章まであり他の章に比べかなりボリュームがあります。

Lessonと実務を行ったり来たりすることでイメージが深まると思います。

はじめに

利用開始業務とは、単に書類を準備する仕事ではありません。

一人の利用者さんが安心して訪問看護を始められるよう、多くの関係者をつなぎ、必要な情報を整理し、準備を整える仕事です。

利用者さんやご家族にとっては「新しい生活のスタート」、現場スタッフにとっては「安全な訪問の準備」です。

その中心にいるのが、事務員です。

利用開始までのロードマップ

ここでは大きな流れだけを見てみましょう。

このロードマップが、第5章の「地図」です。

各Lessonでは、この流れに沿って一つずつ学んでいきます。

この章で登場する主な関係者

利用開始業務では、さまざまな職種と連携します。

  • 👤 利用者さん・ご家族
  • 🩺 主治医
  • 📋 ケアマネジャー(居宅介護支援専門員)
  • 🏥 病院(退院支援看護師・医療ソーシャルワーカーなど)
  • 👩‍⚕️ 看護師・療法士(リハビリ)
  • 💼 訪問看護ステーション事務員

事務員は、それぞれの関係者をつなぎながら、利用開始がスムーズに進むよう調整します。

この章のゴール

第5章を終える頃には、次の3つができるようになることを目指します。

  • 利用開始までの全体の流れを説明できる。
  • 各工程で事務員が担う役割を理解している。
  • 「今どの工程にいるか」「次に何をするか」を考えながら業務を進められる。

学習資料(ダウンロード)

このLessonでは、次の資料を用意します。

  • ① 訪問看護 利用開始ロードマップ(A3・フローチャート)
  • ② 利用開始に関わる職種と役割一覧
  • ③ 第5章 学習チェックシート 


 

Lesson1 利用依頼を受ける 

~利用開始は一本の電話から始まる~

🎯 このLessonのゴール

このLessonを終える頃には、

  • 利用依頼がどのように始まるかを説明できる
  • 利用依頼で確認すべき内容が分かる
  • 落ち着いて利用依頼を受けられる

ようになることを目指します。

はじめに

訪問看護の利用開始は、ほとんどの場合一本の電話から始まります。

電話の相手は、

「退院する患者さんをお願いしたい。」

「利用者さんをご紹介したい。」

「訪問看護を利用できますか?」

と相談されます。

この電話が、その利用者さんとの最初の出会いです。

事務員は”受付”ではありません。

利用開始の第一走者です。

ここで正確に情報を受け取り、次につなぐことが、安心した利用開始につながります。

 


 

STEP1

まずは落ち着いて話を聞く

電話が鳴ると、

「何を聞けばいいんだろう」

と焦ってしまいます。

でも大丈夫です。

まずは、

最後まで話を聞くこと。

これが一番大切です。

メモを取りながら、

「利用開始の相談なんだな」

という全体像を理解しましょう。

 


 

STEP2

利用依頼は誰から来るの?

利用依頼は様々な方から届きます。

💡 Point

誰からの依頼なのかで、あとから確認する相手が変わります。

そのため、「どなたからのお電話でしょうか?」は最初に確認しましょう。


 

STEP3 最初の電話で確認すること

全部覚える必要はありません。

受付票に沿って確認すれば大丈夫です。

ダウンロードはこちら

利用者情報:□ お名前 □ 生年月日・年齢 □ ご住所 □ 電話番号

医療情報:□ 主治医 □ 病名 □ 入院中か在宅か □ 退院予定日

希望内容:□ 看護 □ リハビリ □ 両方

その他:□ ケアマネジャー □ 緊急性 □ 希望開始日

💡 Point

聞き漏れがあっても構いません。

不足している情報は、あとから確認できます。

大切なのは、「何が分かっていて、何がまだ分からないか」を整理することです。

 


 

STEP4 自分だけで判断しない

ここで新人さんが一番やってしまう失敗があります。

それは…

「できます。」

と言ってしまうこと。

利用開始できるかどうかは、管理者やチーフらが判断します。

そのため、電話では

「ありがとうございます。内容を確認し、担当者よりご連絡いたします」

とお伝えすれば十分です。

 


 

