
ケアマネジャーとして「訪問看護をうまく使えているか」と問われると、正直なところ迷うことがある、という声をOURはよく耳にします。「医療処置が必要そうだけど、訪問看護に頼んでいいのかどうかわからない」「いくつかの事業所に打診したが、連絡が遅くて困った」「緊急時の連絡体制がよくわからない」。こうした悩みは、連携の経験が浅い段階では珍しくありません。
このコラムは、ケアマネジャーの方に向けた「訪問看護の活用ガイド」です。連携しやすい事業所の特徴・医療保険と介護保険の判断ポイント・初回カンファレンスの進め方・OUR訪問看護ステーションとの連携事例を、現場の視点からまとめます。監修は認定作業療法士・OUR代表の中田富久です。
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ケアマネジャーにとっての訪問看護:在宅での医療ニーズを支える「医療とケアの橋渡し役」
訪問看護とは、看護師・理学療法士・作業療法士が定期的に自宅を訪問し、医師の指示のもとで療養上の看護・診療補助・リハビリテーションを提供する在宅サービスです。
ケアマネジャーの視点で捉えると、訪問看護は「介護サービスでは担えない医療ニーズを在宅で補う存在」です。利用者の状態が変化したとき、介護職では判断できない体調変化の評価・主治医への報告・処置の実施を訪問看護が担うことで、利用者の在宅生活を安定させることができます。
OUR訪問看護ステーションが連携してきたケアマネジャーの方からよく聞く言葉があります。「訪問看護が入ってから、利用者の急変が減った」「入院になりそうなところを、訪問看護が早期に察知して主治医につないでくれた」「自分だけでは判断できない医療的な変化を、訪問看護師が整理して教えてくれる」。
これがケアマネジャーにとっての訪問看護の最大の価値だと、OURは考えています。
訪問看護を「使いやすい」と感じる事業所の特徴:報告速度・医師連携・24時間対応
連携しやすい訪問看護事業所には、共通する特徴があります。ケアマネジャーが事業所を選ぶ際の参考にしてください。
1. 報告が速く、報告内容が具体的
「訪問しました。変化なしです」という報告では、ケアプランを見直すための情報になりません。「バイタル:体温36.8℃・血圧148/90mmHg・SpO2 97%。浮腫が先週より増している。本人は食欲低下を訴えており、昨日から水分摂取も減少している。主治医に報告済み」という形で、数値・変化・対応を組み合わせた具体的な報告ができる事業所が信頼できます。
2. 主治医との連絡がスムーズ
訪問看護は医師の「訪問看護指示書」のもとで動きます。指示の変更・薬の調整・急変時の対応など、主治医との連絡を迅速かつ正確に行える事業所は、結果的にケアマネジャーの仕事も楽にしてくれます。「医師に相談しておきます」と言ってそのままになる事業所と、翌日には主治医に確認してフィードバックをくれる事業所では、在宅ケアの安定感がまったく違います。
3. 24時間・緊急時対応ができる
介護保険の訪問看護は、緊急時の対応について「24時間対応体制加算」を取得している事業所があります。この加算を取得している事業所は、夜間・休日でも利用者・家族・ケアマネからの緊急連絡に対応する体制があります。
「夜中に転倒して、呼吸がおかしい」「熱が急に上がった」という場面で、電話一本で看護師がアドバイスをくれるか、必要に応じて訪問してくれるかどうかは、家族の安心感に直結します。
4. PT・OTが在籍しており、リハビリと看護を一体で提供できる
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)が在籍する訪問看護ステーションでは、医療的なケアとリハビリテーションを同じ事業所で提供できます。「退院後の筋力回復と服薬管理を両方まかせたい」「ADL改善と創傷管理を同時に進めたい」というニーズに、訪問看護が一体的に対応できます。
OUR訪問看護ステーションは看護師・PT・OTが在籍しており、宮崎市内の医療・介護機関との連携実績が豊富です。
5. 高度医療処置に対応できる
在宅酸素療法(HOT)・人工呼吸器・CV(中心静脈)ポート管理・在宅透析など、医療依存度が高い利用者に対応できる事業所かどうかは、ケアプランを組む上で重要な情報です。「この処置には対応できません」という事業所では、医療ニーズが高い利用者を安心して紹介できません。
訪問看護が適しているケースの見極め方:医療保険vs介護保険の判断ポイント
訪問看護は医療保険でも介護保険でも利用できますが、どちらが適用されるかは利用者の状況によって決まります。ケアマネジャーとして知っておくべき判断基準を整理します。
医療保険が優先されるケース
- 厚生労働省が定める「別表第7」(がん末期・ALSなど難病・複数の重症疾患)に該当する
- 特別訪問看護指示書が交付されている(急性増悪・週4回以上の頻回訪問が必要)
- 精神科訪問看護指示書が交付されている(統合失調症・うつ病など精神疾患)
- 要介護認定を受けていない(40歳未満、または40〜64歳で特定疾病に該当しない方)
介護保険が優先されるケース
