
「一度転んでから、また転ぶのが心配で仕方がない」「退院後に同じことが起きないか不安」。転倒を経験した方やご家族から、このような声をよく聞きます。転倒は一度経験すると再発リスクが高まります。この記事では、なぜ再転倒が起きやすいのか、在宅でできるリスク評価と具体的な予防策を、OUR訪問看護のPT・OTが解説します。
宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応
“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします
☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時
再転倒とは何か。一度転倒した人がなぜまた転びやすいのか

再転倒とは、転倒を経験した人が同じ、または別の原因で再び転倒することです。日本老年医学会の資料によると、地域在住高齢者の約30〜40%が年に1回以上転倒を経験し、そのうち転倒経験者は非経験者の2倍以上の再転倒リスクがあるとされています。
なぜ一度転ぶと再転倒しやすいのか。主な理由は次の3点です。
転倒による身体的ダメージが残る
骨折・打撲・筋肉痛などのダメージが残ると、動きが制限されて筋力が低下します。特に入院・安静期間中の廃用(使わないことによる機能低下)が問題です。退院後、筋力が落ちた状態で自宅に戻ると、転倒前と同じ生活動作をしても転倒リスクが上がっています。
転倒恐怖による活動制限
転倒を経験した方の多くが「また転ぶのが怖い」という恐怖感を持ちます。この恐怖感から外出や動作を減らすと、筋力・バランスがさらに低下し、皮肉にもますます転倒しやすくなります。この悪循環を「転倒後症候群」と呼びます。
転倒の原因が解決されていない
転倒の原因(薬の副作用・視力低下・バランス障害・自宅環境)が転倒後も放置されたまま退院するケースがあります。原因を特定して対策を打たない限り、同じことが繰り返されます。
在宅でできる再転倒リスクの評価
転倒リスクのセルフチェック
以下の項目に多く当てはまるほど再転倒リスクが高いと考えられます。
身体機能面
- [ ] 過去1年以内に2回以上転倒したことがある
- [ ] 歩くとき足がふらつく・よろけることがある
- [ ] 立ち上がるとき手をつかないと難しい
- [ ] 段差や坂道で転びそうになったことがある
- [ ] 視力が低下している・眼鏡が合っていない
薬・病気
- [ ] 4種類以上の薬を服用している
- [ ] 睡眠薬・抗不安薬・降圧薬を飲んでいる
- [ ] 立ちくらみ(起立性低血圧)がある
- [ ] パーキンソン病・脳卒中の後遺症がある
環境・生活習慣
- [ ] 自宅に手すりがない段差がある
- [ ] 足元が暗い(夜間の廊下・トイレ)
- [ ] 靴底が滑りやすい履物を使っている
- [ ] 日中ほとんど動かず横になっていることが多い
TUG(Timed Up & Go)テスト
TUGテストは、椅子から立ち上がって3m歩いて戻り、再び椅子に座るまでの時間を計る簡便な評価方法です。
| 所要時間 | 解釈 |
|---|---|
| 12秒未満 | 比較的良好 |
| 12〜20秒 | 転倒リスクあり・要注意 |
| 20秒以上 | 転倒リスク高・専門的評価が必要 |
この評価はOUR訪問看護師・PTが訪問時に実施します。「一人でやってみたい」という場合は、必ず近くに支える人がいる状態で行ってください。
再転倒を防ぐための具体的な対策
筋力・バランスの回復トレーニング
再転倒予防で最も効果的なのは運動です。特に下肢筋力とバランス能力の維持・回復が重要です。
椅子を使ったスクワット(大腿四頭筋の強化) 椅子の前に立ち、背もたれに手を添えながら、ゆっくり座る・立つを繰り返します。1回5〜10回、1日2〜3セットが目安です。
片足立ち(バランス練習) 壁や手すりの近くで片足立ちを10秒キープします。転倒リスクが高い場合は、指先を壁に添えて行ってください。1日左右各3回が目安です。
かかと上げ・つま先上げ(下腿筋・転倒予防に直結) 立位で両足のかかとをゆっくり上げて下ろす(かかと上げ)、次につま先を上げる(つま先上げ)を繰り返します。各10回・1日2セット。