OURではこうしています

📞 利用依頼の電話

📝 利用開始受付票へ記入

👩‍⚕️ 管理者へ共有

📅 受け入れ可否を確認

📞 折り返し連絡

この流れを基本としています。

 


 

よくある失敗

❌ 受け入れできると返事をしてしまう

❌ 相手の名前を書いていない

❌ 電話番号を書き忘れる

❌ 緊急性を確認していない

❌ 管理者へ伝え忘れる


このLessonのまとめ

利用開始は一本の電話から始まります。

最初に必要なのは、専門知識ではありません。

落ち着いて話を聞き、必要な情報を正確に受け取り、次につなぐことです。

事務員の丁寧な対応が、利用者さんや紹介元の安心につながり、その後の利用開始をスムーズに進める第一歩となります。


🎯 実践トレーニング(Challenge)

🎧 パターン① 病院(退院支援看護師)

難易度 ☆☆☆

「〇〇」聞き忘れていませんか? ヒント〇〇番号。

🎧 パターン② ケアマネジャー

難易度 ★★★ 

他の話につられませんでしか? 訪問するスタッフの条件などなかったですか?

🎧 パターン③ ご家族

難易度 ★★★★★ 激ムズ

「答えること」よりも、 「安心して話を聞き、必要な情報を整理して次につなぐこと」を意識しましょう。

 


Lesson2 利用者情報を整理する 

~情報を「集める」から「使える」情報へ~

このLessonのゴール

  • 利用開始に必要な情報を整理できる
  • 情報の不足に気づける
  • 初回訪問につながる情報整理ができる

このLessonでは電話で聞いた内容を「受付票に書く」だけでは終わりません。

「この情報で訪問できるだろうか?」

という視点で整理していきます。

ここからが事務員の本当の仕事になります。


はじめに

電話で利用依頼を受けたら、それで終わりではありません。

受け取った情報を整理し、「何が分かっていて」

「何がまだ分からないのか」

を明確にすることが事務員の仕事です。

情報が整理されていれば、管理者も迅速に受け入れの判断ができます。

看護師や療法士も安心して初回訪問の準備ができます。

つまり、情報整理とは、チーム全員が安心して動くための準備です。


STEP1 受付票を見直す

まず受付票を見返します。

ここで確認するのは、

「書いてあるか」ではありません。「必要な情報がそろっているか」

です。


STEP2 情報を分類する

受付票の情報を4つに分けて考えます。

項目内容
基本情報氏名・住所・年齢・連絡先
医療情報主治医・病名・入退院状況
介護情報ケアマネジャー・介護保険・利用サービス
希望内容看護・リハ・開始希望日・相談内容

💡 Point

情報を分類すると、不足している情報が見つけやすくなります。


STEP3 不足している情報を確認する

受付票を見ながら、

「訪問するために必要な情報」が足りているか確認します。

例えば…

□ 生年月日

□ 保険情報

□ 指示書の有無

□ ケアマネジャー

□ 緊急連絡先

□ 利用開始希望日

などです。


STEP4 緊急性を確認する

ここで忘れてはいけないことがあります。

それは、

「急ぎの利用なのか」

ということです。

例えば、

  • 今日退院した
  • 明日から医療処置が必要
  • 点滴や在宅酸素が必要

このような場合は、優先して管理者へ報告します。


STEP5 管理者へ申し送る

情報が整理できたら、管理者へ報告します。

ポイントは、受付票をそのまま読むことではありません。

要点を整理して伝えることです。

例えば、LINEワークスで

「新規依頼

宮崎中央病院からです。

山田花子様、84歳女性。

来週水曜日退院予定。

主治医は田中先生。

看護とリハ希望です。

ケアマネはケアプランセンターてるの佐々木様です」

このように伝えることで、管理者はすぐに受け入れの判断の準備ができます。


OURではこうしています

📞 利用依頼受付

📄 受付票作成

🔍 情報整理

👩‍⚕️ 管理者へ報告

📋 受け入れ可否を判断


よくある失敗

❌ 受付票を書いただけで終わる

❌ 不足情報に気付かない

❌ 緊急性を確認しない

❌ 情報を整理せず、そのまま管理者へ渡す

❌ 自分で判断してしまう


このLessonのまとめ

  • 情報は「集める」だけではなく、「整理する」ことが大切です。
  • 不足している情報を把握し、必要に応じて確認しましょう。
  • 管理者が判断しやすいよう、要点をまとめて申し送りを行いましょう。


