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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

【訪問看護の利用方法と費用】 医療保険・介護保険の適用関係について(2025年時点)

はじめに

「訪問看護を利用したいけど、どうすればいいの?」 「費用はどれくらいかかるの?」 「医療保険と介護保険、どちらが適用されるの?」

OUR訪問看護ステーションには、このようなご質問が多く寄せられます。訪問看護は在宅療養を支える重要なサービスですが、制度が複雑で分かりにくいと感じる方も少なくありません。

今回は、訪問看護の利用方法と費用について、医療保険と介護保険の違いを中心に解説します。

訪問看護とは

訪問看護は在宅療養を支えるサービスですが、制度が複雑で分かりにくいと感じる方も少なくありません。

主なサービス内容:

  • 健康状態の観察・管理
  • 医療処置(点滴、褥瘡ケア、カテーテル管理など)
  • リハビリテーション
  • 服薬管理・指導
  • 終末期ケア
  • ご家族への介護指導・相談

訪問看護は「年齢・状態・指示内容」によって使える保険が決まります

訪問看護では、利用者様の年齢を起点に、疾病・状態・医師の指示内容を確認しながら、「医療保険」か「介護保険」かを判断します。以下は、その判断の流れを示したものです。

訪問看護は、利用者様の年齢や状態によって、医療保険または介護保険のいずれかが適用されます。
65歳以上で要介護・要支援認定を受けている場合は、原則として介護保険が適用されます。

① まず確認するのは「利用者様の年齢」

図表では、最初に利用者様の年齢を次の3つに分けています。

  • 40歳未満
  • 40~64歳(第2号被保険者)
  • 65歳以上

この年齢区分によって、その後の確認項目が変わります。

② 40歳未満の方の場合

40歳未満の方は、介護保険制度の対象外となるため、原則として医療保険で訪問看護を利用します。

利用回数や訪問頻度については、厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)や状態等(別表8)への該当状況により整理されます。

厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)
末期の悪性腫瘍プリオン病
多発性硬化症亜急性硬化性全脳炎
重症筋無力症ライソゾーム病
スモン副腎白質ジストロフィー
筋萎縮性側索硬化症脊髄性筋萎縮症
脊髄小脳変性症球脊髄性筋萎縮症
ハンチントン病慢性炎症性脱髄性多発神経炎
進行性筋ジストロフィー症後天性免疫不全症候群
パーキンソン病関連疾患頸髄損傷
多系統萎縮症人工呼吸器を使用している状態
厚生労働大臣が定める状態等(別表8)
1.在宅悪性腫瘍等患者指導管理もしくは化学療法等の特定の治療を要する状態
・在宅麻薬等注射指導管理
・在宅腫瘍化学療法注射指導管理
・在宅強心剤持続投与指導管理
・在宅気管切開患者指導管理 ※1
・気管カニューレを使用している
・留置カテーテルを使用している※2
2.医療機器の永続的な使用や人工臓器管理など、特別な医学的管理を必要とする状態
・在宅自己腹膜灌流指導管理
・在宅血液透析指導管理
・在宅酸素療法指導管理
・在宅中心静脈栄養法指導管理
・在宅成分栄養経管栄養法指導管理
・在宅自己導尿指導管理
・在宅人工呼吸指導管理
・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理
・在宅自己疼痛管理指導管理
・在宅肺高血圧症患者指導管理
3.人工肛門・人工膀胱を設置している状態
4.真皮を越える褥瘡がある状態
5.在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者
・真皮を越える褥瘡の状態(DESIGN-R®分類d2以上、または深さ不明だが真皮を越えると判断される場合など)

