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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

足がパンパンにむくんでいる:腎臓が原因?心臓?何科に行けばいい?在宅ケアでできること

親の足が急に太くなった、押すとへこんだまま戻らない。そんな「むくみ」に気づいたとき、頭をよぎるのは「腎臓が限界なのか」「透析が近いのか」という不安ではないでしょうか。

足のむくみ(浮腫)は、腎臓・心臓・肝臓・静脈など複数の臓器が関係する症状です。原因によって対応がまったく異なるため、「どこが原因か」を正しく見きわめることが最初の一歩になります。この記事では、腎臓が原因のむくみの特徴・見分け方・受診の目安・在宅での管理方法を、OURの訪問看護師の現場経験からお伝えします。

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足のむくみが腎臓のサインである可能性:まず知っておくべきこと

足のむくみ(浮腫)は、体に水分が過剰に溜まることで起こります。腎臓は体の水分量を調節する臓器であり、腎機能が低下すると水分・ナトリウムの排出が滞り、むくみが生じます。

腎臓が原因のむくみの特徴

  • 両足対称に出る(片側だけの場合は静脈血栓などを疑う)
  • 朝よりも夕方・夜に悪化する(一日中立ち座りをした後)
  • 押すとへこんで戻らない(pitting edema=圧痕性浮腫)
  • 顔・まぶたにも出ることがある(腎臓性むくみの特徴)
  • 尿の泡立ちが多い・尿量が減った(タンパク尿・乏尿の可能性)

心臓・肝臓・静脈が原因のむくみとの違い

原因むくみの出方他の症状
腎臓(CKD・ネフローゼ)両足+顔・まぶた、朝に顔がむくむタンパク尿・泡尿・血尿
心臓(心不全)両足・くるぶし周辺、夕方悪化息切れ・起座呼吸・夜間多尿
肝臓(肝硬変)両足+腹部膨満(腹水)黄疸・倦怠感・食欲低下
静脈(深部静脈血栓)片側だけ、急に出現痛み・熱感・発赤
低栄養・薬の副作用両足、全身性体重減少・貧血

今すぐ救急を呼ぶべきサイン

以下に当てはまる場合は、すぐに救急(119番)に連絡してください。

  • 急に息が苦しくなった
  • 胸の痛みがある
  • 片方の足だけが急にむくんで熱を持っている(深部静脈血栓の疑い)
  • むくみとともに意識がぼんやりしている

腎機能が低下するとは:CKD(慢性腎臓病)の基礎知識

CKDとは何か

CKD(慢性腎臓病)とは、腎機能が3か月以上にわたって低下している状態の総称です。日本腎臓学会によると、日本のCKD患者数は約1,330万人とされており、成人の約8人に1人が該当すると推計されています。

CKDはステージ1〜5に分類され、ステージ5(GFR 15未満)で透析または腎移植が必要になります。

ステージGFR(ml/分/1.73㎡)状態
G1≧90正常または高値、腎障害あり
G260〜89軽度低下
G3a45〜59軽度〜中等度低下
G3b30〜44中等度〜高度低下
G415〜29高度低下
G5<15腎不全(透析・移植が必要)

なぜ腎臓が悪くなるのか——主な原因

  1. 糖尿病性腎症(透析原因の第1位):長期の高血糖が腎臓の血管を傷める
  2. 慢性糸球体腎炎:免疫の異常による腎臓の炎症
  3. 高血圧性腎硬化症:高血圧が腎血管を傷め、腎機能を低下させる
  4. 薬剤性腎障害:NSAIDs(解熱鎮痛剤)・造影剤・一部の抗生剤など
  5. 高齢による腎機能の自然低下:70歳以上では加齢だけで機能が低下することがある

腎機能低下の初期症状:「まだ元気」なのに腎臓は悲鳴を上げている

初期に気づきにくい理由

腎臓は左右に2つあり、片方が機能しなくなっても残りの腎臓が補うため、初期段階では自覚症状が出にくい臓器です。「腎臓は沈黙の臓器」と呼ばれるのはこのためです。

初期〜中期の症状

  • 夜間に何度も尿意で目が覚める(夜間頻尿)
  • 尿に泡が多い(タンパク尿)
  • 疲れやすい・だるい(貧血・老廃物の蓄積)
  • 足・顔がむくむ
  • 血圧が上がりやすくなる

進行してから出る症状

  • 食欲不振・吐き気(尿毒症)
  • 皮膚のかゆみ(尿毒素が皮膚に出る)
  • 息切れ・倦怠感(貧血の悪化)
  • 足がつる・痙攣(電解質異常)
  • 意識の混濁(高度な尿毒症)

何科に行けばいい?受診の目安と検査

最初に行くべき科

内科・かかりつけ医で血液検査・尿検査を受けるのが最初のステップです。クレアチニン・eGFR・尿タンパクを調べるだけで腎機能の状態がわかります。

「腎臓が原因かもしれない」と思ったら:

  1. まずかかりつけ医に「むくみが続いている・尿に泡がある」と伝える
  2. 血液検査(クレアチニン・BUN・電解質)と尿検査(タンパク・潜血)を依頼
  3. 異常があれば腎臓内科または泌尿器科に紹介してもらう

緊急受診が必要な目安

  • むくみが急に悪化した(数日で急変)
  • 尿が1日400mL以下(乏尿)または全く出ない(無尿)
  • 息苦しさが出てきた
  • 意識がぼんやりする、声をかけても反応が鈍い

