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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

地域包括ケアシステムとは何か。5つの構成要素と訪問看護の位置づけ

「地域包括ケアシステム」という言葉は聞いたことがあっても、実際に何を指しているのかよくわからない、という方は少なくありません。ケアマネジャーや医療機関の担当者との打ち合わせで出てくるこの言葉、ご家族の立場でも、介護職・看護職の立場でも、知っておくと見通しが立ちやすくなります。

このコラムでは、地域包括ケアシステムとは何か、5つの構成要素、宮崎市での現状、そして訪問看護がこのシステムの中でどのような役割を果たしているかを整理します。監修は認定作業療法士・OUR代表の中田富久です。

宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応

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☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時

地域包括ケアシステムとは。2025年問題を背景に「住み慣れた地域で最期まで」を支える仕組み

地域包括ケアシステムとは、高齢者が重度の要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する仕組みのことです。

このシステムが政策として本格的に打ち出されたのは、いわゆる「2025年問題」への対応としてです。2025年には団塊の世代(1947〜1949年生まれ)が全員75歳以上になり、後期高齢者の数が急増します。厚生労働省の推計では、2025年には日本の後期高齢者人口が約2,200万人に達し、認知症高齢者も増加することが見込まれています(厚生労働省「認知症施策推進大綱」2019年)。

施設が不足する中で、すべての高齢者を入所施設で支えることは現実的ではありません。「地域・在宅で支える仕組みを作る」という方向性が、地域包括ケアシステムの根本にあります。

「住み慣れた地域で最期まで」というのは単なるスローガンではなく、実際に在宅での看取りを希望する方が増えている現実に応えようとする政策的な意思です。OUR訪問看護ステーションのスタッフは、この仕組みの中で日々利用者の生活を支えています。

地域包括ケアシステムはどこが運営するのか

システム全体を統括・構築する主体は市区町村です。地域の特性に応じて、地域ごとにシステムの内容は異なります。OUR訪問看護ステーションが活動する宮崎市も、市として独自の計画(介護保険事業計画・高齢者保健福祉計画)を策定しながら、このシステムの充実を図っています。

5つの構成要素:住まい・医療・介護・予防・生活支援と、それぞれの担い手

地域包括ケアシステムは「植木鉢」のイメージで説明されることがあります。植木鉢の土台となる「住まいと住まい方」があって、その上に医療・介護・予防・生活支援の4要素が組み合わさる構造です。それぞれの担い手を整理します。

1. 住まい(&住まい方)

在宅生活を続けるためには、本人の状態に合った安全な住環境が基盤になります。自宅の段差解消・手すりの設置・ベッドの導入などの住宅改修は、介護保険で最大20万円(自己負担1〜3割)まで助成が受けられます。一人暮らしや高齢者のみの世帯では、住居の安全性の確認が特に重要です。

担い手:住宅改修業者、福祉用具事業者、建築士、地域包括支援センター

2. 医療

在宅で生活を続けながら治療・管理を受けるための医療体制です。訪問診療(医師の定期的な訪問)、訪問看護(看護・リハビリ)、訪問薬剤師指導などが含まれます。

入院が必要になったときのかかりつけ病院との連携、退院後に在宅へ戻るための退院調整も医療機関の重要な役割です。

担い手:かかりつけ医・訪問診療医、訪問看護ステーション(OURなど)、病院の退院支援室(MSW・退院支援看護師)

3. 介護

日常生活の介助・支援を担います。訪問介護(ホームヘルパー)、通所介護(デイサービス)、短期入所(ショートステイ)、施設入所など、要介護度と本人の希望に応じてサービスを組み合わせます。サービスをコーディネートするのがケアマネジャーです。

地域包括支援センターとは何かでは、ケアマネジャーや地域包括が介護サービスへのつなぎ役としてどう機能するかを解説しています。

担い手:ケアマネジャー、訪問介護事業者、通所介護事業者、介護老人福祉施設など

4. 介護予防・生活支援

要介護状態になるのを遅らせ、できる限り元気な状態を維持するための活動です。体操教室・口腔ケア・認知症予防プログラムなどの地域の通いの場、サロン活動、NPOやボランティアによる日常的なサポートが含まれます。

