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ともにつくるケアノート— あなたらしさを支える訪問看護のかたち —

高次脳機能障害の注意障害とは?集中できない症状の特徴と対応を解説

「話の途中で気が散ってしまう」「テレビがついていると会話に集中できない」脳卒中や頭部外傷の後、こうした様子が見られることがあります。これは高次脳機能障害の代表的な症状のひとつである注意障害の可能性があります。

この記事では、注意障害の種類と、生活の中で気づきやすいサイン、在宅でできる対応の工夫を解説します。

注意障害とは、特定の対象に注意を向け続けたり切り替えたりする力が低下する症状です

厚生労働省・国立障害者リハビリテーションセンターの高次脳機能障害診断基準では、注意障害は記憶障害・遂行機能障害・社会的行動障害と並ぶ代表的な認知障害のひとつとして位置づけられています。注意障害があると、周囲の刺激に気を取られやすくなったり、逆に一つのことに固執して切り替えができなくなったりします。

注意障害にはいくつかの種類があり、影響を受ける場面が異なります

注意機能は一つではなく、対象に注意を向け続ける「持続性注意」、必要な情報を選んで注目する「選択性注意」、複数の作業や情報を同時に処理する「配分性注意」、注意の対象を切り替える「転換性注意」など、いくつかの側面に分けて考えられています。どの側面が影響を受けているかによって、生活上の困りごとの現れ方も変わってきます。

持続性注意の低下は、長時間の作業や会話が続けられない形で現れます

読書や書類の記入など、一定時間集中し続ける必要がある作業の途中で気が散ってしまう、飽きてしまうといった様子が見られます。短い時間で休憩を挟みながら作業を進める工夫が助けになります。

選択性注意の低下は、雑音や周囲の動きに気を取られやすい形で現れます

テレビの音、周囲の人の会話、外の物音など、本来は無視してよい情報に注意が向いてしまい、目の前の会話や作業に集中できなくなります。静かで刺激の少ない環境を用意することが、症状の影響を軽減する具体的な対策になります。

配分性注意の低下は、複数の作業を同時に行うと混乱する形で現れます

料理をしながら電話に対応する、テレビを見ながら会話するといった「ながら作業」が難しくなります。一つの作業が終わってから次の作業に移るよう、家族が意識的に声をかけることが役立ちます。

環境調整と一つずつの声かけが、在宅での基本的な対応になります

注意障害への対応では、本人の努力だけに頼るのではなく、周囲の環境を整えることが重要です。テレビを消す、一度に一つの指示だけを伝える、作業の区切りごとに休憩を入れるといった工夫を、生活の中に取り入れていきます。リハビリでは、注意機能そのものを段階的に鍛える訓練が行われることもあります。

注意障害は他の症状の背景にもなっているため、総合的な評価が重要です

注意障害は、記憶障害や遂行機能障害の背景要因になっていることも少なくありません。「覚えられない」原因が実は「そもそも注意を向けられていない」ことにある場合もあるため、症状を個別に切り分けず、専門職による評価を通じて全体像を把握することが有効な対応につながります。

よくある質問

注意障害は年齢とともに誰にでも起こるものと何が違いますか?

加齢によっても集中力の低下は起こりますが、高次脳機能障害の注意障害は、脳卒中や頭部外傷など特定の脳損傷を原因として、比較的急に、生活に明らかな支障が出る形で現れる点が異なります。

テレビを消すなど環境を制限しすぎるのは良くないですか?

常に刺激を完全に遮断する必要はありません。集中が必要な作業のときだけ静かな環境を整えるなど、場面に応じてメリハリをつけることが現実的な工夫です。

仕事に復帰したいのですが、注意障害があっても大丈夫でしょうか?

業務内容や症状の程度によって判断は異なります。リハビリでの評価結果をもとに、職場と相談しながら業務内容や勤務時間を調整することが一般的なアプローチです。

注意障害の訓練は自宅でもできますか?

リハビリ専門職の指導のもとであれば、パズルや計算課題など生活に取り入れやすい訓練を行うこともあります。自己判断で難しい課題に取り組むより、専門職に相談しながら進めることをお勧めします。

まとめ

今日できる一歩:会話や作業の際にテレビや周囲の音を一時的に消すなど、静かな環境を試してみてください。集中しやすさに変化があるか観察してみましょう。

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参考文献一覧

  • 「高次脳機能障害」診断基準(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部、国立障害者リハビリテーションセンター)
  • 高次脳機能障害情報・支援センター(国立障害者リハビリテーションセンター)

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この記事を監修した人

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看護・リハビリチーム

看護師7名・理学療法士1名・作業療法士3名 / 宮崎市

宮崎市を中心に24時間・365日の訪問看護を提供。在宅透析・人工呼吸器・CV管理などの高度医療処置から生活期リハビリまで対応。「あなたらしさをともにつくる」を理念に、認定作業療法士・中田富久が代表を務め、医師・ケアマネジャーと連携し利用者一人ひとりの在宅生活を支援している。帝人ファーマ「みんなの訪問看護アワード2026」大賞受賞。