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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

眠れない夜が続く高齢者へ|不眠の原因と家族にできる7つのサポート

深夜2時。隣の部屋でお父さんが起き出す音。また眠れていない——。

「最近よく眠れていないみたいで」という相談は、訪問看護の現場でも非常に多くあります。本人は「夜中に何度も目が覚める」「朝4時には起きてしまう」「昼間に眠くて仕方ない」と話し、家族は「夜中に動き回って転倒が心配」「自分も眠れなくなってきた」と疲弊しています。

高齢者の不眠は、加齢による自然な変化もありますが、放っておいていい問題ではありません。不眠が続くと転倒リスクが上がり、認知機能が低下し、うつを引き起こすこともあります。

この記事では、宮崎市の訪問看護師が「なぜ高齢者は眠れなくなるのか」「家族にできることは何か」を、現場の実感を交えてやさしく解説します。

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高齢者の不眠は「加齢の自然な変化」だが、放置は禁物

高齢になると睡眠が変化することは、医学的に確認されていることです。具体的には、以下のような変化が起きます。

  • 深い眠り(ノンレム睡眠)が減る:加齢とともに眠りが浅くなり、少しの刺激で目が覚める
  • 早寝・早起きになる:体内時計が前倒しになり、夕方に眠くなり、早朝に目が覚める
  • 中途覚醒が増える:夜中に何度も目が覚めるが、これ自体は必ずしも病的ではない
  • トイレで起きる回数が増える:高齢になると夜間頻尿が増え、睡眠が分断される

ただし「加齢だから仕方ない」と放置してよいかは別問題です。不眠が続くと、昼間の活動量が落ち、そのせいでさらに夜眠れなくなる悪循環に入ります。また、睡眠不足は転倒・認知機能低下・うつ・免疫低下とも関連しています。


眠れない原因を探る|よくある4つのパターン

不眠の原因は一つではありません。いくつかが重なっていることも多いです。

パターン1:生活リズムが乱れている

昼間ほとんど動かず、日光にも当たらない生活をしていると、体内時計が狂い始めます。「昼間うとうとして夜眠れない」は、昼寝のしすぎや活動不足が原因のことが多くあります。

訪問先でよく見るのは、朝9時ごろまで寝て、昼間もソファでうとうと、夕方になっても外に出ない——というパターンです。これでは夜に眠れなくなるのは当然です。

パターン2:体の不快感や痛みで眠れない

関節の痛み、かゆみ(皮膚の乾燥は秋冬に特に悪化します)、頻尿、胃腸の不快感——体の不快感が眠りを妨げていることがあります。

「なんとなく眠れない」と訴える方の中には、実は体の問題が隠れているケースがあります。「どんなときに目が覚めますか?」と丁寧に聞くことで原因が見えてくることがあります。

パターン3:気持ちの問題(うつ・不安・孤独感)

「この先どうなるんだろう」「家族に迷惑をかけている」——高齢者の不安や孤独感は、夜に強くなります。うつは高齢者にも多く見られますが、「気の持ちよう」と見過ごされやすい問題です。

眠れない夜が続くうつのサインとして、「朝方に特に気分が沈む」「何をしても楽しくない」「食欲もない」などが挙げられます。

パターン4:薬の影響

服用している薬が睡眠に影響していることがあります。利尿薬(夜間頻尿が増える)、ステロイド(交感神経を刺激する)、特定の降圧薬などが睡眠に影響することがあります。逆に、睡眠薬を突然やめることで「リバウンド不眠」が起きることもあります。薬の変更があった時期と不眠の始まりが重なっていないか、確認する価値があります。


家族にできる7つのサポート

1. 朝、決まった時間に起こす

何時に寝ても、朝は決まった時間(7〜8時ごろ)に起こすことが体内時計のリセットになります。遅くまで寝かせておくことが親切のようで、実は夜の不眠を悪化させることがあります。

2. 午前中に日光を浴びる習慣をつける

カーテンを開けて日の光を浴びる、短時間でも庭や玄関先に出る——これだけで体内時計が整い始めます。宮崎市は秋でも比較的温暖なので、午前中に外に出るのは難しくありません。10分でも日光を浴びると、夜のメラトニン分泌を助けます。

3. 昼寝は15〜30分までに抑える

昼寝を完全にやめる必要はありませんが、1時間以上の昼寝は夜の睡眠を妨げます。「午後2〜3時ごろに30分まで」が目安です。タイマーをセットする習慣をつけると続けやすくなります。

4. 寝室を眠りやすい環境に整える

寝室が明るすぎたり、テレビの音が聞こえたりすると眠りが浅くなります。就寝1〜2時間前からスマートフォンやテレビの画面を遠ざけ、部屋を少し暗くすると自然な眠気が促されます。

また、室温は少し肌寒いくらい(18〜20度前後)が深い眠りに適しています。毛布の枚数で調整するとよいでしょう。

5. 夕方以降のカフェインを控える

緑茶・コーヒー・コーラなどに含まれるカフェインは、摂取後6〜8時間ほど覚醒作用が続きます。午後3時以降のカフェイン摂取は避けるようにしましょう。代わりにハーブティー(カモミール・ルイボスなど)やホットミルクが役立つことがあります。

6. 夕方に軽い体操や散歩を取り入れる

適度な運動は夜の睡眠の質を改善します。激しい運動は逆効果になることがありますが、夕方4〜6時ごろの軽い散歩や体操は特に効果的です。ラジオ体操・椅子に座ったままできるストレッチでも十分です。