要支援1・2の方や総合事業の対象となる方には、地域包括支援センターが介護予防ケアプランを作成します。

担い手:地域包括支援センター、自治会・町内会、NPO法人、ボランティア団体

5. 生活支援

買い物・調理・外出支援・見守りなど、介護保険の対象にならない生活上の困りごとを支えます。配食サービス・移送サービス・食料品の宅配・緊急通報システムなどが含まれます。地域によって使えるサービスは異なります。

担い手:NPO・ボランティア、民生委員、自治会、シルバー人材センター、民間サービス

宮崎市での地域包括ケアシステムの現状と課題

宮崎市では、市が策定する「宮崎市高齢者保健福祉計画・第9期介護保険事業計画」に基づき、地域包括ケアシステムの構築を進めています。

OUR訪問看護ステーションが日々の訪問の中で感じる宮崎市の現状は以下のとおりです。

充実しているところ

  • 宮崎市内の医師・訪問診療医と訪問看護の連携は、比較的スムーズに動いているケースが多い
  • 地域包括支援センターのスタッフが積極的に家庭訪問(アウトリーチ)を行っている
  • 比較的農村部・郊外(国富町・高岡町・綾町など)でも、ケアマネや訪問看護が訪問対応している

課題として感じること

  • 在宅医(訪問診療医)の数が限られており、ターミナルケアや高度医療処置に対応できる医師が少ない地域がある
  • 独居・老老介護世帯が増える中で、夜間・休日の見守り体制の構築が課題
  • 退院後の連携が十分機能しないまま自宅に戻るケースがまだある

在宅移行を成功させるためにでは、退院後の生活をスムーズに始めるための準備と、連携する各機関の役割を詳しく解説しています。

訪問看護は「医療と生活の橋渡し役」として位置づけられる

地域包括ケアシステムの中で、訪問看護は「医療」要素の中心的な担い手として位置づけられています。しかし実際の訪問看護の役割は、医療処置だけにとどまりません。

訪問看護師が行うのは、注射・点滴・褥瘡処置・服薬管理などの医療的ケアはもちろんですが、食事・排泄・睡眠・認知機能など生活全体の状態を定期的にアセスメントし、家族・ケアマネ・主治医にフィードバックすることも重要な役割です。

「この利用者の体調が最近変わってきている」「認知症の症状が進んでいる」「家族の介護負担が増している」といった変化にいち早く気づくのが訪問看護師です。医師の指示のもとで動きながら、生活の現場にいるという強みを活かして、医療と生活をつなぐ「橋渡し役」を担っています。

OUR訪問看護ステーションには看護師に加えて理学療法士(PT)と作業療法士(OT)が在籍しており、医療的ケアとリハビリテーションの両方を一体的に提供できる体制です。

訪問看護でリハビリだけ利用できる?では、リハビリ目的での訪問看護の利用条件・費用・手続きを詳しく解説しています。

地域包括ケアで訪問看護が貢献できる具体的な場面

訪問看護がこのシステムの中で実際に貢献できる場面を、具体的に挙げます。

退院直後の在宅移行支援

病院から自宅に帰ったばかりのタイミングは、状態が不安定で急変リスクが高い時期です。訪問看護が毎日または週複数回訪問することで、バイタルサインの変化・飲み食いの変化・傷口の状態などをこまめに確認し、「早期に異変を発見して主治医につなぐ」役割を果たします。

在宅での看取り

自宅での看取りを希望する方・家族に対して、医師・訪問看護・訪問介護・ケアマネが連携して最期まで支える体制を整えます。OURでは看取りに対応できる体制を整えており、在宅での穏やかな最期をサポートしています。

認知症高齢者・精神科疾患の在宅継続

認知症や精神科疾患を持つ方の在宅継続には、医療的な視点での定期的なモニタリングが不可欠です。服薬状況の確認・体調変化の観察・家族への助言を訪問看護が担い、地域包括支援センターと連携しながら包括的に支えます。

高度医療処置を要する在宅療養

人工呼吸器・在宅酸素療法(HOT)・在宅透析・中心静脈栄養(CV)・ポート管理など、病院でなければ管理できないと思われがちな処置も、訪問看護の支援があれば在宅で継続できます。OURは対応できない疾患がないことを強みとしており、高度医療ニーズを持つ方の在宅生活を支えています。


FAQ

Q1. 地域包括ケアシステムは誰が対象ですか?