- 要介護1〜5の認定を受けており、主治医が訪問看護が必要と判断している
- 特定の疾患・状態が「別表第7」「別表第8(特定の状態)」に該当しない
判断に迷ったらまず相談を
医療保険と介護保険のどちらが適用されるか迷ったときは、訪問看護事業所・主治医・ケアマネジャーの3者で確認し合うことが大切です。OURでは、ケアマネジャーからの「この利用者、訪問看護は医療保険と介護保険どちらですか?」という問い合わせを歓迎しています。
課題分析標準23項目とは?ケアプラン作成の基礎と訪問看護が貢献できることでは、ケアプラン作成の基本的な枠組みと訪問看護が貢献できる項目を解説しています。
ケアマネジャーが訪問看護を選ぶポイント(既存記事)では、事業所選びのより詳細な視点をまとめています。
連携がうまくいく情報共有のコツ:初回カンファレンス・定期報告・緊急時の連絡体制
訪問看護との連携は、「紹介して終わり」ではなく継続的な情報共有が肝心です。OURが実際に行っているプロセスをもとに解説します。
初回カンファレンス:スタートをそろえる場として活用する
訪問看護の利用が始まる前後で、ケアマネジャー・訪問看護師・主治医(または病院担当者)・家族が顔合わせする初回カンファレンスを設定することを強くおすすめします。
カンファレンスで確認すべき主な内容:
- 利用者の現在の状態(疾患・処置内容・ADL・認知機能・服薬状況)
- 家族の状況(同居かどうか・主たる介護者は誰か・介護力の程度)
- 訪問看護で担う役割(処置・管理・リハビリ・看取り対応など)
- 緊急時の連絡順序(家族→訪問看護→ケアマネ→主治医など)
- 「この状態になったら報告してほしい」という事前の基準設定
OURでは、利用開始前にケアマネジャーへ「初回カンファレンス希望の有無」を確認し、必要に応じてコーディネートしています。
定期報告:月1回の文書+変化があればその都度
介護保険の訪問看護では、月に1回程度の文書報告(訪問看護報告書)をケアマネジャーに提出することが求められます。ただし、状態変化・入院・急変があった際はその都度電話・メール等でリアルタイムに連絡することが、連携の質を高めます。
「月次報告書は来るけど、何かあったときに連絡が来ない」という事業所は信頼性が低いと判断して構いません。OURでは「変化があればまずケアマネに一報」を基本動作にしています。
緊急時の連絡体制:連絡先と対応範囲を事前に明確化する
緊急時に誰に・どのタイミングで連絡するかを事前に決めておくことが重要です。以下のような取り決めをしておくと、いざというとき迷いません。
| 状況 | 最初に連絡する先 |
| バイタル異常・急変の疑い | 訪問看護→主治医 |
| 夜間の利用者・家族からの緊急連絡 | 訪問看護(24時間対応の場合) |
| サービス変更・ケアプラン見直し | ケアマネジャー |
| 入院が決まった | 訪問看護→ケアマネジャーへ連絡 |
OURは24時間オンコール対応体制を整えており、夜間・休日の緊急連絡にも対応しています。
在宅移行を成功させるためにでは、退院後のサービス調整や連携体制の作り方を詳しく解説しています。
地域包括支援センターとは何かでは、複合的な課題を持つ利用者へのアプローチで地域包括がどう機能するかをまとめています。
OUR訪問看護との連携事例:宮崎市でのケアマネとの協働
OURは宮崎市・国富町・高岡町・綾町のケアマネジャーの方と多くの連携実績があります。現場でよくある連携のパターンを、個人情報を除いた形でご紹介します。
事例A:退院後の褥瘡ケアと服薬管理の同時支援
長期入院から退院した80代男性(要介護4)のケース。退院直後は仙骨部の褥瘡があり、複数の内服薬の自己管理が困難な状況でした。ケアマネジャーから「褥瘡処置と服薬確認を両方お願いしたい」との依頼を受け、OURが週3回の訪問看護を開始。訪問のたびに処置状況・服薬状況・バイタルをケアマネジャーに報告し、約2か月で褥瘡が改善、その後も安定した在宅生活が続いています。
事例B:ALS(筋萎縮性側索硬化症)の在宅療養支援
人工呼吸器を使用するALS患者(50代男性)の在宅療養を、訪問看護・訪問介護・ケアマネの3者で支えたケースです。医療依存度が高く、毎日複数回の訪問が必要な状態でした。ケアマネジャーが全体のコーディネートを担い、OURが医療処置(人工呼吸器管理・吸引・胃ろうケア)を毎日担当。主治医・病院・家族とのコミュニケーションはOURが窓口になって整理し、ケアマネジャーの情報管理負荷を軽減しました。
事例C:認知症と心不全の複合ケース
80代女性、認知症(中等度)と慢性心不全の複合ケース。体重管理・浮腫の観察・服薬確認が日々必要でしたが、一人暮らしで家族は遠方。OURが週2回訪問し、訪問のたびに体重・血圧・浮腫の状態をケアマネジャーと主治医に共有。「急変のリスクがある時期」の早期発見に努め、緊急入院2件を事前の対応で回避できました。
こうした連携を積み重ねる中で、OURのケアマネジャーへの基本姿勢は「情報をきちんと返す・困ったときは速やかに連絡する・ケアマネの判断を支える情報提供を行う」です。
FAQ
Q1. ケアマネジャーが訪問看護事業所に最初に聞くべきことは何ですか?
