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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

在宅ホスピス・在宅看取りを選んだご家族へ。準備すべきことと訪問看護の役割を解説

「最期は自宅で過ごさせてあげたい」その思いを持ちながら、何をどう準備すれば良いか、本当にできるのか不安を抱えるご家族が多くいます。この記事は、在宅での看取りを選んだ、あるいは選ぼうとしているご家族に向けて、準備すべきこと・よくある不安への回答・訪問看護師が担う役割を正直にお伝えします。OUR訪問看護ステーションでは宮崎市を中心に多くのご家族の在宅看取りを支援してきました。その現場の経験から、「知っておけばよかった」という情報を届けます。

宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応

“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします

☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時


在宅看取りを選ぶということ。「自宅で最期を」という選択と家族への正直な情報提供

在宅看取りとは、病院ではなく自宅でその方の最期を迎えることであり、医療チームと家族が連携して最期まで自宅でのケアを継続する選択です。

厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査」(2018年)では、自宅または自宅に準じた場所での最期を望む国民が約70%にのぼるとされています。しかし実際に自宅で亡くなる方は全体の約13〜15%(統計によって変動)にとどまります。「希望はあるが、実現が難しい」という現実があります。

在宅看取りが増えにくい理由

  • 「急変したらどうすれば良いかわからない」という家族の不安
  • 「自分たちで介護できるか自信がない」という心理的障壁
  • 「医師や看護師がいない夜間・休日が怖い」という孤立感
  • 訪問診療・訪問看護の仕組みを知らない

こうした不安の多くは、「支援体制を整え、何が起きるかを事前に知っておく」ことで和らぎます。

本人の意思を確認しておくことの大切さ

在宅看取りを選ぶにあたって最も重要なことの一つが、本人の意思の確認です。「自宅で最期を迎えたい」という意思が本人から確認できている場合、家族も「本人の希望に応えている」という気持ちで介護を続けやすくなります。

意識がある間に、「どこで最期を迎えたいか」「どんなケアを希望するか」「延命処置をどこまで望むか」を話し合っておくことがアドバンス・ケア・プランニング(ACP)と呼ばれます。主治医・訪問看護師が話し合いの場をサポートすることも可能です。

ホスピスの選択肢も含めた総合的な解説はホスピスとは何か。入院型ホスピスと在宅ホスピスの違い・費用・選び方をご覧ください。


在宅看取りに必要な準備:医療体制・療養環境・書類・家族の心の準備

在宅看取りの準備は「医療体制」「療養環境」「書類・手続き」「気持ちの準備」の4分野に分けると漏れなく整えられます。

医療体制の整備

訪問診療医(在宅医)の確保 在宅看取りには訪問診療医が不可欠です。定期的な往診と緊急往診に対応できる医師を確保しましょう。「看取り対応可能か」を明確に確認しておくことが重要です。

訪問看護ステーションの契約 24時間対応の訪問看護ステーションと契約することで、夜間・休日の緊急対応が可能になります。OUR訪問看護ステーションは24時間・365日のオンコール体制を整えており、「急に呼吸が苦しそう」「意識状態が変わった」という緊急連絡にも対応しています。

薬の準備と管理 医療用麻薬(疼痛管理)・抗不安薬・吐き気止めなどを事前に自宅で準備しておくことで、急変時にも迅速に対応できます。「いざというときに使う薬」を在宅医・訪問看護師と事前に確認し、保管場所と使用タイミングを家族全員で共有しておきましょう。

療養環境の整備

項目内容
介護ベッド高さ調整・背もたれ付きのレンタルベッドで家族の介護負担を減らす
エアマット床ずれ(褥瘡)の予防に必須。要介護認定があれば介護保険でレンタル可能
吸引器分泌物が多い場合に必要。訪問看護師が指導する
ポータブルトイレトイレまでの移動が難しくなったときに備えて
患者リフト・スライディングシート体位変換・移動の補助用具

部屋の配置も重要です。1階の部屋で介護するほうが移動・介護がしやすく、家族が見守りやすい環境になります。本人が家族の気配を感じられる場所に寝てもらうことで、精神的な安心感にもつながります。

書類・手続き

事前に準備しておくと良い書類

  • 訪問看護指示書(在宅医が訪問看護ステーションに発行)
  • 緊急時の連絡先リスト(在宅医・訪問看護・ケアマネジャーの電話番号を一覧化)
  • DNAR(心肺蘇生不要の意思表示書):本人の意思があれば在宅医に相談
  • お薬手帳・処方箋管理

亡くなった後の手続きの確認 事前に葬儀社・霊柩車の手配先・菩提寺などの連絡先を家族で共有しておくと、いざというときの混乱が減ります。

家族の心の準備

「最期は自宅で」という決意をしても、実際に介護が始まると精神的に消耗することは避けられません。以下の点を家族でしっかり話し合っておきましょう。

  • 主介護者は誰か(一人で抱え込まない体制を作る)
  • 仕事・育児との両立をどうするか
  • 「苦しそうに見えてつらくなったら」「自信がなくなったら」入院に切り替えることも選択肢と認識しておく