主に65歳以上の高齢者が対象ですが、高齢者だけに限定されるわけではありません。障害者・難病患者・精神疾患を持つ方への包括的支援も、地域共生社会の概念と合わせて拡張されています。40歳以上の特定疾病による要介護状態の方も介護保険の対象になります。

Q2. 地域包括ケアシステムの「植木鉢」のイメージとはどういう意味ですか?

厚生労働省が地域包括ケアシステムを説明するために使うイメージです。植木鉢の土台(皿)が「住まいと住まい方」、土(鉢の中身)が「介護予防・生活支援」、そこから伸びる葉として「医療・看護」「介護・リハビリ」「保健・福祉」の3要素が一体となって育つ、という図です。住まいと生活支援が整っていないと、医療・介護サービスだけでは「育たない(地域生活が維持できない)」ことを示しています。

Q3. 宮崎市で地域包括ケアシステムを利用するにはどこに連絡すればいいですか?

まずは担当の地域包括支援センターへの相談が入り口です。センターが状況を整理し、必要な医療・介護・生活支援につないでくれます。OUR訪問看護ステーションへの直接のお問い合わせも受け付けています(tel: 0985-77-8266)。

Q4. 訪問看護はシステムのどの部分を担っていますか?

地域包括ケアシステムの「医療」要素の中心的な担い手ですが、生活支援・介護予防にも深く関わります。具体的には、医療処置・服薬管理・体調モニタリング・リハビリテーション・看取り支援を行いながら、家族・ケアマネ・主治医・地域包括へ情報提供する「システム全体のつなぎ役」としても機能しています。

Q5. 地域包括ケアシステムがうまく機能しないとどうなりますか?

各機関がバラバラに動いてしまい、「医療機関では問題がないと言われたが、自宅での生活は破綻している」「サービスは入っているが、家族の負担は減らない」といった状況が生じます。OURの訪問で感じることでもありますが、連携の「間」に落ちてしまうケース(誰も全体像を把握していない状態)が最も危険です。情報共有・多職種連携が、このシステムを機能させる鍵です。


まとめ:地域包括ケアシステムは「在宅で最期まで」を可能にする社会の骨格

  • 地域包括ケアシステムとは、住まい・医療・介護・予防・生活支援を地域で一体的に提供する仕組みで、市区町村が構築主体
  • 2025年問題(団塊世代が後期高齢者へ)を背景に、施設依存から地域・在宅支援へのシフトが加速している
  • 訪問看護はシステムの「医療」を担いつつ、生活の現場にいる「橋渡し役」として機能する
  • OUR訪問看護ステーションは宮崎市・国富町・高岡町・綾町で24時間365日対応し、高度医療処置から看取りまで支えている
  • システムを機能させるのは情報共有と多職種連携であり、地域包括支援センターがそのハブになる

今日できる一歩:在宅生活の不安を感じたら、まず地域包括支援センターかOUR訪問看護ステーション(0985-77-8266)に相談することを選択肢として持っておきましょう。


宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応

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☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時

参考文献一覧

  • 介護保険法(昭和58年法律第57号・平成17年改正)(e-Gov法令検索)
  • 地域包括ケアシステムの構築について(厚生労働省老健局)
  • 認知症施策推進大綱(厚生労働省、2019年)
  • 令和5年版高齢社会白書(内閣府)
  • 宮崎市高齢者保健福祉計画・第9期介護保険事業計画(宮崎市、2024年)

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監修:中田富久(認定作業療法士・OUR代表) 執筆:OUR訪問看護ステーション 看護・リハビリチーム

この記事を監修した人

OUR
TEAM

OUR訪問看護ステーション

看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。