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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

訪問看護師の車内熱中症対策|猛暑の駐車後をすぐ冷やすグッズと移動中の体調管理

「炎天下に1時間停めた車に乗り込んだら、室内温度が60℃を超えていた」これは訪問看護師なら一度は経験する夏の現実です。病院勤務と違い、訪問看護師は1日に何度も駐車・乗車を繰り返します。猛暑の宮崎市で、車はただの移動手段ではなく「熱中症の最前線」になります。この記事では、訪問看護師が車内を素早く冷やす具体的な方法とグッズ、移動中の体調管理のポイントを、OURの現場経験をもとに解説します。


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駐車中の車内温度は1時間で60℃を超えます。訪問看護師が車で熱中症になるリスクは見逃されがちです。

JAFの調査によると、気温35℃の環境下で1時間駐車した車の車内温度は約57〜60℃に達します。ダッシュボードや座席表面は80℃近くになることもあります。この環境に訪問終了直後の体で乗り込むと、体温調節が追いつかず短時間で熱中症が進行します。

訪問看護師の車が特に危険な理由

リスク要因詳細
短時間の駐車を繰り返す「30分ごとに乗り降り」でも、夏は短時間で車内が加熱する
日陰が確保できないことが多い利用者宅周辺に駐車スペースの選択肢がない場合も多い
乗車直後に運転が必要車内が冷えきる前に次の訪問先へ出発しなければならない
訪問ケア後で体温が上がっているケア後は体温・心拍数がすでに上昇した状態で乗車する
薬剤・検査物が熱で劣化する訪問バッグの中身が高温にさらされるリスクもある

車内をすぐ冷やす「3分以内にできる」基本手順。グッズを使う前に覚えておく動作。

グッズを使う前に、乗車直後の「換気+冷却の正しい順番」を知っているだけで体感温度は大きく変わります。

乗車直後の3ステップ(道具なしでできる)

Step 1:まず全窓を開けて熱気を逃がす(30秒) 乗り込んだらすぐ全窓を全開にします。助手席側の窓を開けたまま運転席ドアを数回開閉すると、熱気が外に押し出されます(「ドアパタパタ換気法」)。

Step 2:エアコンを外気導入モードで最大風量にする(1分) 最初の1〜2分は「内気循環」より「外気導入」が効果的です。熱気を車内で循環させず、外の空気を積極的に取り込みながら熱を押し出します。車内が外気温と同じくらいになったら内気循環に切り替えます。

Step 3:足元の吹き出し口を最大にする(2分) 熱気は上にたまります。足元から冷気を入れることで車内全体が効率よく冷えます。顔に冷風を当て続けると体の冷えすぎや頭痛の原因になるため、まず足元重視で。

この3ステップで、通常2〜3分で車内を走行可能な温度に下げることができます。


訪問看護師におすすめの車内冷却グッズ7選。猛暑の駐車中・乗車直後に効くアイテム。

① サンシェード(フロント・リア用)

駐車中の車内温度上昇を最大15〜20℃抑えます。折りたたみ式のものは展開・収納が30秒以内で完了します。フロントガラスに加え、リアガラス用も使うと全方位からの日射を遮断できます。

タイプ特徴価格目安
アコーディオン折りたたみ式収納が素早く車のバイザーに挟んで保管1,500〜3,000円
吸盤取り付け式ずれにくい・リア向き1,000〜2,000円
ロールスクリーン型完全遮光・コンパクト収納2,000〜4,000円

OURスタッフの実践例: 訪問後に駐車する際は「5秒でサンシェードを立てる」を習慣化。最初は面倒でも1週間で身につくと体への負担が大幅に減ります。

② ステアリングカバー・シートカバー(耐熱・吸熱素材)

ハンドルやシートは直射日光で80℃近くまで加熱されます。吸熱・放熱素材のカバーをつけることで、帰車時の「熱すぎて触れない」「座ると火傷しそう」という状況を防ぎます。通気性の高いメッシュシートカバーは夏の発汗対策にもなります。

③ 車載用ポータブル冷風機・シートクーラー

シートに敷くUSB給電タイプのクーラーは、車の電源から給電しながら使えます。エアコン効率が上がるまでの最初の2〜3分に特に有効です。

④ 急速冷却スプレー(車内用)

乗車直後にシートや内装に向けてスプレーすると、気化熱で素早く温度を下げます。布製シートへの使用が主で、ダッシュボードや電子機器には使用不可のものが多いため、製品の対応素材を確認してください。スプレーは車内に置きっぱなしに注意が必要です。

⑤ 保冷ネッキング・アイスパック(即効冷却)

車が冷えるまでの間、自分の首や脇・手首にアイスパックを当てることで体幹温度の上昇を抑えます。クーラーボックスに事前に冷やしておき、乗車と同時に取り出して使う習慣が効果的です。

⑥ ポータブル保冷ボックス(車載用)

薬剤・検査物の高温劣化を防ぐためにも、車載用の電動保冷ボックスは訪問看護師に特に有用です。12V電源(シガーソケット)で稼働するタイプは、駐車中もエンジンをかけずに保冷できるものがあります。スタッフの飲料・食事の保管にも兼用できます。

⑦ 遮熱フィルム(窓ガラス用)