在宅でのターミナルケアについては在宅でターミナルケアはできる?最期を自宅で過ごすための準備と訪問看護の役割もあわせてご覧ください。


在宅看取りの「よくある不安」と現実:痛みはどうなるか、苦しいまま亡くなるのか

在宅看取りを考えるご家族から最も多く聞く不安の声に、OUR訪問看護ステーションの看護師として正直にお答えします。

「最期は苦しいまま亡くなるのでは」という不安

適切な緩和ケアが行われていれば、多くの方は苦しい状態のまま亡くなることはありません。末期状態では呼吸が浅くなり・意識が薄れていく経過をたどりますが、本人は痛みよりも「うとうとしている感覚」に近い状態になることが多いです。

訪問看護師が定期的に訪問して症状を観察し、医師と連携して「今この時点で何が必要か」を調整し続けることで、苦痛をできる限りやわらげます。

「夜中に急変したらどうすればいいか」という不安

24時間対応の訪問看護ステーションと契約していれば、夜中でも電話一本で看護師が対応します。「どうすればいいかわからない」「来てもらえますか」という電話を遠慮せずにかけてください。

OURでは夜間のオンコール対応を行っており、電話での対応から必要であれば緊急訪問まで対応しています。「救急車を呼ぶべきか」という判断の相談にも乗ります。

「自分たちが看取ったときに後悔しないか」という不安

看取りをした後に後悔する気持ちは、多くの家族が経験します。「もっとできることがあったのでは」「苦しませてしまったのでは」という思いです。

訪問看護師からお伝えしたいのは、「一緒にいてあげたこと」「自宅でという意思を尊重したこと」が何より大切だということです。完璧な介護をしなくても、そばにいてあげることが本人にとって最大の安心です。

「亡くなった後の手続きがわからない」という不安

在宅で亡くなった場合、まず在宅医に連絡し、医師が死亡診断書を発行します。救急車を呼んだり、警察が介入したりすることは基本的にありません(かかりつけの在宅医がいる場合)。その後、葬儀社への連絡・死亡届の提出などの手続きに進みます。訪問看護師がそばで手順を案内するので、一人で対応する必要はありません。

がんの在宅看取りについての詳細はがんで自宅での看取りを選ぶには?準備と訪問看護の役割をわかりやすく解説をご参照ください。


訪問看護師が行う看取りケア:24時間対応・家族指導・死亡診断の流れ

看取り期における訪問看護師の役割は、医療処置だけでなく、本人・家族の両方に寄り添うことです。

看取り直前期(数週間〜数日前)の訪問看護

症状観察と報告 呼吸の状態・意識レベル・四肢の冷感・皮膚の変化などを観察し、在宅医に報告します。「最期が近づいているサイン」を家族にわかりやすく説明し、心の準備を助けます。

疼痛コントロールの補助 医師の指示のもと、貼り薬・皮下注射・持続注入器の調整を行います。「薬が効いているか」「量を増やすべきか」を定期的にアセスメントして医師に伝えます。

口腔ケア・体位変換・保湿ケア 食事が取れなくなってからも、口の中の乾燥・不快感を取り除くケアは続きます。家族にケアの方法を指導し、「自分でも何かできる」という実感を持てるよう支えます。

家族への精神的サポート 「今どういう状態か」「あとどのくらいか」を正直に、でもやさしく説明します。家族が感じている罪悪感・不安・疲労を受け止め、「それで十分です。よくやっています」という言葉をかけ続けます。

看取り直後の対応

ご本人が息を引き取ったとき、訪問看護師は以下の対応を行います。

  1. 在宅医に連絡し、死亡確認・死亡診断書の発行を依頼する
  2. ご遺体の清拭(エンゼルケア):体をきれいに整える最後のケア
  3. 家族が落ち着くまでそばに寄り添う
  4. 葬儀の連絡先・次のステップを家族と確認する

エンゼルケアは「最後に看護師がお見送りをする」大切な時間であり、OURの看護師はこの時間を丁寧に行っています。


亡くなった後の手続きと家族のグリーフケア

在宅看取りの後には、さまざまな手続きが待っています。事前に把握しておくことで、混乱を防ぎ、家族が悲しみに向き合う時間を確保できます。

亡くなった直後の手続き

手続き期限の目安担当
死亡診断書の受け取り当日在宅医
葬儀社への連絡当日〜翌日家族
死亡届の提出7日以内家族(葬儀社が代行可)
火葬許可証の取得死亡届提出と同時市区町村窓口

介護保険・年金などの行政手続き

  • 介護保険被保険者証の返却(市区町村に)
  • 後期高齢者医療保険証の返却
  • 年金受給停止の手続き(年金機構へ届出)
  • 高額療養費の還付申請(未申請分がある場合)