🎯 Challenge 「この情報で初回訪問できますか?」

Challenge1〜3で使用した受付票を見ながら、

次の項目をチェックしてみましょう。

□ 利用者情報はそろっているか

□ 医療情報は十分か

□ 保険情報は確認できているか

□ 緊急性は分かるか

□ 初回訪問の日程調整ができる情報はあるか

□ 管理者へ申し送りできる状態になっているか

💡 Challengeのポイント

「受付票を埋めること」ではなく、「次の人が安心して動ける情報になっているか」を意識しましょう。


Lesson3 受け入れ可否を確認する

~安心して訪問できる体制を整える~

🎯 このLessonのゴール

このLessonを終える頃には、

  • 受け入れ可否を判断する流れが分かる
  • 何を確認して受け入れを判断するのか理解できる
  • 事務員と管理者、それぞれの役割を説明できる

ようになることを目指します。


はじめに

利用依頼があったからといって、すべての利用者さんを受け入れられるわけではありません。

利用者さんへ安心・安全なサービスを提供するためには、現在の体制で対応できるかを確認する必要があります。

この判断を行うのが、管理者らです。

事務員は、その判断に必要な情報を整理し、管理者へ正確に伝える役割を担います。


STEP1 対応エリアを確認する

まず確認するのは、

訪問できる地域かどうかです。

例えば、

  • 宮崎市内
  • 清武町周辺
  • 国富町
  • 綾町

など、

事業所の訪問可能エリアを確認します。


STEP2

空き状況を確認する

次に、現在の訪問枠を確認します。

例えば、

曜日午前午後
×

希望曜日や時間帯に対応できるかを確認します。


STEP3 必要なサービスを確認する

利用者さんは何を希望しているでしょうか。

□ 看護

□ リハビリ

□ 看護+リハビリ

□ 精神科訪問看護

□ 医療処置

必要なサービスと、対応できるスタッフがいるかを確認します。


STEP4 特別な対応が必要か確認する

利用者さんによっては、

専門的な対応が必要になることがあります。

例えば、

  • 在宅酸素療法
  • 点滴管理
  • ストーマ管理
  • 腹膜透析
  • 精神科訪問看護
  • 小児訪問看護
  • 難病

このような場合は、経験のあるスタッフが対応できるかを確認します。


STEP5 管理者が受け入れを判断する

ここまでの情報をもとに、管理者が受け入れ可否を判断します。

事務員は、

「受け入れできます。」

とは答えません。

判断は管理者が行います。


OURではこうしています

📞 利用依頼受付

📄 情報整理

📍 エリア確認

📅 空き状況確認

👩‍⚕️ 管理者へ相談

✅ 受け入れ決定

📞 依頼元へ返答


よくある失敗

❌ 空き状況だけで判断してしまう

❌ エリアを確認していない

❌ 必要なサービスを確認していない

❌ 「大丈夫です」と返事をしてしまう

❌ 管理者へ相談せず進めてしまう


このLessonのまとめ

  • 利用依頼があっても、受け入れ可否の確認は必ず必要です。
  • 事務員は判断する人ではなく、判断に必要な情報を整理して管理者へつなぐ役割です。
  • 利用者さんに安全なサービスを提供するために、チーム全体の体制を確認することが大切です。

