
1. ごあいさつとコラムを始める理由
「誰かの“らしさ”を支えるって、どういうことだろう?」
私たちOURは、宮崎で訪問看護を行う小さなチームです。
このコラムでは、理念に込めた想いや、日々の実践、そして経営の裏側を、自分の言葉で綴っていこうと思います。
株式会社OUR代表の中田富久です。今日はまず、私たちのはじまりから、お話しさせてください。
2. 株式会社OURという会社について
株式会社OURは、宮崎市を拠点に、地域の方々の暮らしを支える訪問看護を行っているチームです。
看護師やリハビリ職など、さまざまな専門職が力を合わせて、一人ひとりの「その人らしい生活」を支えることを目指してきました。
会社の設立からは3年目となりますが、訪問看護事業は2023年4月にスタート。
現在(2025年)は3期目に入ったところです。
私たちが一番大切にしてきたのは、「人にまっすぐ向き合うこと」。
丁寧なケアと、早く応えること。仲間とともに悩み、歩むこと。
その積み重ねが、少しずつ信頼の輪を広げてきたと感じています。
3. 私自身のこれまでの歩み
私はもともと、自分の考えや感情をあまり表に出すのが得意ではありませんでした。
学生時代の友人からは「何を考えているのかわからない」と言われることも多く、つい最近の同窓会でもそんな話題で笑い合ったほどです。
ただ、内側ではいろいろと感じていても、それをうまく言葉にするのが難しかっただけなのだと思います。
幼い頃は虫も殺せないような性格で、通知表には「落ち着きがない」とよく書かれていました。
今になって振り返れば、どこかに繊細さや衝動性のようなものを抱えていたのかもしれません。
高校卒業後、先生の勧めで就職したのはトラック製造の工場。
繁忙期には月150時間を超える残業も珍しくなく、体力勝負の現場でした。
その中で、職人肌の先輩たちの背中から「働くということ」を学びましたが、長く続けることには限界を感じていました。
そんな頃、テレビで「高齢化社会に向けてリハビリ職の需要が高まる」という話を聞き、25歳で養成校へ。
昼は工場、夜は学校という生活を4年間続け、作業療法士の資格を取得しました。
4. なぜ「あなたらしさを、ともにつくる」なのか
初めての勤務先は宮崎県内の総合病院。
環境が変わり、体力的には楽になった一方、多職種連携の難しさや、組織の壁にぶつかる日々もありました。
それでも、同僚・先輩・医師・OT仲間との出会いに恵まれ、認定作業療法士の取得や大学院での学び、教育の世界に立つ経験までさせてもらいました。
そんな中で、「自分の名前ではなく、組織の名前で勝負したい」という気持ちが芽生え、2023年、仲間とともにOURを立ち上げました。
私たちの理念である「あなたらしさを、ともにつくる」という言葉には、ご利用者さまだけでなく、スタッフ、家族、連携する医療福祉関係者、地域関わるすべての人が、自分らしくいられるようにという願いを込めています。
5. 経営者として、いま考えていること
私はこの理念を、単なるスローガンではなく、経営の判断軸そのものとして大切にしています。
数字や制度を整えることも必要ですが、それらはすべて、“人らしさを守るための道具”です。
事業を広げることももちろん大事です。
でも、その土台に「人にまっすぐ向き合う姿勢」がなければ、組織は持続しないと感じています。
理念は「掲げる」だけではなく、「実装する」もの。
それをどう日々の判断、仕組み、文化に落とし込むかそれこそが、経営者の役割だと考えています。
たとえば、OURではICTやAIの導入を進めています。
でもそれは業務効率のためだけではなく、“人にしかできないこと”に集中するための土台づくりです。
また、組織の文化としても「人らしさを尊重する」ことを大切にしています。
役職や経験年数に関係なく、意見や想いが届くチームであること。
スタッフそれぞれの生き方に合った働き方が選べること。
失敗しても咎めるのではなく、「次どうするか」を一緒に考えられる関係性。
理念の浸透とは、日常のごく小さな選択や仕組みに、どれだけ本気で向き合えているかだと思っています。
6. このコラムで届けていきたいこと
このコラムでは、OURの理念や現場での実践、そして経営という立場から見えてくることを、私自身の視点で率直にお届けしていきます。
訪問看護という現場の話、理念と向き合う日々の中で感じたこと、そして経営者としての責任や迷いどれも、ただきれいな言葉ではなく、生きた言葉で書いていきたいと思っています。
なぜこの理念にたどり着いたのか
病院勤務、教育現場、そして起業。理念がどんな問いから生まれたのかを丁寧に振り返っていきます。
日々の現場で、どんな葛藤や判断があるのか
訪問看護という仕事に正解はありません。理念が“机上の空論”にならないように、現場の迷いや判断も率直に共有します。
スタッフとどう組織をつくっているか
制度やICTだけでなく、「文化」や「関係性」も組織を形づくる柱。試行錯誤してきた取り組みや失敗も含めて書いていきます。
経営者としての生の声も
矛盾の中で判断し、理念を実装する。その責任や苦しみも含めて、誠実に言葉にしていくつもりです。
このコラムが、同じように現場と組織の間で悩む誰かの、ヒントや安心につながれば嬉しいです。
7. おわりに(次回予告)
“その人らしさ”を支える組織でありたい。
わたしたち自身の“らしさ”も大切にしながら。
このコラムが、OURの想いや在り方を知っていただくきっかけになれば嬉しいです。 次回は、「理念“あなたらしさを、ともにつくる”の深掘りと、現場での実装例」について書いてみようと思っています。
どうぞ、気楽に、そして気長にお付き合いください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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