
「家族が統合失調症で、毎日服薬できているか心配」「うつ病で通院が難しい。自宅で支援してもらえる方法はないか」。そのような悩みをお持ちの方に向けて、この記事では精神科訪問看護の仕組みをわかりやすく解説します。
精神科訪問看護とは、精神疾患のある方の自宅に看護師が定期的に訪問し、服薬支援・症状観察・生活リズムの調整・家族への相談対応などを行うサービスです。医療保険や自立支援医療制度(精神通院医療)を使えば費用の自己負担を大きく抑えられるため、経済的な不安を感じている方にもご利用いただけます。
この記事でわかること:
- 精神科訪問看護の対象疾患と利用条件
- 訪問中に何をしてもらえるか
- 費用・保険の仕組みと自立支援医療の使い方
- 利用開始までの流れ
宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応
“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします
☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時
精神科訪問看護とは:在宅で精神疾患のある方を支える仕組み
精神科訪問看護とは、精神疾患のある方が地域で生活を続けられるよう、訪問看護師が自宅・グループホームなどに定期的に訪問して支援を行うサービスです。
訪問するのは看護師(または精神保健福祉士・作業療法士が同行するケースも)。精神科・心療内科の主治医が発行した「訪問看護指示書」または「精神科訪問看護指示書」にもとづいて訪問し、医療保険または介護保険で利用できます。
一般の訪問看護との違い
一般の訪問看護は身体的な医療ケア(傷の処置・点滴管理・呼吸器管理など)を中心とします。これに対して精神科訪問看護では、服薬管理・精神症状の観察・生活リズムの調整・家族との連携を中心とした支援が行われます。もちろん、精神疾患と身体疾患の両方を抱えている方には、一体的にケアすることも可能です。
| 項目 | 一般の訪問看護 | 精神科訪問看護 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 身体疾患・難病・後遺症 | 精神疾患全般 |
| 指示書 | 訪問看護指示書 | 精神科訪問看護指示書(または一般の指示書) |
| 主なケア内容 | 医療処置・バイタル管理・リハビリ | 服薬支援・精神症状観察・生活支援 |
| 加算の種類 | 複数あり | 複数名加算など精神科特有の加算あり |
精神科訪問看護の対象疾患・対象者
精神科訪問看護は、精神科または心療内科の主治医がいる方であれば、多くの疾患・症状に対して利用できます。
主な対象疾患
- 統合失調症 ― 症状の波が大きく、服薬継続が難しい方。再入院防止のサポートとして特に利用が多い
- うつ病・双極性障害(気分障害) ― 気分の落ち込みや波が激しい時期のモニタリング・生活支援
- 不安障害・パニック障害 ― 外出が困難な時期の相談・対処スキルのサポート
- 強迫性障害(OCD) ― 日常生活への影響が大きい症状への継続的な関わり
- 発達障害(ASD・ADHD) ― 精神科で診断を受けている場合、生活上の困りごとへの支援
- アルコール・薬物依存症 ― 断酒・断薬の維持支援と再発防止
- 認知症 ― 精神科で管理されている場合(BPSD=行動・心理症状が中心のケース)
利用の条件
- 精神科または心療内科の主治医がいること
- 主治医が「訪問看護指示書」を発行すること
- 現在入院中でないこと(退院後は利用可能)
入院直後でも、退院のめどが立った段階から訪問看護ステーションと調整を始めることができます。「入院したばかりで在宅に戻れるか不安」という段階でも、早めに相談しておくことで退院後のスムーズな移行につながります。
訪問看護師が行うこと:具体的な支援内容
「訪問看護師が家に来て何をするのか」は、ご家族が最も気になる点の一つです。精神科訪問看護では、主に以下のような支援を行います。
服薬管理・服薬支援
精神疾患の治療において服薬の継続は非常に重要ですが、「飲み忘れる」「副作用が気になってやめてしまう」というケースは少なくありません。訪問看護師は、
- 薬の種類・量・タイミングの確認
- 一包化・服薬カレンダーの活用支援
- 副作用症状(眠気・体重増加・口渇など)のモニタリング
- 「薬をやめたい」という気持ちへの傾聴・主治医への報告
を定期的に行い、服薬継続をサポートします。
精神症状の観察とアセスメント