🎯 Challenge 「受け入れできますか?」

3つのケースを見て、

管理者へ確認すべきポイントを考えてみましょう。

Case1

宮崎大瀬町・看護のみ・来週開始希望

Case2

国富町・看護+リハビリ・週4回希望

Case3

宮崎市清武町・腹膜透析・毎日訪問希望

「受け入れられるか」を答えるのではなく、

**『管理者に何を確認する必要があるか』**を書き出してみましょう。

💡 Challengeのポイント

「受け入れを判断する」のではなく、「判断に必要な情報をそろえる」ことが事務員の役割です。


Lesson4 「決めること」ではなく、「決断を支えること」。

~判断に必要な情報をそろえる~

🎯 このLessonのゴール

このLessonを終える頃には、

  • 管理者が何を判断しているのか理解できる
  • 判断に必要な情報を整理できる
  • 管理者へ分かりやすく申し送りができる

ようになることを目指します。


はじめに

利用依頼を受け、情報を整理し、受け入れ可否を確認したら、次は管理者へ申し送ります。

しかし、受付票をそのまま渡せば良いわけではありません。

管理者は限られた時間の中で、

  • 受け入れられるか
  • 誰が担当するか
  • いつ開始するか

を判断しています。

そのため、事務員は管理者が必要とする情報を整理し、分かりやすく伝えることが大切です。

事務員の役割は、「決断すること」ではなく、「決断を支えること」です。


STEP1 管理者は何を判断しているのか

まずは、管理者が何を決めているのかを理解しましょう。

管理者が判断すること判断材料
受け入れ可能かエリア・スタッフ体制・専門性
誰が担当するか病状・経験・相性・資格
いつ開始するか退院日・緊急性・空き状況
初回訪問の体制同行の必要性・訪問時間・関係者の予定

💡 Point

事務員は、この判断に必要な情報を集めることが役割です。


STEP2 判断材料を整理する

受付票を見ながら、

管理者が知りたい情報を整理します。

📋 管理者が判断するために必要な情報

分類確認する内容なぜ必要か
👤 利用者情報氏名・年齢・住所利用者の基本情報を把握するため
🩺 医療情報主治医・病名・入退院状況・必要な医療処置必要な看護・リハビリや専門的な対応を判断するため
🏠 希望内容看護・リハビリ・希望開始日・利用目的利用者・ご家族の希望に沿ったサービスを検討するため
🤝 関係者ケアマネジャー・ご家族・病院担当者・主な連絡先関係者との連携や連絡体制を整えるため
📍 現場情報訪問エリア・空き状況・担当候補・同行の必要性安全かつ円滑に訪問を開始できる体制を整えるため


STEP3 要点をまとめて申し送る

管理者は長い説明より、要点が整理された報告を求めています。

⭕️ 良い申し送り例

「○○病院からの新規依頼です。

山田花子様、84歳女性。

来週水曜日退院予定。

看護とリハビリ希望です。

主治医は田中先生。

ご家族は木曜日午後の同席が可能です。

ケアマネジャーは佐々木様です。」

このように整理して伝えることで、管理者はすぐに判断へ移ることができます。


OURではこうしています

利用依頼受付
   ↓
受付票作成
   ↓
情報整理
   ↓
管理者へ申し送り
   ↓
管理者が判断
   ↓
事務員が関係者へ連絡


よくある失敗

❌ 受付票を渡すだけで終わる

❌ 必要な情報が抜けたまま報告する

❌ 話が長くなり、要点が伝わらない

❌ 自分の考えを加えてしまう

❌ 管理者へ確認せず進めてしまう


このLessonのまとめ

事務員は管理者の代わりに判断することはありません。

大切なのは、管理者が安心して判断できるよう、必要な情報を整理し、正確に伝えることです。

その積み重ねが、利用者さんへ安全で質の高い訪問看護を届けることにつながります。


🎯 Challenge

あなたが管理者なら、この情報だけで判断できますか?

受付票を見ながら考えてみましょう。

ケース

  • 82歳・男性
  • 心不全
  • 来週退院予定
  • 看護・リハビリ希望
  • エリア内
  • 希望開始日は退院翌日

受付票を見て、「管理者が判断するためにまだ必要な情報」を3つ挙げてみましょう。

💡 Challengeのポイント

「伝えること」を目的にするのではなく、「管理者が判断できる状態をつくること」を意識しましょう。

🌱 このLessonで身につく力

支援・調整力

必要な情報を整理し、管理者や現場スタッフが安心して判断・行動できる環境をつくる力。


Lesson5 利用開始の準備を進める

~管理者の決定を「利用開始」へつなげる~

🎯 このLessonのゴール

このLessonを終える頃には、

  • 管理者の決定後に行う事務業務を理解できる
  • 利用開始までに必要な準備を説明できる
  • 優先順位を考えながら業務を進められる

ようになることを目指します。


はじめに

管理者が受け入れを決定したら、利用開始までにやることが一気に増えます。

このとき、一つずつ終わらせていくのではなく、

複数の準備を同時に進める

ことが大切です。

事務員は、利用開始までのスケジュールを管理する

「進行役」

になります。


STEP1 利用開始までに必要な準備を確認する

まずは、

何を準備しなければならないかを整理します。

準備すること主な担当
初回訪問日の調整事務員
契約日時の調整事務員
訪問看護指示書の確認・依頼事務員
必要書類の確認事務員
担当スタッフへの共有管理者・事務員
システム登録事務員

