「骨密度が低いと言われたけど、特に症状はない」「骨粗しょう症の薬をもらったが飲み続けていい?」「転んで骨折してから初めて骨粗しょう症だと知った」。このような方は非常に多くいます。
骨粗しょう症は「症状がない」まま進行し、転倒・圧迫骨折をきっかけに初めて発見されることがほとんどです。折れてから治療するよりも、骨折前に骨を守ることが、在宅生活の継続に直結します。
この記事では、骨粗しょう症とは何か・骨折リスクを下げるための治療・在宅での管理ポイントをお伝えします。
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骨粗しょう症とは何か。なぜ骨が折れやすくなるのか
骨粗しょう症とは、骨の量(骨密度)と骨の質が低下し、骨が脆くなって骨折しやすくなる疾患です。
骨は常に「骨吸収(古い骨を壊す)」と「骨形成(新しい骨を作る)」のバランスで維持されています。加齢・女性ホルモンの低下・栄養不足・運動不足によってこのバランスが崩れ、骨の量が減っていきます。
骨粗しょう症になりやすい人
- 閉経後の女性(特に50〜60代以降)
- 高齢男性(70歳以上で増加)
- 長期のステロイド薬使用
- 極端な食事制限・低体重
- 運動不足・長期臥床
- 喫煙・過度な飲酒
- 日光を浴びない生活(ビタミンD不足)
骨粗しょう症で最も怖い骨折の場所
| 骨折部位 | 特徴 | リスク |
|---|---|---|
| 大腿骨頸部(股関節) | 転倒で起きる。手術が必要 | 寝たきり・死亡リスク上昇 |
| 脊椎圧迫骨折 | 転倒なしでも起きる | 背中の痛み・身長低下・猫背 |
| 橈骨遠位端(手首) | 転倒時に手をついて起きる | 比較的軽症 |
| 肋骨 | 軽いぶつかりでも起きる | 肺炎のリスク |
特に大腿骨頸部骨折は、折れてから1年以内の死亡率が約10〜20%とされており(国立長寿医療研究センター)、在宅生活の継続に最大の影響を与える骨折です。
骨粗しょう症の診断と骨密度検査
骨密度検査
骨密度はDEXA(二重エネルギーX線吸収測定法)という方法で測定します。整形外科・内科・婦人科で検査できます。
結果は「YAM(若年成人平均値比)」で表されます:
- 80%以上:正常
- 70〜80%:骨量減少
- 70%未満:骨粗しょう症
「症状がないから検査しなくていい」は危険です。 特に閉経後の女性・70歳以上の男性は定期的な検査が推奨されます。
骨粗しょう症の治療:薬・注射・生活習慣の3本柱
薬物療法
| 薬の種類 | 特徴 | 主な投与方法 |
|---|---|---|
| ビスホスホネート製剤 | 骨吸収を抑制。最もよく使われる | 内服(週1回・月1回) |
| デノスマブ(プラリア) | 骨吸収抑制。注射製剤 | 皮下注射(6か月に1回) |
| テリパラチド(フォルテオ) | 骨を作る。重症者向け | 自己注射(毎日) |
| ロモソズマブ(イベニティ) | 骨形成促進+骨吸収抑制 | 月1回の注射 |
在宅でよく使われるのは「6か月に1回の注射(デノスマブ)」で、訪問看護師が訪問時に注射することが可能です。「薬を飲み忘れる」「毎日の注射が難しい」という方に向いています。
骨に必要な栄養
| 栄養素 | 役割 | 多く含む食品 |
|---|---|---|
| カルシウム | 骨の主成分 | 牛乳・チーズ・豆腐・小魚 |
| ビタミンD | カルシウムの吸収を助ける | 鮭・きのこ・日光浴 |
| ビタミンK | 骨の形成に必要 | 納豆・緑黄色野菜 |
| タンパク質 | 骨の土台(コラーゲン) | 肉・魚・卵・大豆 |
1日のカルシウム摂取目安は700〜800mg(乳製品なら牛乳コップ2杯分)。食事だけで摂りにくい場合はサプリメントも有効です(主治医に相談)。
運動療法
骨に刺激を加えることで骨形成が促されます。
- 荷重運動(最重要):歩行・立ち上がり練習・椅子スクワット
- 筋力強化:転倒リスクを下げる(骨を守る間接効果)
- プールでの水中歩行は荷重刺激が少なく骨への直接効果は限定的
在宅での骨粗しょう症管理:訪問看護の役割
OURは以下のサポートを提供しています。
薬・注射の管理
- ビスホスホネート内服の服薬確認(起きてすぐ・水で・30分は横にならない等の条件を守る)
- デノスマブ(プラリア)の皮下注射(6か月ごとの訪問時施注)
- 副作用(顎骨壊死・低カルシウム血症など)の観察と報告
転倒予防との連携
骨粗しょう症の管理は転倒予防と一体です。OURのPT・OTと連携して住環境の評価・バランス訓練を組み合わせます。
栄養・生活習慣サポート
食事内容・日光浴の習慣・服薬継続のサポートを行います。
よくある質問
骨粗しょう症の薬はいつまで飲み続ければいいですか?
骨粗しょう症の薬は基本的に長期継続が必要です。ビスホスホネートは3〜5年使用後に「休薬」を検討することがありますが、骨密度や骨折リスクの状態によって判断します。自己判断で中断すると骨密度が再び低下するため、必ず主治医と相談してください。
「プラリア注射」を在宅で打てますか?
はい。デノスマブ(プラリア)は6か月に1回の皮下注射で、訪問看護師が施注することが可能です。整形外科や内科との連携のもとで、在宅での管理に対応しています。
骨折したことがあります。また折れやすいですか?
一度骨折した方は「再骨折リスクが高い」状態です。最初の骨折から1〜2年以内の再骨折リスクは特に高く、この時期を「骨折後の危険な窓(Imminent Fracture Risk)」といいます。骨折後は特に積極的な治療・管理が必要です。
骨粗しょう症は男性もなりますか?
なります。男性の骨粗しょう症は女性より少ないですが、70歳以上では増加します。長期ステロイド使用・飲酒・喫煙の習慣がある方はリスクが高く、男性でも骨密度検査が推奨されます。
宮崎市で骨粗しょう症・骨折予防の訪問看護に対応していますか?
はい。OURは骨粗しょう症の注射管理・転倒予防リハビリ(PT/OT在籍)・骨折後の在宅リハビリに対応しています。「薬の管理が不安」「転倒が怖い」という段階からご相談ください。宮崎市全域・国富町・高岡町・綾町に対応しています。
まとめ
- 骨粗しょう症は症状なく進行し、骨折してから発見されることが多い。閉経後の女性・70歳以上は定期検査を
- 大腿骨頸部骨折は折れてから1年以内の死亡率が高く、在宅生活の継続に最大の影響を与える
- 治療の3本柱は「薬(内服・注射)」「栄養(カルシウム・ビタミンD)」「運動(荷重運動)」
- 6か月に1回のプラリア注射は訪問看護師が在宅で対応可能
- OURはPT/OT在籍で骨粗しょう症管理・転倒予防・骨折後リハビリを一貫して支援する
参考文献一覧
- 日本骨粗鬆症学会 http://www.josteo.com/
- 国立長寿医療研究センター https://www.ncgg.go.jp/
- 厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/gaiyo/index.html
この記事を監修した人
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