OURの理学療法士が訪問リハビリで行う際も、「夕方の軽い運動」は睡眠改善を目的に組み込むことがあります。

7. 「眠れなくても横になっていれば大丈夫」と伝える

「眠れない」と焦るほど、脳は覚醒してしまいます。「横になって目を閉じているだけでも体は休まっている」と伝えると、プレッシャーが和らぐことがあります。

無理に「早く寝なさい」と言う必要はありません。静かに寄り添う、眠れなければ一緒に温かい飲み物を飲む——そんな穏やかな夜の過ごし方が、案外よく眠れるきっかけになることもあります。


睡眠薬について、家族が知っておきたいこと

「睡眠薬は飲ませたくない」という家族の気持ちはよくわかります。でも睡眠薬は正しく使えば安全で、不眠からくる転倒・認知機能低下・うつのリスクを下げる効果があります。

最近は依存性が少なく翌日に眠気が残りにくい薬(オレキシン受容体拮抗薬など)が増えています。以前の薬(ベンゾジアゼピン系)とは性質が違います。

大切なのは、自己判断で飲んだり飲まなかったりしないことです。急にやめると「リバウンド不眠」が強く出ることがあります。変更・調整は必ず主治医と相談してください。

> OURの訪問看護師は、服薬管理のサポートも行っています。「正しく飲めているか」「副作用が出ていないか」を定期的に確認し、主治医への報告・連絡もします。


OUR訪問看護ステーションによるサポート体制

OUR訪問看護ステーション(宮崎市)では、看護師・PT・OTが連携してご自宅でのケアを提供します。全スタッフが厚生労働省の精神保健研修を修了しており、身体疾患から精神疾患まで幅広い対応が可能です。24時間のオンコール体制を整え、夜間・休日でも緊急対応します。

「どんな状態でもまず相談」というスタンスで、宮崎市・国富町・綾町・高岡町エリアに対応しています。ご相談はお電話(0985-77-8266)またはウェブフォームからどうぞ。

よくある質問

夜中に何度も起きてトイレに行きますが、何科に相談すればよいですか?

夜間頻尿の原因は、膀胱の問題(過活動膀胱・前立腺肥大など)、心臓・腎臓の問題(夜間に体液が再分配される)、睡眠の問題(眠りが浅いので目が覚めてトイレに行く)など様々です。まずはかかりつけ医に相談し、原因に合わせた専門科を紹介してもらうことをおすすめします。

認知症の親が夜中に騒いで家族が眠れません。どうすればよいですか?

これは「夜間せん妄」または認知症による「昼夜逆転」のケースが多く、家族にとって非常につらい状況です。昼間の活動量を増やすこと、デイサービスなどで日中を活動的に過ごすこと、必要に応じて主治医が薬で対応することがあります。家族だけで抱え込まず、ケアマネジャーや訪問看護への相談を強くおすすめします。

市販の睡眠補助薬(ドリエルなど)を使ってもよいですか?

市販の睡眠補助薬は抗ヒスタミン薬(鼻炎薬と同じ成分)が入っており、翌日の眠気・口の渇き・認知機能への影響が出やすいです。高齢者には特に注意が必要で、短期間の使用にとどめることを推奨します。長期の不眠には主治医への相談が最善です。

親が「眠れない」と言うのに、実際は昼間うとうとしています。これは本当に眠れていないのですか?

昼間のうとうとが多い場合、夜間の睡眠不足の埋め合わせをしているケースと、昼寝が多すぎて夜眠れないケースの両方があります。「本人は眠れていないと感じている」という事実は重要で、その不安自体が夜の眠りを妨げていることもあります。主治医に「昼夜のリズムを整えたい」と相談することから始めてみてください。


OUR訪問看護ステーションはどんな方が利用できますか?

宮崎市・国富町・高岡町・綾町にお住まいで、主治医が訪問看護を必要と判断した方が対象です。年齢・疾患の種類を問わず、小児から高齢者まで幅広く対応しています。

訪問看護の費用はどのくらいかかりますか?

利用する保険・訪問回数・時間・疾患によって異なります。介護保険の場合は要介護度による区分支給限度基準額内で自己負担1〜3割、医療保険の場合も1〜3割です。詳細はOURにお問い合わせください。

まとめ:眠れない夜は、一人で抱えなくていい

  • 高齢者の睡眠が浅くなることは自然な変化だが、不眠を放置すると転倒・認知低下・うつにつながる
  • 生活リズム・体の不快感・気持ちの問題・薬の影響——原因をひとつずつ確認することが大切
  • 朝の光・昼寝の制限・夕方の軽運動・寝室環境の整備など、家族にできることは意外と多い
  • 睡眠薬は正しく使えば有効な選択肢。主治医と相談しながら判断する
  • 一人で悩まず、ケアマネや訪問看護師に相談してほしい

今日できる一歩:明日の朝、カーテンを開けて日光を浴びることから始めてみてください。それが夜の眠りを変えていく、最初の一歩です。


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参考文献一覧

  • 高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015(日本老年医学会)https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/
  • 睡眠障害の診療ガイドライン(日本睡眠学会)https://jssr.jp/
  • 健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html

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この記事を監修した人

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OUR訪問看護ステーション

看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。