💡 Point 「終わったら次へ」ではなく、「同時進行」で進めることを意識しましょう。


STEP2 優先順位を考える

すべてを一度に進めることはできません。

例えば、

優先度 高 ⭐️⭐️⭐️

  • 指示書
  • 初回日程
  • 担当スタッフ

優先度 中 ⭐️⭐️

  • 契約書類
  • システム登録

優先度 低 ⭐️

  • ファイル作成
  • ラベル作成

※ ファイルやラベルは空き時間に予備を作っておくと良いです!

優先順位を考えながら進めます。


STEP3 関係者へ連絡する

利用開始に向けて、関係者へ連絡します。

例えば、

  • 利用者・ご家族
  • ケアマネジャー
  • 病院
  • 主治医
  • 担当スタッフ

必要な人へ、必要なタイミングで、

必要な情報を伝えます。


STEP4 利用開始チェックリスト

最後に、漏れがないか確認します。

□ 初回日程決定

□ 契約日決定

□ 指示書

□ ケアプラン

□ 担当決定

□ 関係者連絡

□ システム登録


OURではこうしています

管理者が受け入れを決定したら、受付票を閉じるのではありません。

そこから

「利用開始チェックリスト」

を使い、

一つずつ確認しながら準備を進めています。

これにより、

「指示書が届いていない」

「ケアマネへ連絡していない」

などのミスを防いでいます。


よくある失敗

❌ 指示書を待ってから動き始める

❌ 契約日だけ決めて満足する

❌ 担当スタッフへ伝え忘れる

❌ 利用者へ最終確認をしていない

❌ 一人で抱え込んでしまう


このLessonのまとめ

利用開始は、一つの作業ではありません。

多くの準備を並行して進めながら、

利用者さんが安心して初回訪問を迎えられるよう支えることが事務員の役割です。


🎯 Challenge

あなたなら何から始めますか?

管理者から

「受け入れOKです。」

と言われました。

次の6つの業務があります。

  • 指示書確認
  • 初回訪問日調整
  • 契約日調整
  • ケアマネへ連絡
  • 担当スタッフへ共有
  • システム登録

どの順番で進めますか?

理由も考えてみましょう。


💡 Challengeのポイント

「作業をこなす」のではなく、「利用開始を止めないために何を優先すべきか」を考えましょう。

利用開始ToDoボードをダウンロードして進捗を管理しよう!


Lesson6 関係者へ情報を共有する

~チーム全員が同じ情報で動けるように~

🎯 このLessonのゴール

このLessonを終える頃には、

  • 利用開始前に誰へ情報共有するか理解できる
  • 共有する内容を整理できる
  • 情報共有の重要性を説明できる

ようになることを目指します。

はじめに

利用開始の準備が整っても、

関係者へ正しく情報が伝わっていなければ、

安心して初回訪問を迎えることはできません。

例えば、

  • 「訪問時間を知らなかった。」
  • 「担当者が変わったことを知らなかった。」
  • 「駐車場所が分からなかった。」

こうした行き違いは、小さなことのようで利用者さんやご家族の不安につながります。

事務員の役割は、

「知っている情報」を「必要な人へ、必要なタイミングで届けること」です。


STEP1 誰へ情報共有するのか

利用開始前には、多くの関係者と情報を共有します。

共有先主な共有内容
👩‍⚕️ 担当看護師・療法士初回訪問日時・利用者情報・注意事項
📋 ケアマネジャー利用開始日・担当者・初回訪問予定
🏥 病院・医療機関利用開始日の報告(必要時)
👤 利用者・ご家族訪問日時・担当者・持参物・当日の流れ


