
「何もやる気が出ない」「食べる気がしない」「眠れない」がん終末期の本人から、こうした訴えを聞くことが多くあります。
がんに関連した倦怠感(Cancer-Related Fatigue:CRF)と食欲不振は、がん患者の70〜90%に見られる症状です。これらは「仕方ない」と諦めるのではなく、緩和ケアとして対応できます。この記事では、在宅でできる倦怠感・食欲不振のケアと、訪問看護師・家族ができる具体的な対応を解説します。
宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応
“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします
☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時
がんの倦怠感(Cancer-Related Fatigue)とは何か
CRF(がん関連倦怠感)は、休養しても改善しない慢性的な疲労感・気力の低下のことです。通常の疲れとは異なり、睡眠をとっても回復しないのが特徴です。
主な原因:
- がん自体(炎症性サイトカインの影響)
- 抗がん剤・放射線治療の副作用
- 貧血・電解質異常
- 疼痛・不眠
- 低栄養・脱水
OURの看護師が訪問で行うのは、「倦怠感の背景にある原因(貧血・疼痛・不眠・電解質異常)を丁寧に評価し、対応できるものから対処する」ことです。「疲れているから当たり前」では終わりにしません。
在宅での倦怠感ケア:家族ができる工夫
活動と休息のバランスを整える
「安静にしていればいい」は誤りです。適度な活動が倦怠感の改善に効果的であることがわかっています。
- 本人の「できそうな時間帯」を把握する(午前中に調子がよい方が多い)
- 1日のなかで「活動する時間」と「横になる時間」を区別する
- 疲れたらすぐ横になれる環境を整える
睡眠環境を整える
夜間の痛み・咳・トイレ頻回が睡眠を妨げている場合、主治医・訪問看護師に相談して対処できることがあります。
- 室温・湿度・照明の調整
- 就寝前のリラクゼーション(温かいタオルでの清拭・マッサージ)
- 眠れない原因が疼痛の場合は鎮痛薬の調整を検討
がんの食欲不振:在宅でできるアプローチ
食欲不振はがん終末期に非常に多く、「何か食べさせなければ」という家族の焦りがストレスになることもあります。
食欲不振の主な原因
- がんによる代謝異常(悪液質)
- 消化管の閉塞・腹水
- 疼痛・吐き気・便秘
- 口内炎・口腔乾燥
- 心理的な落ち込み
在宅での食事の工夫
- 少量を頻回に:3食にこだわらず、食べられるときに少量ずつ
- 好きなものを優先:カロリーより「食べる意欲」を大切にする
- 口腔ケア:口の中が乾燥・口臭があると食欲が低下する。口腔内の清潔を保つ
- 見た目・においへの配慮:においが強いものは避ける、盛り付けを少なめに
訪問看護師は口腔ケア(舌苔除去・保湿)を毎回実施し、食欲に影響する口腔内の状態を管理します。
「食べなくていい」という選択も大切
がん終末期の食欲不振は、身体が自然に食事を必要としなくなっているサインでもあります。無理に食べさせることが苦痛になる場合、「食べる意欲があるときに好きなものを少量」という方針が本人のQOLを守ることにつながります。
OUR訪問看護ステーションによるサポート体制
OUR訪問看護ステーション(宮崎市)では、看護師・PT・OTが連携してご自宅でのケアを提供します。全スタッフが厚生労働省の精神保健研修を修了しており、身体疾患から精神疾患まで幅広い対応が可能です。24時間のオンコール体制を整え、夜間・休日でも緊急対応します。
「どんな状態でもまず相談」というスタンスで、宮崎市・国富町・綾町・高岡町エリアに対応しています。ご相談はお電話(0985-77-8266)またはウェブフォームからどうぞ。
在宅療養で医療保険と介護保険をどう使い分けるか
訪問看護は医療保険と介護保険の両方で利用できますが、どちらが適用されるかは疾患・状態によって異なります。介護保険認定を受けている方は原則として介護保険が優先されますが、がん末期・難病・精神疾患・特別訪問看護指示書がある期間は医療保険での利用となります。
保険の選択を間違えると給付が受けられないケースもあるため、OURがご利用者ごとに確認し、最適な方法でサービスを提供します。不明な点はOURにご相談ください。
よくある質問
食欲がないのに栄養点滴(輸液)はしなくていいのですか?
終末期における輸液は、脱水の改善・症状緩和に使われますが、「病気を治す」ためではありません。むくみ・腹水の増悪・呼吸困難の悪化を招くこともあるため、主治医・本人・家族が話し合って決める必要があります。OURでも輸液の開始・継続・減量について在宅医との連携で支援します。
倦怠感に対して薬で対処することはできますか?
貧血・電解質異常・疼痛・不眠など原因が特定できる場合は、それぞれに対応する薬での改善が期待できます。CRF自体に対するステロイド(デキサメタゾン)の短期使用が検討されることもありますが、副作用もあるため主治医の判断が必要です。
がんの終末期でも訪問看護を使えますか?
はい。終末期・看取りこそ訪問看護の重要な役割です。痛みや呼吸困難などの症状緩和、本人・家族の精神的サポート、医師との連絡調整を行います。OURは24時間のオンコール体制で、深夜・休日でも対応できます。「最期まで自宅で」という希望を支えるためにあります。
がん疼痛管理のために訪問看護師ができることを教えてください。
医師の指示のもとで鎮痛薬の投与(内服・貼り薬・皮下注射)を管理・評価します。痛みの強さ・種類・タイミングを記録し、コントロールが不十分な場合は主治医へ報告・相談します。また非薬物療法(体位調整・マッサージ・保温)も組み合わせてQOLを高めます。
がんの在宅療養で家族が一番つらいことは何ですか?どうサポートしてもらえますか?
よく聞かれるのは「痛みが出たときにどうすればいいか分からない」「夜中に急変したら怖い」という不安です。OURは家族への介護指導・緊急時の連絡フロー説明・心理的サポートを行います。「あなたのケアは正しい」と伝えることで、家族の自信と安心感を支えます。
医療用麻薬を自宅で使うことに不安があります。
医療用麻薬は適切に使えば依存性より痛みの改善効果が大きく、在宅でも安全に管理できます。OURの看護師が保管方法・投与量・副作用(便秘・眠気など)の対処を具体的に説明します。困ったことがあれば24時間相談できます。
まとめ:倦怠感・食欲不振は「仕方ない」ではなく、ケアできる症状
- がん関連倦怠感は原因をアセスメントして対処できるものから対応する
- 食欲不振には「少量頻回」「好きなものを優先」「口腔ケア」が有効
- 無理な食事摂取より、QOL(生活の質)を守ることが終末期ケアの本質
- 訪問看護師は症状観察・口腔ケア・家族支援を一体的に行う
今日できる一歩:本人が「少し食べられそう」と言う時間帯を記録して、その時間に合わせて好きな食べものを少量準備することから始めましょう。
宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応
“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします
☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時