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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

痰の吸引は家族でもできる?在宅での痰吸引の実際と訪問看護師のサポート

「退院後も痰の吸引が必要と言われたが、家族がやらなければならないのか」「吸引機械の使い方がわからない」「深夜に痰が絡んで苦しそうなとき、どうすればいいのか」気管切開や嚥下障害がある家族を自宅で介護するにあたって、痰吸引への不安は多くの家族が共通して抱えます。

在宅での痰吸引は「医療行為」ですが、一定の条件のもとで家族が行うことが認められています。そして訪問看護師が定期的に吸引を行いながら家族をサポートする体制があれば、安心して在宅生活を続けることができます。この記事では、在宅での痰吸引の実際と、訪問看護師のサポートの内容を解説します。

宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応

“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします

☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時

痰吸引が必要になる状況

痰吸引が在宅で必要となるのは、主に以下の状況です。

  • 気管切開をしている方:自力で痰を吐き出すことが難しく、気管カニューレ内に痰が溜まる
  • 嚥下障害がある方:飲み込む力が弱く、唾液や食事が気道に流れ込んで痰が増える
  • ALSや筋ジストロフィーなど神経難病:自力での痰の排出力が低下する
  • 意識レベルが低い方・長期臥床の方:自分で「咳をして痰を出す」ことができない

痰が気道に溜まると、呼吸困難・SpO2低下・肺炎のリスクが上がります。適切なタイミングでの吸引が、在宅での安全な呼吸管理のカギになります。


家族が痰吸引を行うことはできるか

法律上の位置づけ

痰吸引は医療行為に該当しますが、厚生労働省の通知(平成17年)により、「在宅で家族が医師の指示・指導のもとで行う場合」は認められています。

家族が吸引を行う場合の条件は以下のとおりです。

  • 主治医が必要と判断し、指示を出している
  • 訪問看護師・医師から適切な指導(手技の確認・安全管理の教育)を受けている
  • 吸引器・物品が適切に準備されている

「家族が吸引しなければならない義務」はありません。「できる範囲でやってもらう」「訪問看護師が担う部分を増やす」など、家族の状況に合わせて分担を決めることが大切です。

家族が吸引を担う場合のメリット・デメリット

メリットデメリット
訪問看護師が来ていない時間帯も対応できる精神的な負担・緊張感が続く
苦しそうなときにすぐ対応できる手技を誤ると粘膜損傷・感染のリスクがある
利用者の状態変化に気づきやすくなる「自分がやらなければ」というプレッシャー

在宅での痰吸引の手順(家族が実施する場合の基本)

以下は一般的な手順です。実際には訪問看護師による個別指導を受けてから実施してください。

準備するもの:

  • 電動吸引器
  • 吸引チューブ(適切なサイズ・使い捨てまたは洗浄可能タイプ)
  • 手袋・ティッシュ・廃棄容器

手順(口・鼻腔吸引の場合):

  1. 手を洗う・手袋を着用する
  2. 吸引圧を確認する(目安:成人80〜120mmHg)
  3. 吸引チューブを鼻腔または口腔に静かに挿入する
  4. 吸引しながらゆっくり引き抜く(1回10秒以内)
  5. SpO2が回復したことを確認する
  6. チューブを洗浄または廃棄する

絶対に守ること:

  • 無理に深く挿入しない
  • 一度の吸引時間は10秒以内
  • SpO2が80%を下回るなど状態が悪化したら中断してOURに電話

訪問看護師が担うこと:家族が「全部やらなくていい」体制を作る

OURでは、在宅での痰吸引が必要な利用者に対し、以下の役割を担います。

OURが行うこと:

  • 定期訪問時の吸引(頻度は状態に合わせて設定)
  • 気管カニューレ内・口腔・鼻腔の状態確認
  • 家族への吸引手技の個別指導と確認
  • 吸引器のメンテナンス・物品の確認
  • 状態変化時の主治医への報告・連絡

家族に担ってもらいたいこと:

  • 「苦しそう」「痰がゴロゴロしている」などの異変への気づき
  • 緊急時のOURへの連絡
  • 可能であれば、吸引の実施(強制ではない)

吸引器の選び方と準備

在宅用の吸引器は医療機器販売店や訪問看護ステーションを通じて手配できます。機種の選び方・保険適用の有無についてはOURが一緒に確認します。

停電時に備えて、充電式・電池式の吸引器または手動吸引器の準備を検討してください。人工呼吸器を使用している場合は停電対策が特に重要です。


よくある質問

深夜に痰が絡んで苦しそうなとき、どうすればいいですか?

まずOURのオンコールに電話してください。電話で状態を確認し、「体位を変えてみてください」「吸引してみてください」などの指示をお伝えします。家族だけでは対応が難しいと判断した場合は、緊急訪問します。

吸引をうまくできるか自信がありません。

訓練を受ければ必ずできるようになります。OURでは退院前から家族への指導を行い、「一人でできると思えるまで」一緒に練習します。最初から一人でやってもらう必要はありません。

吸引器の費用はどのくらいかかりますか?

電動吸引器の購入費用は5〜15万円程度です。医療保険が適用されるケースもあります。貸し出しサービスを利用できる場合もありますので、OURにご相談ください。

吸引チューブは何回使えますか?

使い捨てタイプは1回ごとに交換します。洗浄・再利用タイプは適切な洗浄・消毒を行うことで複数回使用できますが、劣化したら交換が必要です。詳細は訪問看護師が指導します。


訪問看護を始めるにはまず何をすればいいですか?

①主治医に「訪問看護を使いたい」と相談し、訪問看護指示書を発行してもらう、②介護保険を使う場合はケアマネジャーに連絡、③OURにお電話またはお問い合わせフォームでご連絡いただく、という3ステップです。

訪問看護でできることとできないことを教えてください。

【できること】バイタル測定・健康状態の観察、服薬管理・指導、点滴・注射・創傷処置、カテーテル管理、吸引・人工呼吸器管理、リハビリ(PT・OT)、ターミナルケア・看取りサポート、家族への介護指導。【できないこと】医師の診察・診断・処方(主治医が行う)、身の回りの生活援助のみ(訪問介護の担当)。

まとめ:在宅の痰吸引は「チームで分担する」ことが大前提

  • 家族が痰吸引を行うことは医師の指示と訓練のもとで認められているが、義務ではない
  • 「家族にどこまでお願いするか」は状況に合わせて訪問看護師と一緒に決める
  • OURは定期訪問時の吸引・家族指導・緊急時対応を担い、家族が安心できる体制を作る
  • 深夜の緊急時も24時間オンコールで対応可能

今日できる一歩:「吸引が必要な家族がいる」「退院後の生活が不安」という方は、まずOURに電話してください。退院前からの準備・家族指導・訪問スケジュールを一緒に計画します。


宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応

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この記事を監修した人

OUR
TEAM

OUR訪問看護ステーション

看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。