STEP2 何を共有するのか

共有内容は相手によって異なります。

例えば担当スタッフには、

  • 利用者情報
  • 病名
  • 主治医
  • 注意事項
  • 駐車場所
  • 緊急連絡先

利用者・ご家族には、

  • 訪問日時
  • 担当スタッフ
  • 契約について
  • 当日の流れ

などを伝えます。


STEP3 正確な情報を共有する

情報共有で大切なのは、

「早く伝えること」よりも「正確に伝えること」です。

日時や担当者を間違えてしまうと、

現場だけでなく利用者さんにも迷惑をかけてしまいます。

送信前・電話を切る前に、必ず内容を確認しましょう。


STEP4 情報共有後の確認

共有したら終わりではありません。

  • 相手に伝わったか
  • 日程に変更はないか
  • 必要な対応は完了したか

最後まで確認することが大切です。


OURではこうしています

管理者決定
   ↓
担当スタッフへ共有
   ↓
ケアマネジャーへ連絡
   ↓
利用者・ご家族へ最終確認
   ↓
初回訪問

よくある失敗

❌ スタッフだけに共有してしまう

❌ 利用者への最終確認を忘れる

❌ ケアマネジャーへ開始日の連絡漏れ

❌ 変更があったのに共有していない

❌ 「伝えたつもり」で終わってしまう


このLessonのまとめ

情報共有は、単なる連絡ではありません。

チーム全員が同じ情報を持ち、安心して利用開始を迎えるための大切な仕事です。

事務員が正確に情報をつなぐことで、利用者さん、ご家族、現場スタッフ、関係機関が安心して動くことができます。


🎯 Challenge

この情報、誰に伝えますか?

次の内容について、「誰へ」「何を」共有するか考えてみましょう。

  • 初回訪問日時が決定した
  • 担当看護師が変更になった
  • 退院日が1日延期になった
  • 駐車場所が変更になった
  • 利用者から「午前中に来てほしい」と連絡があった

💡 Challengeのポイント

「自分が知っている」ではなく、「必要な人全員が知っている」状態を目指しましょう。

補足資料

📋 情報共有マトリックス ~誰に、何を、いつ共有するのか~

共有する情報利用者・家族ケアマネ病院・医師担当看護師・療法士事務員
利用開始の可否
初回訪問日時
担当スタッフ
退院日の変更
主治医・指示書情報
ケアプラン・サービス内容
契約日時
駐車場所・訪問時の注意点
緊急連絡先
利用開始後の報告

●・△・- の見方

記号意味
必ず共有する
必要に応じて共有する
原則共有不要

はじめはこのような表を使って状況を管理してゆくと、自然と全体の流れが頭の中でイメージできるようになります。


Lesson7 初回訪問前の最終確認

~安心して送り出す最後の確認~

🎯 このLessonのゴール

このLessonを終える頃には、

  • 初回訪問前に確認すべき事項を説明できる
  • 確認漏れを防ぐポイントを理解できる
  • 現場スタッフが安心して訪問できる準備ができる

ようになることを目指します。


はじめに

利用開始前日、あるいは当日。

ここが事務員にとって最後の確認です。

「たぶん大丈夫。」

ではなく、

「確認したから大丈夫。」

と言える状態をつくることが大切です。

小さな確認漏れが、

利用者さんの不安や現場スタッフの負担につながることもあります。

安心して初回訪問へ送り出すために、最後まで丁寧に確認しましょう。


STEP1 初回訪問日時を確認する

まず確認するのは、訪問日時に変更がないかです。

確認する内容

  • 日付
  • 時間
  • 担当スタッフ
  • 同行者
  • 訪問場所

STEP2 必要書類を確認する

初回訪問で必要な書類がそろっているか確認します。

確認する書類チェック
契約書類一式
重要事項説明書
訪問看護指示書
ケアプラン(必要時)
保険証・受給者証


STEP3 現場スタッフへの最終共有

訪問スタッフへ、必要な情報が伝わっているか確認します。

例えば

  • 利用者情報
  • 病状
  • 注意事項
  • 駐車場所
  • 緊急連絡先
  • ご家族の同席有無


STEP4 利用者・ご家族へ最終確認

必要に応じて、利用者さんやご家族へ最終確認を行います。

例えば、

  • 訪問日時
  • 担当者
  • 駐車場所
  • インターホン
  • ペットの有無

安心して当日を迎えていただけるようにしましょう。


OURではこうしています

初回前日

   ↓

最終チェックリスト確認

   ↓

担当スタッフへ共有

   ↓

利用者へ最終確認(必要時)