③ 40~64歳の方の場合

40~64歳の方は、まず 介護保険の「特定疾病」に該当するか を確認します。

  • 特定疾病に該当しない場合
     → 医療保険で訪問看護を利用します
     (別表7・別表8の該当有無により、利用条件が分かれます)
  • 特定疾病に該当する場合
     → 次に、介護認定の有無を確認します
特定疾病
・末期がん
・関節リウマチ
・筋萎縮性側索硬化症(ALS)
・後縦靱帯骨化症
・骨折を伴う骨粗鬆症
・初老期における認知症
・進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(パーキンソン病関連疾患)
・脊髄小脳変性症
・脊柱管狭窄症
・早老症
・多系統萎縮症(MSA)
・糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
・脳血管疾患
・閉塞性動脈硬化症(ASO)
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

④ 65歳以上の方の場合

65歳以上の方は、まず 要介護・要支援認定を受けているか を確認します。

  • 介護認定を受けている場合
     → 原則として介護保険が適用されます
     (ケアプランに基づいて訪問看護を提供)
  • 介護認定を受けていない場合
     → 医師の指示内容や疾病・状態を確認します

⑤ 医師の指示によって医療保険となるケース

65歳以上であっても、次の場合は 医療保険が適用されます。

  • 厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)に該当する場合
  • 特別訪問看護指示書、精神科訪問看護指示書が交付されている場合(※認知症の場合は、介護保険との適用関係を個別に確認します)

これらに該当しない場合は、介護保険での訪問看護となります。

⑥ 医療保険の場合の利用イメージ

医療保険による訪問看護では、以下のような利用条件が定められています。

  • 原則:週3日まで、1日1回
  • 別表7・別表8に該当する場合:
     週4日以上の訪問や、複数回訪問が可能

また、一定の条件下では 複数の訪問看護事業所を利用することが可能です。
ただし、利用条件や組み合わせには制限があり、
同一日に複数事業所による訪問が認められるケースもあります。


訪問看護の利用開始までの流れ

介護保険の場合

  1. 地域包括支援センターまたは市区町村窓口に相談
  2. 要介護認定の申請
  3. 認定調査・主治医意見書の作成
  4. 認定結果の通知(約1ヶ月)
  5. ケアマネジャーの選定
  6. ケアプランの作成
  7. 訪問看護ステーションの選定
  8. 主治医から訪問看護指示書の交付
  9. 訪問看護ステーションと契約
  10. 訪問看護サービス開始

医療保険の場合

  1. 主治医に訪問看護の必要性を相談
  2. 訪問看護ステーションの選定
  3. 主治医から訪問看護指示書の交付
  4. 訪問看護ステーションと契約
  5. 訪問看護サービス開始

訪問看護の費用について

訪問看護の費用は、「介護保険」または「医療保険」のいずれが適用されるかによって異なります。
また、自己負担額は 所得区分・地域区分・加算の算定状況 により変動します。また、同一内容でも医師の指示内容や契約条件により異なる場合があります。

① 介護保険による訪問看護

自己負担割合

介護保険では、利用者の所得に応じて
1割・2割・3割 のいずれかの自己負担割合が適用されます。

基本料金(訪問看護費)

介護保険の訪問看護は、訪問時間区分に応じて単位数が定められています。

  • 30分未満
  • 30分以上60分未満
  • 60分以上90分未満

自己負担額は、算定単位数 × 地域区分別単価 × 自己負担割合によって決まります。

※宮崎市は 「その他地域」 に該当し、1単位=10円 で算定されます。

※地域区分および単位単価は、介護報酬改定等により変更される場合があります。

主な加算(算定される場合)

  • 緊急時訪問看護加算
  • 特別管理加算
  • ターミナルケア加算
  • 看護・介護職員連携強化加算 など

※加算は、利用者の状態や契約内容に応じて算定されます。

② 医療保険による訪問看護

自己負担割合

医療保険では、年齢・所得に応じて
1割~3割 の自己負担割合が適用されます。

訪問看護基本療養費

医療保険の訪問看護は、
訪問時間区分(30分未満/30分以上など) に基づき「訪問看護基本療養費」が算定されます。

自己負担額は、基本療養費+各種加算 × 自己負担割合により決定されます。

※医療保険においても、実際の自己負担額は加算の有無や算定条件により変動します。

主な加算(算定される場合)

