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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

高次脳機能障害の検査方法とは?診断に使われる神経心理学的検査を解説

「病院でいろいろな検査を受けたが、何を調べているのか分からなかった」高次脳機能障害の診断では、画像検査だけでなく、記憶や注意、判断力を調べる独特な検査(神経心理学的検査)が行われます。

この記事では、高次脳機能障害の診断に用いられる代表的な検査の種類と、それぞれが何を調べているのかを解説します。

診断にはまず画像検査で脳の器質的な損傷を確認します

厚生労働省・国立障害者リハビリテーションセンターの高次脳機能障害診断基準では、MRI、CT、脳波などにより、認知障害の原因と考えられる脳の器質的病変の存在が確認されていることが診断の要件のひとつとされています。まずは画像検査で、脳のどの部分にどの程度の損傷があるかを確認します。

神経心理学的検査は、記憶・注意・遂行機能など複数の側面を組み合わせて評価します

高次脳機能障害はさまざまな症状を含むため、一つの検査だけですべてを評価することはできません。記憶、注意、遂行機能などそれぞれの機能を調べる複数の検査を組み合わせた「評価バッテリー」が用いられます。診断は急性期の症状を脱した後に行われ、神経心理学的検査の所見が参考にされます。

WAIS(ウェクスラー成人知能検査)は、全体的な知的機能のバランスを調べる検査です

言語理解、知覚推理、ワーキングメモリ、処理速度など複数の側面から知的機能を評価します。単純な「知能指数(IQ)」を出すだけでなく、どの能力が保たれ、どの能力が低下しているかという「機能のばらつき」を把握するために用いられます。

WMS-R(ウェクスラー記憶検査)やRBMTは、記憶の状態を詳しく調べる検査です

ウェクスラー記憶検査(WMS-R)は、言葉の記憶や図形の記憶など複数の側面から記憶力を評価します。リバーミード行動記憶検査(RBMT)は、日常生活に近い場面(人の名前を覚える、約束を思い出すなど)を模した課題で記憶力を評価する検査で、生活場面での困りごとを予測しやすいという特徴があります。

TMT(トレイルメイキングテスト)は、注意と遂行機能を調べる検査です

TMTは、Part-AとPart-Bの2部構成になっており、Part-Aでは1から25までの数字を順番に線で結び、Part-Bでは数字とひらがなを交互に結んでいきます。注意を持続させる力と、ルールを切り替えながら作業を進める遂行機能の両方を評価できる検査として広く用いられています。

BADSやWCSTは、計画を立てて実行する遂行機能を多面的に評価する検査です

遂行機能の行動評価法(BADS)は、日常生活に近い複数の課題を通じて計画力や問題解決力を評価します。ウィスコンシンカードソーティングテスト(WCST)は、カードを分類するルールを推測しながら、ルールが変わったときに柔軟に対応できるかを調べる検査です。

検査結果だけでなく、生活場面での様子と合わせて総合的に評価することが重要です

神経心理学的検査の結果は、あくまで評価の一部です。検査室では気づかれなかった困りごとが、実際の生活の中で明らかになることもあります。運動機能障害やその他の症状も含めた総合的な評価と、生活場面での観察を組み合わせることが、実態に即した支援につながります。

よくある質問

検査にはどのくらい時間がかかりますか?

検査の組み合わせによって異なりますが、複数の検査を行う場合、1回では終わらず数回に分けて実施されることもあります。疲労によって結果が影響を受けることもあるため、無理のないペースで進められます。

検査結果はすぐに教えてもらえますか?

検査直後に簡単な説明がある場合もありますが、詳細な分析には時間がかかることが多く、後日改めて医師から結果の説明を受ける流れが一般的です。

検査を受けるのに紹介状は必要ですか?

医療機関によって異なりますが、高次脳機能障害の専門的な評価を行っている医療機関の多くは、かかりつけ医からの紹介状を求めることがあります。まずはかかりつけ医にご相談ください。

在宅生活の中でも検査結果を活かすことはできますか?

できます。訪問看護やリハビリ専門職は、検査結果をもとに、どの機能に配慮した関わり方が必要かを考えます。検査結果の写しがあれば、訪問時に共有していただくとより具体的な支援につながります。

まとめ

今日できる一歩:これから検査を受ける予定がある方は、普段の生活で困っていることを具体的にメモしておくと、検査結果と生活実態を照らし合わせる際の参考になります。

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参考文献一覧

  • 「高次脳機能障害」診断基準(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部、国立障害者リハビリテーションセンター)
  • 高次脳機能障害情報・支援センター(国立障害者リハビリテーションセンター)

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この記事を監修した人

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看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。