
こんにちは。OURの中田富久です。
前回のコラムでは、「チームは仕組みじゃなく、文化でできている」というテーマで、OURの文化づくりについてお話ししました。今回は予告した通り、スタッフ一人ひとりの”らしさ”について書いてみようと思います。
チームって、よく「組織」や「体制」といった言葉で語られがちです。でも実際のところ、チームをつくっているのは、制度でも役割でもなく、「そこにいる人たち」なんですよね。
一人ひとりの”らしさ”が重なり合って、初めて「OURらしさ」が生まれる。そんなことを、日々の訪問看護の現場で感じています。
1. 「この人がいてよかった」と思える瞬間
つい先日、こんなことがありました。
ある利用者さんのお宅で、ちょっとしたトラブルが起きたんです。急な体調変化で、ご家族も動揺されていて、私たちも緊張感のある対応を迫られました。
そのとき、あるスタッフが、利用者さんのそばでそっと手を握りながら、こう言ったんです。
「大丈夫ですよ。一緒にいますからね」
たったそれだけの言葉。でもその声のトーンが、その落ち着いた表情が、その場の空気を変えたんです。ご家族の肩の力がふっと抜けて、利用者さんも少し安心した様子を見せてくれました。
後で「あのとき、あなたがいてくれてよかった」と思いました。
技術や知識も大切です。でも、それ以上に、その人の”存在そのもの”が、誰かを支えることがある。訪問看護という仕事の中で、そういう瞬間に何度も出会ってきました。
2. 一人ひとりの”らしさ”は、チームの多様性になる
OURには、いろんなタイプのスタッフがいます。
明るくてエネルギッシュな人もいれば、静かで観察眼が鋭い人もいる。
サッと動く人もいれば、じっくり考えてから動く人もいる。
おしゃべり好きな人もいれば、言葉少なく寄り添う人もいる。
もし全員が同じタイプだったら、きっとうまくいかないと思うんです。利用者さんもご家族も、状況も、求めるものも、みんな違うから。
ある人には「明るく励ます」ことが必要で、ある人には「静かに見守る」ことが必要。その多様性があるからこそ、OURは柔軟に対応できるチームでいられる。
一人ひとりの”らしさ”は、そのままチームの強さになっているんです。
3. 「できないこと」も、その人の”らしさ”の一部
以前、あるスタッフが悩んでいたことがありました。
「私、○○さんみたいにテキパキ動けなくて…」
でも私は思ったんです。「テキパキ動けること」だけが価値じゃないって。
そのスタッフは、利用者さんの小さな変化に誰よりも早く気づく人でした。ちょっとした表情の変化、言葉の端々に込められた想い、そういうものをキャッチする力がすごくある。
訪問看護って、「速さ」だけじゃなくて、「気づき」も大切な仕事です。むしろ、一人ひとりが全部できる必要はなくて、それぞれの強みを活かし合えばいい。
「できないこと」も含めて、その人の”らしさ”。そしてそれを補い合えるのが、チームのいいところだと思っています。
4. “らしさ”を認め合える関係性をつくる
ただ、「一人ひとりの”らしさ”を大切に」と言うのは簡単ですが、実際にそれを実現するのは簡単じゃありません。
どうしても、「こうあるべき」という型にはめたくなってしまう。効率を求めるあまり、個性を抑え込んでしまうこともある。
OURでも、そういう失敗を何度もしてきました。
でも今、少しずつ変わってきていると感じています。それは、スタッフ同士が、お互いの違いを認め合えるようになってきたから。
「あなたはこういうところがいいよね」
「あのときの対応、すごく助かった」
そういう言葉が、自然に飛び交うようになってきた。誰かの”らしさ”を否定するんじゃなくて、認め合える文化が、少しずつ根づいてきている気がします。
5. おわりに
「一人ひとりの”らしさ”が、チームをつくる」
今回のコラムで一番伝えたかったのは、このことです。
OURというチームは、私一人がつくったものじゃありません。そこにいるスタッフ一人ひとりの”らしさ”が集まって、「OURらしさ」ができている。
これからも、誰かの”らしさ”を大切にできるチームでありたい。そして、その人がいることで、チーム全体がもっと豊かになっていく。そんな組織でありたいと思っています。
次回は、もう少し具体的に、OURでの働き方や、スタッフがどんなふうに自分らしく働いているのか、そんなリアルな部分をお届けできたらと思います。