最初に確認すべきことは、(1)受け入れ可能かどうか(曜日・時間の空き状況)、(2)担当する利用者の疾患・処置に対応できるか、(3)24時間対応の有無、(4)PT・OTの在籍有無と提供できるリハビリの内容、(5)報告の方法・頻度の5点です。OURへの問い合わせの場合、これらを電話またはメールで確認いただければ、対応可否を速やかにお伝えします(tel: 0985-77-8266)。
Q2. 訪問看護の利用開始までどのくらいかかりますか?
主治医による訪問看護指示書の発行が必要なため、指示書の確認・交付にかかる時間が最短でも数日です。OURでは、ケアマネジャーからの依頼を受けた後、主治医への指示書依頼を速やかに行い、可能な限り早く訪問を開始できるよう動いています。緊急性が高い場合は口頭指示での訪問後に指示書を後日受け取ることも、主治医の判断のもとで可能です。
Q3. 医療保険と介護保険、どちらの訪問看護かわからない場合はどうすればいいですか?
まず主治医に「この方には訪問看護の医療保険適用疾患・状態がありますか」と確認するのが確実です。OURにご相談いただければ、疾患・状態に応じて医療保険・介護保険どちらが適用されるかをご説明します。ケアマネジャーが直接判断する必要はなく、訪問看護ステーション・主治医・ケアマネで一緒に確認することが重要です。
Q4. OURはどんな疾患・状態に対応できますか?
OURは対応できない疾患がないことを強みとしています。在宅酸素療法(HOT)・人工呼吸器・CV・ポート管理・在宅透析・ALS・認知症・精神科疾患・がん終末期・褥瘡ケア・ストーマ管理・胃ろうケアなど、高度医療処置を必要とする利用者への訪問実績があります。「うちの事業所では受け入れ難しい」と感じる医療依存度の高いケースについても、まずご相談ください。
Q5. ケアマネジャーからの相談・問い合わせはいつでも受け付けていますか?
はい。OURはケアマネジャーからの相談・問い合わせを平日9時〜17時に受け付けています(tel: 0985-77-8266)。「すぐに対応が必要かどうかわからない案件」でも、遠慮なくご連絡ください。「このまま在宅で続けられるか確認したい」「入院を回避できないか一緒に考えてほしい」という段階からの相談を歓迎しています。
Q6. 連携事業者として登録してもらうにはどうすればいいですか?
特別な手続きは不要です。まずお電話またはお問い合わせフォームからご連絡ください。OURの担当者がご挨拶に伺うことも可能です。宮崎市内の居宅介護支援事業所との連携件数は着実に増えており、初めてご連絡いただくケアマネジャーの方も多くいらっしゃいます。一緒に在宅ケアの質を高めていきましょう。
まとめ:「連携しやすい訪問看護」は4つの基準で選べる
- 連携しやすい訪問看護事業所の特徴は、「報告が速く具体的・主治医連携がスムーズ・24時間対応・高度医療処置に対応」の4点
- 医療保険か介護保険かの判断は、訪問看護ステーション・主治医・ケアマネジャーで三者確認するのが確実
- 初回カンファレンスで役割分担・緊急時対応を共有しておくと、その後の連携が格段にスムーズになる
- 月次報告書だけでなく「変化があれば随時連絡」が連携の質を決める
- OUR訪問看護ステーションは宮崎市・国富町・高岡町・綾町で24時間対応、高度医療処置にも対応
今日できる一歩:連携中または連携を検討している訪問看護事業所に「緊急時の連絡先と対応体制」を一度確認してみましょう。OUR訪問看護ステーションへのご相談・連携のご依頼はtel: 0985-77-8266までお気軽にどうぞ。
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参考文献一覧
- 介護保険法(昭和58年法律第57号)(e-Gov法令検索)
- 訪問看護療養費に係る訪問看護ステーションの基準等について(厚生労働省保険局)
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(厚生労働省省令)
- 居宅介護支援事業所及び介護支援専門員の業務等に関するガイドライン(厚生労働省、2022年改定)
- 別表第7疾患および特掲診療料の施設基準等(厚生労働省告示)
次に読まれている記事
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- 地域包括支援センターとは何か:地域包括との連携を理解したいケアマネジャーへ
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監修:中田富久(認定作業療法士・OUR代表) 執筆:OUR訪問看護ステーション 看護・リハビリチーム