在宅での腎臓・むくみ管理:訪問看護師が実践していること

毎朝の体重測定が最重要

腎機能低下によるむくみ管理の基本は毎朝の体重測定です。水分の増減は翌日の体重に直結するため、「前日比1kg増えた=水分が1L体に溜まった」と解釈します。

心不全と合併しているケースでは、「前日比+1kgで担当医・訪問看護師に連絡」というルールを設定することが再入院防止に有効です。

塩分・水分の管理

  • 塩分制限(6g/日未満):CKD患者への標準的な指導値(日本腎臓学会「CKD診療ガイド」)
  • 加工食品・漬物・みそ汁の量に注意
  • 水分制限は透析患者のみに行う場合が多い(CKDステージG1〜G4では通常不要)

服薬管理

利尿剤(フロセミドなど)が処方されている場合、服薬の継続とその効果(尿量・体重の変化)の記録が重要です。自己判断で服薬を中断すると急速にむくみが悪化することがあります。

皮膚トラブルの予防

高度にむくんだ皮膚は非常に傷つきやすい状態です。

  • 圧迫しない・こすらない
  • 保湿クリームで乾燥を防ぐ
  • 浸出液が出ている場合は訪問看護師に処置を依頼する

透析になる前にできることはある?:進行を遅らせる管理

残腎機能を守る4つの習慣

  1. 血圧コントロール:目標130/80mmHg未満。ACE阻害薬・ARBが腎保護効果を持つことが多い
  2. 血糖コントロール(糖尿病がある場合):HbA1c 7.0%未満が目標
  3. 塩分・タンパク質制限:タンパク質の過剰摂取は腎臓への負担になる(腎臓専門栄養士への相談が理想)
  4. NSAIDs(ロキソニン等)の原則禁止:腎血流を低下させるため、腎機能が悪い方は使用禁止

「透析になりたくない」という気持ちへの向き合い方

透析は「負け」ではありません。適切なタイミングで透析を開始することで、尿毒症の苦痛から解放され、QOLが大きく改善するケースが多くあります。OURでは、「透析が怖い」「できれば避けたい」というご本人・ご家族の思いを聞きながら、主治医との架け橋として情報提供を行っています。


訪問看護が腎機能低下・むくみの在宅ケアでできること

OURの訪問看護師・理学療法士・作業療法士は次のような形でサポートしています。

日常的なモニタリング

  • 体重・血圧・SpO2・浮腫の程度を毎回記録し、主治医・ケアマネジャーへ報告
  • 「いつもより足のむくみが強い」「体重が2日で2kg増えた」という変化を早期にキャッチ

服薬・食事管理のサポート

  • 利尿剤の服薬確認と効果の観察
  • 塩分制限の実際(「どのおかずをどう変えるか」まで具体的に)
  • 体重記録ノートの管理支援

在宅透析(腹膜透析・血液透析)への対応

OURは在宅での腹膜透析・血液透析に対応しています。透析液の管理・カテーテル出口部ケア・シャントの観察・バイタル管理まで、医師の指示のもとで訪問看護師が担います。「透析になっても家で暮らしたい」という希望を支えることがOURの役割のひとつです。

受診のタイミングの判断

「この状態で受診すべきか」「救急を呼ぶべきか」の判断に迷う場面で、24時間対応のオンコールで相談を受けています。


よくある質問

足のむくみは腎臓が悪い証拠ですか?

必ずしもそうではありません。むくみの原因は腎臓・心臓・肝臓・静脈・低栄養・薬の副作用など多岐にわたります。ただし、両足対称・尿に泡がある・顔もむくんでいる場合は腎臓が原因である可能性が高く、早めの受診をお勧めします。

腎臓が悪いと言われましたが、どのくらいで透析になりますか?

透析の時期はGFR値・進行速度・合併症・患者の状態によって大きく異なり、一律には言えません。GFR15未満(ステージG5)になると透析が検討されますが、数年かけてゆっくり進む方もいれば、数か月で急速に進む方もいます。担当医と定期的なフォローを続けながら、訪問看護師と連携して在宅での管理を続けることが最善の備えです。

塩分を減らすとむくみは改善しますか?

塩分制限によってナトリウムと水分の体内蓄積が減り、むくみの軽減につながることがあります。ただし、利尿剤の効果や水分管理と組み合わせる必要があります。むやみに水分を制限するとかえって問題が生じる場合もあるため、主治医・訪問看護師と相談しながら進めてください。

在宅での体重測定はどのくらいの頻度で行えばいいですか?

腎機能低下・心不全がある方は毎朝起床後・トイレを済ませた後・同じ服で測ることを基本にします。この条件を揃えることで日々の変化を正確に比較できます。1日1回、記録をつける習慣が在宅療養の継続に直結します。

宮崎市で腎臓・むくみの在宅ケアについて相談できますか?

はい。OURでは腎臓病・在宅透析・むくみ管理に対応した訪問看護を提供しています。「まだ訪問看護が必要かわからない」という段階でも相談を歓迎します。宮崎市全域・国富町・高岡町・綾町に対応しています。


まとめ

  • 足のむくみの原因は腎臓だけでなく心臓・肝臓・静脈・薬など多岐にわたる。「両足対称・顔もむくむ・尿に泡」なら腎臓を疑う
  • CKDは初期に症状が出にくい「沈黙の臓器」。血液検査(クレアチニン・eGFR)と尿検査で早期発見できる
  • 在宅での管理の核心は「毎朝の体重測定」「塩分制限」「服薬継続」の3つ
  • OURは在宅透析・腎機能モニタリング・24時間オンコールで腎臓病の在宅療養を支援している

参考文献一覧

この記事を監修した人

OUR
TEAM

OUR訪問看護ステーション

看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。

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