
令和8年3月10日、OUR訪問看護ステーション代表の中田富久が、帝人株式会社主催の第4回「みんなの訪問看護アワード」において大賞を受賞しました。
全国の訪問看護の現場から集まった数多くのエピソードの中から選んでいただいたこと、チームを代表して心よりお礼申し上げます。そして受賞エピソードが漫画家・広田奈都美氏の手によって漫画化され、NsPace公式サイトで公開されました。
この記事では、受賞エピソードに込めた思いと、エピソードが漫画になって初めて気づいたこと、そしてOURが訪問看護を通じて大切にしていることをお伝えします。
宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応
“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします
☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時
第4回「みんなの訪問看護アワード」について

「みんなの訪問看護アワード」は、帝人株式会社が主催する全国規模のコンテストです。訪問看護の現場で生まれた実践エピソードを広く社会に伝えることを目的とし、訪問看護師・セラピスト・管理者などが日々の関わりの中から印象的な出来事を応募します。
第4回となる今回は、5名の特別審査員と医療関連団体・学識経験者が審査に関わりました。令和8年3月10日の授賞式において、大賞をはじめとする複数の受賞者が発表されました。
大賞に選ばれたエピソードは特典として漫画化されます。今回の受賞エピソード「わたしらしさを、ともにつくる」は、「ナースのチカラ」の著者としても知られるナース漫画家・広田奈都美氏によって11ページの漫画として描き下ろされ、訪問看護専門メディア「NsPace」公式サイトで公開されています。
受賞エピソード「わたしらしさを、ともにつくる」
かかわった方のこと
受賞エピソードのタイトルは、計らずもOURの理念そのものでした。
かかわったのは、HIV感染症と、その後に起きた脳出血という二重の困難を経験した方でした。病気そのものだけでなく、社会的な偏見や孤立とも向き合いながら、それでも「わたしらしい人生をもう一度つくりたい」という願いを胸に、在宅療養を続けていました。
訪問を重ねる中で、その方は少しずつ目標を言葉にするようになりました。「また働きたい」「外に出たい」「自分でお風呂に入りたい」。一つひとつは小さな目標に見えるかもしれないけれど、その方にとっては人生を取り戻すための大きな一歩でした。
時間を経て、その方は就職し、外出できるようになり、自宅で入浴できる日を取り戻しました。「3年前から180°変わった」とご本人が言ってくれた言葉は、今も深く記憶に残っています。
エピソードに込めた思い

訪問看護師として訪問する理由は、処置や管理をこなすためではないと思っています。
体の状態を整えることは必要なことです。でもそれは、その人が「その人らしく生きること」を支えるための手段のひとつでしかない。「仕事に戻りたい」「また外を歩きたい」「自分でお風呂に入りたい」。その言葉の奥にある願いをちゃんと受け取り、一緒にそこへ向かうことが訪問看護の本質だと思っています。
訪問看護は、病を抱えながらも「その人らしく生きる」ための選択肢の一つです。医療を届けることが目的なのではなく、その人の生活を支えることが本質。このエピソードはその思いを、一番正直に表せた経験でした。
エピソードが漫画になって気づいたこと

受賞の知らせとともに、大賞エピソードが漫画化されると聞いたとき、最初は驚きより戸惑いのほうが大きかったことを覚えています。
自分が経験した出来事が、誰かの絵とセリフで再構成される。自分の言葉でさえ書き切れなかったことが、11ページの漫画になる。それがどういう形になるのか、想像できないまま完成を待ちました。
漫画を読んだとき、不思議な感覚がありました。あの日々が「物語」として成立していることに、改めて気づいたのです。その方が少しずつ変わっていく過程、言葉にならなかった感情、何気なく交わした会話。それらが絵の力によってくっきりと輪郭を持ちました。
広田奈都美氏が描いてくれたのは、ケアの「技術」ではなく、かかわりの「温度」でした。訪問看護の仕事がどういうものかを、難しい言葉を一切使わずに伝えてくれた。読んだ方に「訪問看護ってこういうものか」と感じてもらえるとしたら、それは漫画という表現の力だと思います。
一方で、大賞をいただいたことへのよろこびと同時に、「責任の重さ」も感じています。受賞が目的になった瞬間に、自分たちの仕事の意味が変わってしまう。この漫画と受賞が、次の一歩に火をつけるものになってほしいと思っています。
OURが大切にしていること

OUR訪問看護ステーションの理念は「わたしらしさを、ともにつくる」です。
これは、看護師やセラピストが正解を押しつけるのではなく、その方とともに「その人にとっての在宅生活」を考え、つくっていく姿勢を言い表しています。病気の種類や重症度に関係なく、その方が何を望んでいるのかを聞くことから始めます。「こういうケアはできません」という枠で線を引く前に、まず「何がしたいか」を聞く。
様々な分野に精通する看護師やリハビリスタッフが在籍し、24時間365日対応できる体制を持つのも、「困ったときにそこにいる存在」でありたいからです。
今回の受賞は、中田個人への評価ではなく、OURのチーム全員が日々の実践で積み上げてきたものだと受け取っています。
私たちと一緒に『わたしらしさ』を
この記事を読んでいる看護師・セラピストの方へ、一言お伝えしたいことがあります。
訪問看護は、病院の延長線上ではなく、その人の「生活の場」に入る仕事です。マニュアル通りにはいかないことが多い。でもその分だけ、「本当に必要なケア」に向き合える場所でもあります。
OURでは、処置が上手な人より「その人の話をちゃんと聞ける人」を大切にしています。難しいケースに正解を持ってくる人より、難しい状況の中で一緒に考えられる人といっしょに働きたいと思っています。
今回の漫画を読んで「こういう仕事がしたい」と感じてくれた方がいたなら、ぜひ一度話を聞きにきてください。病院から訪問看護への転向を考えている方、経験が浅くても丁寧に育てる環境を求めている方、ぜひ誰かの『あなたらしさ』と共につくりましょう。
最後に
令和8年3月10日に受賞した第4回みんなの訪問看護アワード大賞は、「わたしらしさを、ともにつくる」というOURの理念が現場での実践として評価されたものと受け止めています。そのエピソードが漫画という形で多くの方に届くことを、心からうれしく思っています。
この賞に恥じないケアを続けること。それが、今の私たちにとっての次の目標です。
この記事を監修した人
株式会社OUR 代表取締役
中田 富久
認定作業療法士
昼は工場、夜は専門学校という4年間を経て作業療法士に。総合病院のICU・SCUから回復期、地域包括ケア病棟まで10年以上、脳卒中・難病・整形疾患の患者さんに関わり続けた。学会発表・座長を複数経験し、宮崎県内でも数名しかいない認定作業療法士として地域ケア会議やフレイル予防の場でも活動中。「病院を出ても、その人らしく生きてほしい」——その思いが、2022年のOUR設立につながった。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、妻(看護師)とともに宮崎市で24時間365日の在宅ケアを届けている。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。
宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応
“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします
☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時