  • 24時間対応体制加算
  • 緊急訪問看護加算
  • 特別管理加算
  • ターミナルケア療養費 など

訪問回数について(重要)

医療保険による訪問看護は、原則として週3回まで となります。

ただし、以下の場合は 週4回以上の訪問が可能 です。

  • 厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合
  • 特別訪問看護指示書が交付されている期間中

③ 負担を軽減する制度

高額療養費制度(医療保険)

1か月の医療費の自己負担額が、所得区分ごとに定められた上限額を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。


高額介護サービス費(介護保険)

1か月の介護サービス費の自己負担額が、定められた上限額を超えた場合、超過分が払い戻されます


医療費控除

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が10万円または総所得金額等の5%のいずれか少ない金額を超えた場合、確定申告によりその超過分について税金の控除(還付)を受けられる制度です。


OUR訪問看護ステーションのサポート

私たちOUR訪問看護ステーションでは、制度に関する不安や疑問にも丁寧にお答えします。

  • 利用開始前の相談
  • 制度説明・費用の概算提示
  • ケアマネジャーとの連携
  • 医療機関との連携

まとめ

訪問看護は、訪問看護は、医療保険または介護保険を利用して、在宅療養を支えるサービスです。制度は複雑に感じるかもしれませんが、関係機関と連携しながら対応しています。

この記事のポイント

✅ 介護保険が優先適用: 要介護・要支援認定を受けている方は、原則として介護保険が適用

✅ 医療保険が適用される場合: 40歳未満の方、40~64歳で介護保険の特定疾病に該当しない方、厚生労働大臣が定める疾病・状態に該当する方、特別訪問看護指示書等が交付されている場合病)、特別訪問看護指示書交付時

✅ 利用開始までの流れ: 介護保険は要介護認定が必要、医療保険は主治医の指示書のみで開始可能

✅ 費用は所得に応じて1〜3割負担: 介護保険・医療保険ともに自己負担割合が設定されている

✅ 訪問回数の違い: 介介護保険は訪問回数の上限はありませんが、要介護度ごとの支給限度額およびケアプランに基づいて利用します。

✅ 負担軽減制度が利用可能: 高額療養費制度、高額介護サービス費、医療費控除など

OURからのメッセージ

「制度が複雑でよくわからない…」 「費用が心配で利用をためらっている…」 「どこに相談すればいいかわからない…」

そんな不安をお持ちの方、まずはOUR訪問看護ステーションにご相談ください。

制度や費用について、ご相談内容に応じてご説明します。
利用者様とご家族が在宅療養を継続できるよう、関係機関と連携しながら支援を行っています。

あなたらしさを、ともにつくる。 それが、OURの理念です。


お問い合わせ

OUR訪問看護ステーション

📞 電話: 0985-77-8266(平日8:30-17:30)
📱 24時間連絡体制: 緊急電話
📧 お問い合わせフォームhttps://our-co.jp/contact/
📍 対応エリア: 宮崎市全域、国富町、綾町、新富町

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執筆日: 2025年12月
執筆: OUR訪問看護ステーション


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この記事を書いた人

OUR訪問看護ステーション

宮崎市を拠点に、「あなたらしさを、ともにつくる」を理念として、訪問看護サービスを提供しています。

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参考文献

本記事は、以下の公的機関の資料に基づいて作成されています。

厚生労働省

公益財団法人 日本訪問看護財団


法的免責事項

  • 本記事の内容は2025年12月時点の情報に基づく一般的な情報提供を目的としたものです。
  • 制度の詳細や費用は、法改正や報酬改定により変更される可能性があります。
  • 個別の状況については、必ずケアマネジャー、訪問看護ステーション、または市区町村窓口にご確認ください。
  • 本記事の情報に基づいて行動された結果について、OUR訪問看護ステーションは一切の責任を負いかねます。