   ↓

初回訪問


よくある失敗

❌ 日時変更が共有されていない

❌ 指示書がファイルに入っていない

❌ 駐車場所を確認していない

❌ 同席者を把握していない

❌ 「確認したつもり」で終わってしまう


このLessonのまとめ

初回訪問前の最終確認は、

ミスを探すためではありません。

利用者さん、ご家族、現場スタッフが安心して初回訪問を迎えられるようにするための大切な確認です。

「最後の確認」が、安心と信頼につながります。


🎯 Challenge 初回訪問前チェック

次の項目のうち、初回訪問前に必ず確認したいものへチェックを入れてください。

□ 訪問日時

□ 担当スタッフ

□ 指示書

□ 契約書類

□ 駐車場所

□ 緊急連絡先

□ ご家族の同席

□ 保険証

💡 Challengeのポイント

「忘れ物がないか」ではなく、「安心して送り出せるか」を基準に確認しましょう。


Lesson8 利用開始後の事務業務

~利用開始はゴールではなく、新しいスタート~

🎯 このLessonのゴール

このLessonを終える頃には、

  • 利用開始後に行う事務業務を理解できる
  • 継続して管理すべき内容を説明できる
  • 次につながる事務業務の重要性を理解できる

ようになることを目指します。

はじめに

初回訪問が終わると、利用開始業務も終わったように感じるかもしれません。

しかし、

事務員の仕事はここからも続きます。

利用開始後も、正確な情報管理や書類管理を行うことで、

利用者さんが安心して訪問看護を継続できる環境を支えています。


STEP1 初回訪問が完了したことを確認する

まず確認することは、初回訪問が予定どおり終了したかです。

例えば

  • 訪問完了
  • 契約完了
  • 書類回収
  • トラブルの有無

などを確認します。


STEP2 書類を整理する

契約後は、回収した書類を整理します。

例えば

  • 契約書
  • 同意書
  • 保険証コピー
  • 指示書
  • ケアプラン

保管漏れがないよう確認します。


STEP3 電子カルテ・台帳を更新する

利用開始後は、情報を最新の状態へ更新します。

例えば

  • 利用開始日
  • 担当者
  • 保険情報
  • 主治医
  • ケアマネジャー

などを確認します。


STEP4 継続して管理する

利用開始後も、事務員が管理する内容はたくさんあります。

例えば

  • 指示書更新
  • 保険証更新
  • 医療証更新
  • 契約変更
  • 利用終了

利用開始は、

管理業務のスタートでもあります。


OURではこうしています

初回訪問

   ↓

書類確認

   ↓

電子カルテ更新

   ↓

台帳更新

   ↓

継続管理開始


よくある失敗

❌ 初回訪問が終わったと思って安心してしまう

❌ 契約書の保管漏れ

❌ 保険情報の更新忘れ

❌ 指示書更新日の管理漏れ

❌ 利用開始日の入力漏れ


このLessonのまとめ

利用開始は、

利用者さんとの新しい関係の始まりです。

事務員は、

継続的な情報管理を通して、

利用者さんと現場スタッフを支え続けます。

目立つ仕事ではありませんが、

この積み重ねが、

安心・安全な訪問看護につながります。


🎯 Challenge 利用開始後に確認すること

初回訪問が終わりました。あなたなら、

翌日までに確認・対応したいことを書き出してみましょう。

例)

□ 契約書は回収できているか

□ 電子カルテは更新したか

□ 保険情報は登録したか

□ 指示書は保管したか

□ 次回訪問予定は確認できているか

💡 Challengeのポイント

「利用開始して終わり」ではなく、「安心して継続利用できる環境づくり」が事務員の仕事です。


🎓 第5章のまとめ

あなたが学んだこと

この章では、

利用依頼の電話から利用開始後の事務業務まで、一連の流れを学びました。

事務員の役割は、単に電話を受けたり書類を準備したりすることではありません。

必要な情報を集め、整理し、管理者や現場スタッフ、利用者さんやご家族をつなぎながら、安心して訪問看護を開始・継続できる環境を整えることです。

利用開始は、一人ではできません。

多くの人が関わるからこそ、事務員の正確な仕事がチーム全体を支えています。