グリーフケアと家族の心のケア

在宅で最期を看取った家族の多くは、「看取れて良かった」という満足感とともに、「もっとできたのでは」という複雑な気持ちを抱えます。このような悲嘆(グリーフ)の感情は自然なものです。

OUR訪問看護ステーションでは、看取り後に訪問看護師が家族のもとを訪ねてお話を聞く機会を作っています。「あの時の判断は正しかったのか」「本人は苦しくなかったか」——そういった気持ちを打ち明けられる場として、看護師がいます。

一人で抱え込まず、訪問看護師・ケアマネジャー・かかりつけ医、地域包括支援センターなどに話を聞いてもらうことが大切です。


まとめ

  • 在宅看取りは「24時間対応の訪問看護+訪問診療」という体制があれば、多くの方に実現できる
  • 準備は「医療体制」「療養環境」「書類」「気持ちの準備」の4分野で整理する
  • 「苦しいまま亡くなるのでは」「夜中の急変が怖い」という不安には、緩和ケアと24時間対応で応えられる
  • 訪問看護師は医療処置だけでなく、本人・家族への精神的サポート・エンゼルケアまで担う
  • 看取り後のグリーフケアも訪問看護ステーションがサポートします

今日できる一歩:「在宅で看取りたいけれど、本当にできるか不安」——そのままの気持ちを、今日OURにお電話またはメールでお伝えください。できること・できないことを正直に説明します(tel:0985-77-8266)。


宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応

“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします

☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時


FAQ

在宅看取りを途中でやめて入院に切り替えることはできますか?

できます。在宅看取りを始めたからといって、最後まで在宅でなければならないわけではありません。「症状がコントロールしにくくなった」「家族の介護が限界になった」「本人が入院を希望した」などの状況では、いつでも緩和ケア病棟や一般病棟への入院に切り替えられます。在宅看取りを「失敗した」と感じる必要はなく、その時点での最善の選択をすることが大切です。在宅医・訪問看護師と常に連絡を取り合い、状況が変わったら遠慮なく相談してください。

在宅で亡くなった場合、警察は来ますか?

かかりつけの在宅医がいて、その医師が死亡確認できる場合は、警察が介入することは基本的にありません。在宅医が死亡診断書を発行し、通常の手続きで葬儀を行えます。ただし、在宅医が不在で死因が不明な場合など、異状死として警察への届出が必要になるケースもあります。在宅看取りを始める前に「かかりつけの在宅医が死亡診断に対応してくれるか」を確認しておきましょう。

痛み止めを使うと寿命が縮まりますか?

これはよくある誤解です。医療用麻薬(オピオイド)を適切に使用しても、寿命が縮まることはありません。世界保健機関(WHO)のガイドラインや日本緩和医療学会の指針でも、適切な疼痛管理が生活の質を向上させ、むしろ生存期間に良い影響を与える可能性が示されています。「麻薬を使うと早く死ぬ」という考えで痛みを我慢させることのほうが、本人にとって苦しい最期につながります。

在宅看取りを選んだら、本人はどのくらい自宅にいられますか?

在宅での療養期間は、病状の進行・症状の程度・在宅チームのサポート体制によって大きく異なります。数週間で亡くなるケースもあれば、半年以上自宅で過ごされる方もいます。入院を前提とせず、「今の状態で在宅ケアを始める」という姿勢で取り組むことが大切です。状況に応じて在宅医・訪問看護師が柔軟に対応し、本人と家族が納得できる時間を過ごせるよう支援します。

一人暮らしでも在宅看取りはできますか?

一人暮らしの方の在宅看取りは、介護力の問題から難易度が高くなりますが、状況によっては可能なケースもあります。ただし、緊急時に誰も発見できない・介護する人がいないという状況では、安全を確保することが難しくなります。同居する家族がいない場合は、ヘルパーや見守りサービスの活用、または近居・近隣家族のサポートを組み合わせることが必要です。在宅看取りを希望する一人暮らしの方は、まず在宅医・訪問看護・ケアマネジャーに正直な状況を話して一緒に検討してみてください。

訪問看護師は夜間・休日でも来てくれますか?

24時間対応の訪問看護ステーションと契約していれば、夜間・休日でも電話対応が可能であり、必要であれば緊急訪問も行います。OUR訪問看護ステーションは24時間・365日のオンコール体制を整えています。「夜中に呼吸の様子がおかしい」「急に顔色が変わった」というときは遠慮なくお電話ください。「来てほしいか・電話で対応できるか」は看護師が判断してお伝えします。


参考文献一覧

  • 人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査(厚生労働省・2018年)
  • 人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン(厚生労働省・2018年改訂)
  • がん対策基本計画(厚生労働省)
  • 緩和ケアの手引き(日本緩和医療学会)
  • 訪問看護の現状と課題(日本看護協会)

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執筆:OUR訪問看護ステーション 看護・リハビリチーム 監修:中田富久(認定作業療法士・OUR代表)

この記事を監修した人

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看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。