「調子はどうですか?」という問いかけから始まる毎回の訪問で、看護師は睡眠・食事・意欲・思考の流れ・幻聴・妄想などの有無や変化を観察します。症状が悪化しているサインをいち早くキャッチし、主治医に報告して早期対応につなぐことが再入院防止に直結します。
生活リズムの調整
精神疾患では昼夜逆転・セルフケア低下(入浴できない、食事がとれない)が症状として現れることがあります。訪問看護師は「今日は何時に起きましたか」「昨日の夕食は何を食べましたか」という日常の会話の中で生活リズムを把握し、無理のない改善を一緒に考えます。
家族への支援・相談対応
精神疾患のある方を自宅で支える家族の負担は非常に大きいものです。「どうやって関わればいいかわからない」「暴言がひどくてつらい」「自分も限界だ」――訪問看護師はご家族の声も受け止め、接し方のアドバイスや利用できる制度の案内を行います。ご家族が倒れてしまっては、在宅療養そのものが続けられなくなるからです。
地域・社会資源との橋渡し
就労移行支援・デイケア・相談支援専門員・地域包括支援センターなど、精神疾患のある方が利用できる社会資源は多数あります。訪問看護師は本人の状態や希望に応じて、適切なサービスへのつなぎ役も担います。
費用・保険の仕組みと自立支援医療の使い方
精神科訪問看護の費用は、医療保険・介護保険・自立支援医療制度の組み合わせによって決まります。
医療保険で利用する場合
65歳未満で要介護認定を受けていない方(または医療保険が優先される疾患・状態の方)は医療保険で利用します。自己負担は通常1〜3割です。
費用の目安(医療保険・1割負担の場合)
| 訪問時間 | 1回あたり費用(1割負担) |
|---|---|
| 30分未満 | 約470円 |
| 30分〜1時間未満 | 約820円 |
| 1時間〜1時間30分未満 | 約1,120円 |
※2024年度改定後の参考値。実際の金額は加算の有無・利用状況により異なります。
自立支援医療(精神通院医療)を使う場合
自立支援医療(精神通院医療)とは、精神疾患の治療に必要な通院医療費を軽減する制度です(参考:厚生労働省)。
この制度の対象に「精神科訪問看護」も含まれており、申請が通ると自己負担が原則1割に軽減されます。さらに、世帯の収入状況に応じて月ごとの上限額が設定されるため、訪問回数が多くても上限以上の費用はかかりません。

| 世帯の所得区分 | 月の自己負担上限額 |
|---|---|
| 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 低所得1(本人収入80万円以下) | 2,500円 |
| 低所得2(本人収入80万円超) | 5,000円 |
| 中間所得1(市町村民税33万円未満) | 一部上限なし(または月5,000円) |
| 中間所得2(市町村民税33万円以上) | 10,000円 |
| 一定所得以上(市町村民税23.5万円以上) | 20,000円 |
※自立支援医療の適用には事前申請が必要です。申請窓口は市区町村の障害福祉担当課です。
介護保険で利用する場合
65歳以上で要介護認定を受けている方は、介護保険で訪問看護を利用することが多くなります。精神疾患の方でも介護保険での利用は可能ですが、介護保険では自立支援医療の1割軽減は適用されません。主治医や担当ケアマネジャーと相談しながら、どちらの保険を使うかを決めるとよいでしょう。
利用開始までの流れ
精神科訪問看護を始めるには、次の流れが一般的です。
STEP 1:主治医に相談する
「在宅で訪問看護を受けたい」と精神科・心療内科の主治医に伝えてください。主治医が訪問看護の必要性を認めれば、「訪問看護指示書」または「精神科訪問看護指示書」を発行してもらいます。ご家族から主治医に相談することも可能です。
STEP 2:訪問看護ステーションを選ぶ
主治医・病院のソーシャルワーカー・相談支援専門員などに紹介してもらうか、自分で地域の訪問看護ステーションを探します。事前に電話で「精神疾患の方の対応が可能か」を確認しておくとスムーズです。
STEP 3:契約と初回訪問
ステーションの担当者が自宅に来て、利用条件・訪問内容・費用を説明し、契約を結びます。その後、訪問スケジュールが決まり、看護師が定期訪問を開始します。
STEP 4:自立支援医療の申請(費用軽減を希望する場合)
自立支援医療を使う場合は、市区町村の障害福祉担当課に申請します。すでに自立支援医療を取得している方は、「指定医療機関」に訪問看護ステーションを追加申請することで対象になります。
