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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

転んで立てなくなった。高齢者の転倒後の対処と在宅での転倒予防を解説

「トイレに行こうとして転んだ」「何もないところでつまずいた」「立ち上がろうとしたら膝から崩れた」。高齢者の転倒は、「ちょっとした転び方」でも骨折・頭部打撲・その後の廃用症候群へとつながる、決して軽視できない出来事です。

日本では65歳以上の約3人に1人が年1回以上転倒するとされています(国立長寿医療研究センター)。転倒した後の初動対応と、次の転倒を防ぐための環境整備・体づくりが、在宅生活の継続に直結します。

宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応

“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします

☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時

転倒直後の対処:まずやること・やってはいけないこと

転倒を発見したとき・転倒直後に家族がすべきことを順番に説明します。

やってはいけないこと:すぐに立たせる

転倒直後に「大丈夫?立って」と急いで立ち上がらせることは危険です。骨折がある場合に動かすと転位(骨のズレ)が悪化します。まず状態を確認してから動かしてください。

転倒直後の確認手順

  1. 意識の確認:「聞こえますか?名前を言えますか?」と声をかける。反応がなければ即119番
  2. 頭部打撲の確認:頭・首を打ったか確認。嘔吐・意識の変化があれば救急搬送
  3. 骨折の可能性を確認:以下のサインがあれば動かさずに救急・主治医に連絡

– 股関節・足・腕に激しい痛みがある – 左右で足の長さが違う(大腿骨頸部骨折のサイン) – 変形している・腫れている

  1. 痛みがなく動けそうであれば:ゆっくりと本人のペースで起き上がりを介助する

24〜48時間以内の観察

頭を打った場合は、24〜48時間後に「頭蓋内出血(硬膜下血腫)」が起きることがあります。

  • 頭痛が強くなっていく
  • 嘔吐する
  • 意識がぼんやりする・話しかけても反応が鈍い
  • 片側の手足が動きにくい

これらのサインが出たら即救急搬送してください。


なぜ高齢者は転倒しやすいのか。原因を知ることが予防の第一歩

内的要因(体の変化)

要因具体的な変化
筋力低下特に下肢の筋力(大腿四頭筋・ふくらはぎ)が落ちる
バランス機能の低下感覚神経・前庭機能の衰え
視力低下段差・障害物が見えにくくなる
起立性低血圧立ち上がったときに血圧が下がりふらつく
薬の副作用睡眠薬・降圧薬・抗不安薬などがふらつきを起こす
認知機能の低下危険を認識できず、不安定な動きをする

外的要因(環境)

  • 段差(敷居・浴室の縁・玄関の上がりかまち)
  • 滑りやすい床(浴室・廊下の水濡れ)
  • 不安定な家具(キャスター付き椅子・滑るマット)
  • 暗い廊下・夜間のトイレ動線
  • 適切でない靴下・スリッパ(滑り止めなし)

在宅での転倒予防:環境と体の両面から

環境を整える

最も転倒が多い場所:トイレ・浴室・玄関・寝室からトイレへの動線

  • 廊下・トイレ・浴室に手すりをつける(介護保険の住宅改修で最大20万円の補助)
  • 段差をなくす(スロープ化・段差解消マット)
  • 夜間の足元灯をつける(センサーライトが便利)
  • 滑り止めマットをトイレ・浴室の床に敷く
  • 不安定な家具・ラグを撤去する
  • 本人がよく使う椅子・ベッドの高さを最適化する

体を鍛える

転倒予防に最も効果的な運動は「バランス練習+下肢筋力強化」の組み合わせです。

運動方法ポイント
片足立ち壁や椅子に手をつき、片足で1分立つ転倒注意(必ず支え物あり)
かかと上げ椅子の背を持ちかかとを上げ下げふくらはぎ強化
椅子スクワット椅子から立って座る動作を繰り返す下肢全体の強化
歩幅を広げて歩く大股で10〜20歩歩くバランス向上

週3回以上・1回15〜30分を目安にします。

薬の見直し

ふらつきの原因になりやすい薬:睡眠薬・抗不安薬・降圧薬・抗ヒスタミン薬。

「転倒が増えた」と感じたら、薬の内容を主治医に確認してください。特に複数の薬を飲んでいる方(ポリファーマシー)は、薬の組み合わせでふらつきが起きていることがあります。


転倒を繰り返す方へ:訪問リハビリの活用

一度転倒した方は再転倒のリスクが高く、特に「転倒への恐怖(転倒恐怖感)」から活動量を下げてしまい、廃用症候群に陥るという悪循環が起きやすいです。

OURの理学療法士(PT)・作業療法士(OT)は以下を提供します。

  • 転倒リスクアセスメント:バランス能力・筋力・歩行速度の定量的な評価
  • 個別の転倒予防プログラム:その方の弱点に合わせた運動メニュー
  • 住環境の評価と提案:どこに手すりをつけるか・どの家具を変えるかを現地で提案
  • 福祉用具の選定:歩行器・杖・介護用靴の選び方

よくある質問

転倒して痛いと言っていますが、骨折かどうかどう見分ければいいですか?

骨折を示す主なサインは「体重をかけると激しく痛む」「変形している・腫れがある」「左右で足の長さが違う」です。ただし高齢者では骨折していても「痛くない」と言うことがあります(認知症・疼痛感覚の鈍化)。転倒後に歩行が不安定・自力で立てない場合は、主治医に相談するか整形外科を受診してください。

「怖くて歩けない」と言っています。どうすればいいですか?

転倒後に「また転ぶのが怖い」という転倒恐怖感は非常によく起きます。活動量を下げることで筋力がさらに落ち、転倒しやすくなるという悪循環に陥ります。恐怖感がある場合こそ、訪問リハビリで安全に体を動かす練習を始めることが重要です。

夜中のトイレで転ぶことが多いです。どうすればいいですか?

夜間の転倒は暗さ・睡眠薬のふらつき・起立性低血圧が重なって起きやすいです。対策:センサーライトの設置・ポータブルトイレのベッド横設置・ゆっくり立ち上がる(30秒かけて立つ)習慣。睡眠薬を飲んでいる場合は主治医に「転倒が増えた」と伝えて薬の調整を相談してください。

転倒予防のための手すりは介護保険で補助が出ますか?

要介護・要支援認定を受けている方であれば、住宅改修(手すりの設置・段差解消など)に最大20万円の補助が介護保険から支給されます(自己負担1〜3割)。ケアマネジャーを通じて申請できます。

宮崎市で転倒予防の訪問リハビリに対応していますか?

はい。OURは理学療法士(PT)・作業療法士(OT)が在籍し、転倒リスク評価・個別リハビリプログラム・住環境の提案に対応しています。「転倒が増えた」「怖くて歩けない」という段階からご相談ください。宮崎市全域・国富町・高岡町・綾町に対応しています。


まとめ

  • 転倒直後はすぐ立たせず、骨折・頭部打撲の確認が最優先。頭を打ったら24〜48時間の観察が必要
  • 転倒の原因は「筋力・バランス・薬・環境」の複合要因。原因を特定して対策する
  • 転倒予防には「環境整備(手すり・段差解消)」と「体づくり(バランス運動・筋力強化)」の両輪が必要
  • 転倒後の「怖くて歩けない」という恐怖感には訪問リハビリが有効
  • OURはPT・OT在籍の転倒予防リハビリ・住環境評価・24時間看護対応で在宅生活を支援する

参考文献一覧

この記事を監修した人

OUR
TEAM

OUR訪問看護ステーション

看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。

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