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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

高次脳機能障害のセルフチェックリスト|家族が気づける10のサイン

脳卒中や頭部外傷から時間が経ち、体は回復してきたのに、「なんとなく以前と違う」と感じることはないでしょうか。高次脳機能障害は本人が自覚しにくいことが多く、周囲の気づきが受診や支援につながる大切な入り口になります。

この記事では、国立障害者リハビリテーションセンターの診断基準で挙げられている主な症状をもとに、ご家族が生活の中で気づきやすい10のサインをチェックリストとして紹介します。

チェックリストは診断のためではなく、受診や相談のきっかけにするためのものです

以下の項目は医学的な診断基準そのものではなく、日常生活の中で気づきやすい変化を整理したものです。当てはまる項目があるからといって必ず高次脳機能障害であるとは限りませんが、複数当てはまる場合や、明らかに以前と様子が違うと感じる場合は、医療機関や訪問看護に相談することをお勧めします。

記憶に関する3つのサイン

  • 同じ話や質問を何度も繰り返す
  • 少し前の出来事(今日の朝食の内容など)を思い出せない
  • 約束や予定を忘れることが増えた

新しい情報を記憶にとどめる力が低下していることが背景にあると考えられます。発症前の古い記憶は保たれていることが多く、「昔のことは覚えているのに最近のことは忘れる」という特徴があれば、記憶障害の可能性を考える手がかりになります。

注意・集中に関する2つのサイン

  • テレビや周囲の音があると会話や作業に集中できない
  • 複数の作業を同時に頼むと混乱してしまう

一つのことに注意を向け続けたり、複数の情報を同時に処理したりする力が影響を受けている可能性があります。静かな環境で一つずつ作業を頼むと、以前のようにこなせることもあります。

計画・実行に関する2つのサイン

  • 料理や買い物など、段取りが必要な作業がうまくいかなくなった
  • 何かを始めても、途中で次に何をすればいいか分からなくなる

計画を立てて順序立てて実行する遂行機能が影響を受けているサインです。一つひとつの動作はできても、全体の流れを組み立てることが難しくなります。

感情・対人関係に関する3つのサイン

  • 些細なことで怒りっぽくなった、あるいは怒りを抑えられない
  • 以前より意欲がなく、何もせずぼんやりしていることが増えた
  • 周囲の状況を考えずに発言・行動してしまう

社会的行動障害と呼ばれる症状群です。性格が変わってしまったように見えるため、ご家族が最も戸惑いやすい変化ですが、これは脳損傷による症状であり、本人の人格そのものが変わったわけではないことを理解しておくことが大切です。

チェックリストで気になる点があれば、いつ・どんな場面で気づいたかを記録しておきましょう

受診や相談の際には、「いつから」「どんな場面で」その変化に気づいたかという具体的な情報が、医師やリハビリ専門職にとって重要な手がかりになります。可能であれば、気になった出来事をメモしておくことをお勧めします。

よくある質問

チェックリストに複数当てはまったら、すぐに病院に行くべきですか?

緊急性が高い症状(急な麻痺、意識障害、激しい頭痛など)がなければ、まずはかかりつけ医や、発症時にお世話になった医療機関に相談することをお勧めします。すでに訪問看護を利用している場合は、担当スタッフに相談することもできます。

本人は「変わっていない」と主張しています。どう対応すればいいですか?

高次脳機能障害は自覚しにくいことが特徴のひとつです。本人を責めるのではなく、「一緒に病院で相談してみよう」というように、確認のための受診として誘うと受け入れられやすいことがあります。

チェックリストに当てはまらなくても心配な場合はどうすればいいですか?

このチェックリストは代表的な症状の一部を紹介したものであり、すべての症状を網羅しているわけではありません。少しでも気になる変化があれば、当てはまる項目の数にかかわらずご相談ください。

家族だけでは判断が難しいのですが、専門家に見てもらう方法はありますか?

訪問看護を利用することで、生活の場での様子を専門職に定期的に確認してもらうことができます。気になる変化があれば、その都度共有し、必要に応じて受診につなげる相談も可能です。

まとめ

今日できる一歩:このチェックリストを見ながら、ご本人の最近の様子を振り返ってみてください。気になる項目があれば、次回の受診や訪問看護の訪問時に伝えてみましょう。

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この記事を監修した人

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看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。