宮崎市でのOUR訪問看護の関わり方
OUR訪問看護ステーションは、精神科に特化した専門機関ではありません。精神科病院での勤務経験を持つ看護師・OTが在籍する訪問看護ステーションとして、精神疾患のある方の在宅生活を支える役割を担っています。これまで、うつ病、アルコール依存症、不安障害などをお持ちの利用者さんを対応してきました。
スタッフは厚生労働省が定める精神保健に関する研修を修了しており、服薬状況の確認・生活リズムの観察・ご家族からの相談への対応といった日常的な支援を行います。
ただし、治療方針の判断や薬の調整は主治医(精神科・心療内科)が行うものです。OURは主治医との連携のもと、日常生活の側面から支える役割を果たします。症状が重篤な場合や入院が必要な状態については、主治医・医療機関と連携して対応を判断します。
「通院はしているが、日常生活の維持が難しい」「家族が関わり方に悩んでいる」という段階でのご相談をお受けしています。できることとできないことについては、相談時に率直にお伝えします。
よくある質問
精神科訪問看護の対象疾患を教えてください
統合失調症・うつ病・双極性障害・不安障害・発達障害・依存症など、精神科または心療内科で診断・治療を受けている疾患が対象です。認知症のうち精神科で管理されているケース(BPSDが主症状)も含まれます。「自分の病気は対象になるか」は主治医またはかかりつけのステーションにご確認ください。
精神科訪問看護の費用はどのくらいかかりますか?
医療保険適用で1回あたり470〜1,120円(1割負担・時間により異なる)が目安です。自立支援医療(精神通院医療)を取得している場合は自己負担が1割に抑えられ、かつ月の上限額が設定されます(所得に応じて2,500〜20,000円)。申請は市区町村の障害福祉担当課で行います。
家族が申し込むことはできますか?
はい、ご家族からのお問い合わせ・ご相談をお受けしています。ただし、利用の開始には本人の同意と主治医の指示書が必要です。本人が受け入れに消極的な場合でも、まず主治医やソーシャルワーカーに相談することで、本人にとって受け入れやすい形を一緒に考えることができます。
精神科に通院できていない場合でも利用できますか?
訪問看護の利用には主治医の指示書が必要なため、現在精神科・心療内科に通院していない場合はそのままでは利用できません。まずはかかりつけ医や地域の相談窓口(宮崎市地域包括支援センター・相談支援専門員など)に「精神科への受診につながる方法」を相談することをおすすめします。
週に何回訪問してもらえますか?
医療保険での精神科訪問看護は、通常週3回まで。病状が不安定な時期は「精神科特別訪問看護指示書」を主治医に発行してもらうことで、連続した14日間に限り週4回以上の訪問が可能になります。具体的な頻度は主治医・訪問看護ステーションと相談して決めます。
認知症でも精神科訪問看護は使えますか?
認知症も、精神科で診断・管理されている場合(行動・心理症状=BPSDが主症状のケースなど)は精神科訪問看護の対象となることがあります。一般の訪問看護として利用する場合も多く、どちらが適切かは主治医と相談してください。認知症の訪問看護については、「認知症の在宅ケアに訪問看護は使える?」もあわせてご覧ください。
訪問看護師に相談できる内容に制限はありますか?
医療行為の範囲内での相談(症状・薬の副作用・生活の困りごと)は広くお受けしています。「法律相談」「経済的な問題の解決」「就労相談」などは専門機関(弁護士・就労移行支援事業所など)と連携してご案内します。「こんなことを相談してもいいか」と迷う必要はありません。まず話していただくことで、適切な窓口につながるサポートをします。
まとめ
精神科訪問看護は、精神疾患のある方が自宅で安心して生活を続けるための在宅支援サービスです。服薬管理・症状観察・生活支援・家族相談など、入院せずに地域での生活を維持するための幅広い支援が受けられます。
自立支援医療(精神通院医療)を取得していれば自己負担は1割・月額上限ありで利用できるため、費用面の心配も軽減できます。
「誰かに相談したい」と思ったそのタイミングが、利用を始める最初の一歩です。
宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応
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☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時