これらの運動の詳細はフレイル予防のための運動習慣で詳しく解説しています。
自宅環境の見直し
| 場所 | 確認ポイント | 改善策 |
|---|---|---|
| 玄関 | 段差・手すりの有無 | 手すり設置・段差解消スロープ |
| トイレ | 夜間の明るさ・手すり | 足元ライト・手すり設置 |
| 浴室 | 浴槽の出入り | シャワー椅子・浴槽手すり |
| 廊下 | 電源コード・ラグ | コード整理・ラグ撤去 |
| 寝室 | ベッドの高さ | 足が床につく高さに調整 |
手すり設置・段差解消などの住宅改修は、介護保険を使って20万円を上限に9割の補助が受けられます(要介護・要支援認定が必要)。ケアマネジャーに相談してください。
薬の見直し
睡眠薬・抗不安薬・降圧薬など転倒リスクを高める薬を複数飲んでいる場合は、主治医に「転倒予防の観点からの薬の見直し」を相談することをおすすめします。「薬を減らすのは心配」と思う方も多いですが、転倒・骨折のリスクと薬のメリットを比較することが大切です。
OUR訪問看護によるリハビリ・転倒予防支援
OUR訪問看護では、PT(理学療法士)・OT(作業療法士)が自宅を訪問し、再転倒予防のための包括的なサポートを行います。
- 転倒リスクの評価(TUGテスト・バランス評価)
- 個別の筋力・バランストレーニング指導
- 自宅環境の危険箇所チェックと改善提案
- 主治医・ケアマネジャーへの情報提供
- 家族への見守り・介助方法のアドバイス
大腿骨頸部骨折後の在宅リハビリも参考にしてください。
よくある質問
転倒後、どのくらいで動き始めていいですか?
骨折がない場合は、痛みの範囲で早期から動くことが推奨されます。骨折がある場合は主治医の指示に従います。「転んだから安静にしなければ」という考えで長期臥床すると、廃用症候群が進み再転倒リスクがさらに高まります。
一人暮らしの高齢者の転倒リスクはどう対策しますか?
緊急通報システム(自治体の見守りサービス)の導入・家族や近隣への声かけ・週1回以上の訪問看護の活用が有効です。「倒れても誰にも気づかれない」という恐怖が転倒恐怖を悪化させるため、見守り体制を整えることが心理面でも助けになります。
転倒予防のために何から始めればいいですか?
まず「どこが危ないか」を知ることが先決です。上記のセルフチェックリストで当てはまる項目を確認し、3つ以上当てはまる場合はOUR訪問看護かかかりつけ医に相談してください。運動・環境整備・薬の見直しをセットで進めることが重要です。
訪問看護でリハビリは受けられますか?
はい。医師の訪問看護指示書があれば、介護保険または医療保険でPT・OTによる訪問リハビリを利用できます。週1〜3回が一般的で、自宅の環境に合わせた個別プログラムを提供します。
転倒予防のための住宅改修に補助金は使えますか?
介護保険の住宅改修制度を使うと、手すり設置・段差解消などに上限20万円の9割補助が受けられます(要介護・要支援認定が必要)。ケアマネジャーに申請手続きを依頼してください。
まとめ
- 転倒経験者は非経験者の2倍以上の再転倒リスクがあり、原因の特定と対策が不可欠
- セルフチェックリストでリスクを把握し、筋力・バランス訓練と環境整備を並行して進める
- 転倒後の長期臥床は廃用症候群を招くため「怖くても動く」ことが回復の鍵
- 薬の見直し・住宅改修補助・訪問リハビリを組み合わせることで在宅での再転倒は減らせる
- OURのPT・OTが自宅に伺い、個別評価と継続的なリハビリを提供します
宮崎市全域、国富町、高岡町、綾町対応
“あなたらしい”在宅生活を、24時間・365日サポートします
☎ 0985-77-8266受付時間:9時〜17時
参考文献一覧
- 日本老年医学会(転倒・骨折予防に関する情報)https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/
- 介護予防・日常生活支援総合事業(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yobou/