一度貼れば夏だけでなく年中効果が持続します。赤外線を60〜80%カットするフィルムを窓に貼ることで、駐車中の車内温度上昇を恒久的に抑えられます。プロ施工で1〜3万円程度。訪問件数が多く毎年夏の負担が大きい場合は費用対効果が高い投資です。


移動中の体調管理。次の訪問先に着く前にできること。

移動中の水分補給タイミング

移動時間が10分以内の短距離でも、ひと口の水分補給を習慣化します。「訪問終了→車に乗る→水を飲む→出発」の流れを固定することで、水分補給を忘れるリスクを大幅に下げられます。

1日の目安(訪問8件・夏場の場合):

  • 午前中:500mlボトル×1本消費
  • 昼食時:水分補給+塩分補給(経口補水液か塩分タブレット)
  • 午後:500mlボトル×1〜1.5本消費
  • 合計:1.5〜2リットル以上

「次の訪問まで〇分」の判断基準

移動時間推奨アクション
5分以内ネッキングアイスパックを当てながら水を一口。即出発でOK
10〜15分500ml水分補給・車内を冷やしてから出発
20分以上短時間仮眠(15〜20分)が許容できれば熱疲労回復に有効。昼食との組み合わせ

自分の熱中症初期症状を見逃さないセルフチェック

訪問看護師は利用者の体調を観察するプロですが、自分自身の症状は見逃しやすいです。以下のサインが出たら、次の訪問前に事業所に連絡してください。

  • 「いつもより眠い・ぼんやりする」
  • 「頭が重い・軽く痛い」
  • 「汗が止まらない・または急に汗が出なくなった」
  • 「水を飲む気になれない」

最後の「水を飲む気になれない」は脱水が進んでいるサインです。飲む気になれなくても、少量ずつ飲むことが重要です。


OURの車移動スタッフが実践している夏の習慣。5つのルーティン。

  1. 出発前に車内チェック:前夜か朝早い時間に乗って車内温度を確認。猛暑日は出発前15分前にエンジンをかけておく(安全な場所で)
  2. 保冷ボックスを毎朝準備:飲料・アイスパック・薬剤を仕分けして積み込む。帰りに補充する
  3. サンシェードは「エンジン切ったら即展開」:駐車のたびに立てる。5秒の習慣
  4. 訪問終了後は「乗り込む前に換気1分」:ドアを開けて熱気を逃がしてから乗車
  5. 昼休みは日陰・涼しい場所で休む:コンビニ・コーヒーショップのイートインを積極利用。車の中で昼食を食べない

よくある質問

訪問看護師が車で熱中症になった場合、どう対処すればいいですか?

症状が軽い場合(めまい・頭痛・大量の汗)は、すぐに涼しい場所(コンビニ・店舗)に避難し、水分と塩分を補給してください。10〜15分休んで回復しない場合や、意識がぼんやりする・汗が止まった場合は119番を呼ぶか、同僚・事業所に連絡してください。「まだ訪問が残っている」という判断で無理をすることは、利用者への安全にも関わります。体調不良を感じたら迷わず連絡する文化が大切です。

薬剤や検査物を車内に置いておいても大丈夫ですか?

インスリン・坐薬・一部の目薬など温度管理が必要な薬剤は、夏の車内に放置すると変性・無効化することがあります。保冷ボックスまたはクーラーバッグに必ず入れてください。検査物(血液・尿)も高温で変性するため、採取後はすぐに保冷状態にすることが必要です。薬剤の管理温度は処方箋・薬袋に記載されているため、確認して対応してください。

駐車場がない・日陰がない場合はどうすればいいですか?

住宅街では日陰の駐車スペースが確保できないことが多いです。対策としては、①コンビニ・公共施設の駐車場を借りて徒歩で移動する、②利用者宅の方に声をかけて玄関前か日陰に停めさせてもらう、③移動距離が短い場合は自転車・徒歩に切り替える——の3つがあります。OURでは必要に応じてスケジュールの見直しや移動手段の変更を柔軟に対応しています。

猛暑の日は訪問スケジュールを変更してもらえますか?

OURでは熱中症リスクが極めて高い日(危険レベル:WBGT33℃以上)は、スケジュール調整やスタッフ間での業務分担見直しを行っています。「今日は無理」と言いやすい環境づくりを意識しており、体調不良を感じたら事業所に連絡することを強く推奨しています。スタッフが健康でいることがサービスの質に直結するという考えのもと、無理な訪問継続はしない文化があります。

訪問看護師として働くうえで、車の運転は必須ですか?

OURでは車・自転車・徒歩など移動手段の組み合わせで対応しています。車を持っていない方や運転が得意でない方も、担当エリアや移動手段の調整で対応できる場合があります。詳しくは採用面接時にご相談ください。


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参考文献一覧

  • 車内の温度上昇に関する調査結果(JAF 2020年)https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-knowledge/high-temp/survey
  • 熱中症予防情報サイト・WBGT指標(環境省)https://www.wbgt.env.go.jp/
  • 職場における熱中症予防基本対策要綱(厚生労働省 2021年)https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000793011.pdf

この記事を監修した人

OUR
TEAM

OUR訪問看護ステーション

看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。

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